ものづくりの原価管理自動化「GenKan(ゲンカン)」開発のKOSKA、500 Startups Japanから3,000万円を資金調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.1.16

KOSKA のチームメンバーと、500 Startups Japan の皆さん
Image credit: KOSKA

製造業向け原価管理自動化サービス「GenKan(ゲンカン)」を開発・提供する KOSKA(コスカ)は16日、500 Startups Japan から資金調達したと発表した。

KOSKA は2018年10月、一橋大学の学生で、保険事業者向けクラウドの hokan でインターン経験のある曽根健一朗氏らにより2018年10月に創業。製造業を営む中小企業向けに原価計算ができる SaaS「GenKan」を提供している。

これまでにも原価システムの仕組みはあったが、それらは財務諸表へ反映させることを前提としたものであるためデータの粒度が粗かったり、ERP の一つの機能として提供されるため多額の投資を求めらたりすることが多かった。GenKan では、製造企業のマシンやラインにカメラ、加速センサー、重量センサーなどを取り付け、そこから得られるデータを元に製造原価の可視化を行う。システムの開発に当たっては、原価計算研究学会の常任理事で、曽根氏が通う一橋大学商学部の尾畑裕教授にアルゴリズム開発の支援を受けている。

中小企業において、生産管理や経営者が見てわかる仕組みを作るというのが一つの目標です。製造企業においては、営業と製造現場が乖離していることが少なくありませんが、GenKan なら営業が数字を直接見られるようになるので、部署横断でのコミュニケーションの活性化が期待できます。

これまでの原価計算の仕組みは、精緻な値を得るためには現場にデータの手入力を強いるものが多かったが、GenKan ではそれらを自動化しています。また、営業費用など間接コストを管理するものが多く、製造現場を見ているものが少なかった。GenKan はそういう現状を変えていきたい。(曽根氏)

GenKan のダッシュボード(クリックして拡大)
Image credit: KOSKA

製造業の自動化が進む中で、反復可能なプロセスについてはヒトが機械に置き換えられることは多い。ただ、会計の観点から見ると、得られた数値からは、どのプロセスをどう機械化することでコスト改善が望めるのかは不明瞭だ。製造現場に根ざした原価計算を見える化することで、本来、改善されるべきプロセスが明確化できるのだという。

KOSKA は昨年来、複数の製造企業の協力を得て GenKan の実証実験を行っているが、ある企業では検査工程の原価が非常に高いことが判明し、この部分を機械に置き換えることでペイするのかどうかに着目することができたのだという。機械や設備と異なり、ヒトは複数の異なるプロセスを行える柔軟性があるため、人と機械の配置最適化にも活用できる。曽根氏によれば、GenKan は製造業において、従業員の適材適所への配置に役立つことを狙っているという。

製造業におけるテクノロジー導入は、インダストリー4.0 発祥のドイツと日本が圧倒的に群を抜いており、GenKan のような、ものづくりの原価管理プラットフォームも世界的には競合が少ない。KOSKA では今後、日本国内数十社程度を目標に顧客を獲得し PMF(Product Market Fit)を図り、将来はアジアをはじめとする世界市場への進出も念頭に置いている。

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