Softbank Vision FundがOakNorthに4億4000万ドルの出資、注目される「チャレンジャーバンク」とは

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ピックアップSoftBank’s Vision Fund to invest $440 mln in UK start-up OakNorth

ニュースサマリー:英国発のフィンテック・スタートアップの「OakNorth」は9日、4億4000万ドルの資金調達に成功したと公表している。Softbank Vision FundおよびClermont Groupsが出資した。

OakNorthはスタートアップや中小企業を対象に、融資サービスを展開しているオンラインバンク。業務を可能な限りクラウド上で取り扱い、低コストにて事業モデルを確立している点が特徴。投資業務やポートフォリオのモニター業務などもビッグデータやマシーンラーニングを取り入れることで効率化に成功している。2017年開催の「Banking Technology Awards」においては、Best Use of Cloud賞を受賞している。

TechCrunchの記事によると、OakNorthはこれまで37億ドル以上の貸し出しを完了し、債務不履行や支払期限の遅れなどの問題を起こしていないという。

話題のポイント:OakNorthはもちろん、テクノロジーを利用したバンキングサービスの効率化という点でフィンテックの範囲なのですが、新たな呼称として「チャレンジャーバンク」と呼ぶことがあるようです。大和証券が2018年に公開した資料では、チャレンジャーバンクの定義として「銀行免許を取得してモバイルアプリを中心に融資、決済等の銀行業関連の商品・サービスを提供する銀行」と説明しています。

先日紹介したRaisinもベルリン拠点ですが、チャレンジャーバンクのような動きは特に欧州で活発みたいです。背景にはEU経済圏における「人の流動性」が大きく、加盟国であれば基本的に自由に動き回れるため、ネットを介してお金の管理を効率化することは大きな利点なのでしょう。OakNorthはビジネスサイド向けサービスですが、カスタマー向けのチャレンジャーバンクもあります。

日本にてチャレンジャーバンクの座を狙っているのは、昨年みずほフィナンシャルグループとLINEのパートナシップにより誕生したLINE Bankです。既にチャットツールのプラットフォームとしてモバイル生活のツールとなっているLINEが銀行になれば、ユーザー自身で大きなアクションを起こすことなく、自然とモバイルバンクの利用ができるようになります。

日本はEU経済圏のように多数の国家をフレキシブルに動き回る機会はそこまで多くないため、今までユーザーが「敢えて」モバイルバンキングを選択する必要性がなかったかもしれません。

また今回取り上げたチャレンジャーバンクのように銀行業登録まではせず、既存金融機関とのパートナシップによりサービスを展開する「ネオバンク」というスタイルがあります。Variant Market Researchによると、ネオバンク市場は2025年に3兆6000億ドル規模に達し、その年平均成長率は45.8%にもなるそうです。

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Credti: Variant Market Reserach

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