物議を醸す東南アジアの援交アプリ「Sugarbook」、エンジェル投資家から数十万米ドルを調達

by Tech in Asia Tech in Asia on 2019.2.14

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Sugarbook
Image credit: Sugarbook

テックへのおそらくもっとも分かりやすい投資ではないだろうか。シュガーダディ(若い女性に金品を与える中高年男性)が若い女性と出会うためのアプリを作ったスタートアップが2日、ある富豪から現金を手に入れたと発表した。

物議を醸しているアプリ Sugarbook の CEO 兼設立者 Darren Chan 氏は金額も提供者の名も明かしていないが、これは保守的なマレーシアやシンガポールで抵抗を受けながらもヒットしているサービスに対する信任投票であると同氏は考えている。

「チャット、交渉、出会い」を売り文句とするこのデートアプリは、交際の取引的な性質を耳障りの良い言葉で取り繕うようなことはしていない。ウェブサイトの「sugar baby perks(シュガーベイビーの特権)」というセクションには「豪勢なお小遣い、豪華なプレゼント、海外バケーション、そして世界中でショッピングの豪遊を楽しもう」と書かれている。

Chan 氏は Tech in Asia にこう語る。

私が最初に始めたときは、私が何をしているのかを誰も、同じ屋根の下に住んでいたパートナーですらも、知りませんでした。彼女は私が何か成し遂げようとしているということは分かっていました。私は2ヶ月の間、少なくとも30人の開発者と日々継続して面接を行いました。ネットの口コミで広まったオンラインメディアのビデオインタビューによって私の家族や友人が Sugarbook に気づいたのは、そのほんの1年後のことでした。

ですがありがたいことに、私は自分の努力を信じてくれる協力的な家族に恵まれています。

この32歳の設立者はそう付け加えた。

蜜の味

Chan 氏は2017年1月にウェブサイトを開設し、アプリはその8ヶ月後にリリースした。

アプリはほぼすぐさま議論の的となった。シンガポールの社会・家族開発省大臣 Desmond Lee 氏は、このアプリが金銭を介した性的サービスを斡旋している証拠があるかどうか警察が「目を光らせている」と警告した

政府はこのアプリが人間関係を「商品化してその価値を減じさせる」ものであるとして「総じて反対している」と大臣は付け加えた。

しかし Sugarbook は「ただのソーシャルネットワーキングプラットフォーム」であると Chan 氏は強く主張している。

当局が接触してくる必要も、接触し続けてくる必要もないと思います。

Darren Chan 氏
Photo credit: Sugarbook

同氏は批判に対しても敏感であり、Sugarbook が議論の的になっているのは「メディアが援助交際をどう見ているのかが主な理由」だと述べる。しかしこの先同社が「こういった誤解を上手く切り抜けて対処するための、非常に良好なポジション」についていると同氏は考えている。

東南アジアの人々が実際の理解を深めるにつれて、援助交際という考えを受け入れるようになると彼は感じている。

このアプリにはいくつかのセーフティ機能があり、物事の規律を守り女性ユーザの安全を保証しようとしている。

Sugarbook には「24時間体制で12人の仲裁者」がいて、ユーザが売春や搾取に関わった形跡を探していると Chan 氏は説明する。またユーザが「申込に際して、たとえばパスポートや ID カードのような身分証明書の書類を自撮り写真や証明写真と共に提出するよう求める」「認証済みプロフィール」の印もある。

同社が促進していることは合法的ではあるが、援助交際とは必ずしもアプリが示しているようなブランド物のハンドバッグや iPhone や海外旅行ばかりではない。その一部はアルバイトとしてセックスワークに従事する、立場の弱い女性で占められているのが現実だ。さらに、他のソーシャルメディアアプリにおける援助交際では未成年が罠にかかっているという証拠もある。

義務ではない

Chan 氏は「多くの人間関係は取引的なもの」であることに人々が気付くべきだと感じている。長い間ずっとそうだったとしている。

Chan 氏はこう論じる。

合意に基づく性的なニーズや感情的なサポート、もしくは経済的なサポートのような、互いに得るものがあるという理由で人は誰かと付き合う傾向にあります。とは言っても、シュガーベイビーにセックスをする義務はありません。彼女たちは娼婦ではないのです。実際のところ、彼女たちは人生において求めるものを理解し、目的意識を持って行動する個人なのです。

私やあなたと同様に、シュガーベイビーにも誰と関係を築きたいかという選択の自由があります。シュガーベイビーであることはプロフェッショナルやビジネス的な取引ではありません。ライフスタイルの選択なのです。

現在 Sugarbook には30万人のメンバーがいるそうだが、アクティブユーザや現在の有料会員の数は明確にされなかった。ユーザは60か国に広がり、マレーシア、アメリカ、シンガポール、そしてフィリピンが上位4か国を占めているという。

同社はオプションである月額課金や、「シュガーベイビー用」と「シュガーダディ用」のパッケージから利益を上げている。3ヶ月間の VIP プログラムは42.95米ドルだ。2018年の収益は15倍の成長を遂げたとしているが、明確な額は明らかにされていない。

Chan 氏は Dating Scout というレビューサイトを挙げて次のように述べた

女子大学生は大学の e メールで登録するか入学を証明するものを提示すれば、無料でプレミアムアカウントが与えられます。これによって学生がシュガーダディと出会うことが容易になります。

2つ目のスタートアップ

マレーシア生まれの Chan 氏はオーストラリア・メルボルンの RMIT 大学を卒業した。その後は同氏の最初のスタートアップである Gigfairy を立ち上げるまでの短期間、父親の下で製造業の仕事をしていた。

音楽のライブパフォーマーを予約できる Gigfairy は、2016年初頭に AirAsia のエンターテインメント部門に買収された。

最初のベンチャーの後、Chan 氏はデートアプリ制作を考え始め、すぐに Tinder や Match.com のようなものとは違うものにしなければならないと考えるようになった。

同氏はこう回想する。

そこで、オンラインのデートアプリを使用する人の40%は関係を考慮する前にまず経済面を見るということを示す研究を見つけ、目指すべきニッチはそこだと思い、金銭に基づいた互いにメリットのある人間関係のためのプラットフォームとコミュニティを作ろうと考えました。

6桁相当の新たな資金調達ラウンドは「香港で最大級のベンチャーキャピタル企業で投資銀行業務に携わっていた経歴をもつ」エンジェル投資家によるものだと Chan 氏は明らかにした。

同社はその資金を製品開発、スケール、インフラに関連した取り組みならびに2020年までに新たに3つか4つの国に拡大するための財源とする。今年の課題は香港やバンコクでさらに多くのシュガーベイビーやシュガーダディを引き入れることである。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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