タイ証券取引所(SET)は証券取引所において仮想通貨の売買を可能にするため、デジタル運用ライセンスを申請したと、Bangkok Post が報じた。
この計画の主な目的は、すでに SET で証券を取引しているサードパーティの民間企業を活用することである。SET で取引をする会社は、ブローカーやディーラーのライセンスを申請することで、「デジタル資産(仮想通貨)」の取引ができるようになる。もし承認されれば、仮想通貨を売買できる世界でも数少ない証券取引所の1つとなるという。
タイ証券会社協会(ASCO)の会長である Pattera Dilokrungthirapop 氏は、投資手段として仮想通貨を利用する人々の動向に追随していきたいと語った。また同氏は、実際のウォレット設定やバックオフィスのワークフロー作成など、SET は依然として重要な詳細部分を詰めていく必要があると話している。
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SET は自身の持つ公的資本と信頼性における優位性をアピールし、投資家らを呼び込みたいとしている。カナダ最大の取引所である Quadriga の CEO が突然死したことで、1億4500万米ドル相当の仮想通貨にアクセスできなくなるというトラブルがあり、信用問題が今週特に取り沙汰されている。とは言え、民間企業はウォレットを長期にわたり運営してきており、支えとなる経験を多く有している。
おそらく、経験の浅い投資家でも安心して証券取引所で投資できるようにするため、SETは政府からより厳重な監視を受けるとしている。規制の監視は SET が担当するが、運用ライセンスの管理は財務省が担当するという。
Bangkok Post が紹介した投資会社は、このような仮想通貨取引の促進に対し柔軟な態度を示しているが、社内的には「サイドプロジェクト」のような扱いになるだろうと即座に指摘した。このコメントは「投資家らは依然として本業にフォーカスし、仮想通貨の取引は二の次になる」ということを示している。
SET からの申請は「仮想通貨に明るい証券取引所にする」という戦略的願望の表れであるが、実現までの道のりはまだまだ長いようだ。
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