Googleが目指す新たなインターネット通信経済圏「Google Fi」を紐解くーーそのメリットとは

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Photo by Andres Urena on Pexels.com

ピックアップGoogle Fi SIM cards are now on sale at Best Buy

ニュースサマリー:Googleが米国在住者向けに提供するMVNO(格安SIM)の「Google Fi 」が、大型量販店であるBest Buyを通して購入できるようになった。11日に米テックメディアなどが報じているもので、Google Fiを用いれば国際ローミングすることなく対応している世界200カ国以上で通信することが可能になる。プランは20ドルで電話・テキストが無制限に利用可能。データ通信は1GBごとに10ドルをチャージする必要があるが、6GB以上は定額になる。

Google Fiは2015年から始まっているGoogle独自のMVNOプロジェクト。当初は「Project Fi」といった名称だったが、昨年Google Fiに変更された。また名称変更と同時に今まではGoogle指定のデバイスでしか使えなかったが、iPhoneやAndroidにも対応するなど、ユーザー獲得を目指していることが伺える。

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Google Fiへの加入はGoogle公式サイトからも可能なものの、配送までに時間が掛かることが問題視されていた。Best Buyの公式サイトでは、もちろん配送でオーダーすることも可能だが、直接店舗に行けばすぐに購入可能なため、Google Fiに切り替えを考えるユーザーにとって最速のオプションとなっている。

話題のポイント:Google FiがBest Buyを通して購入可能となったとはいえ、まだ米国在住者向けのサービスであることに変わりはありません。(Best Buyが国際配送に対応していないため)。ただ、Googleは2016年の段階で、Google Fiの自動販売機をサンノゼ国際空港に設置するなどの動きを見せてますから、海外でも購入可能になるのは時間の問題かもしれません。

Google Fiの魅力の一つに米国国内であれば全米約100万箇所の無料Wi-FiにVPNで自動接続してくれる点があります。そもそものデータ通信料をセーブしつつ、セキュリティー強化もできるオプションです。

海外端末(特に中国系メーカー)ではデュアルシム(スマホに標準で2つのSIMカードがさせる)が一般的になってますから、国外出張用の多いビジネスユーザーは「Google Fiをとりあえず入れておく」といったことも増えてくるんじゃないかなと個人的には感じています。現在ではiPhoneにも対応しているため、導入対象も広いです。

下のグラフは2018年におけるMVNOのシェア率を表しています。純粋なMVNOが約10%程度で、2017年総務省が公表している日本におけるMVNOのシェア率が8%程度でしたから、微増ながら利用者は増えている傾向があるようです。

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Credit: MMD研究所

国内のMVNOは「格安スマホ」と呼ばれることが多いように、料金面のメリットが挙げられますが、Google Fiの取り組みは世界の通信網を前提としたサービスになるので、また別の魅力が生まれてきます。今後、Google Fiがどのような戦略で拡大していくのか、そして日本には(米国在住者向けから世界どこに住んでいても購入可能になるのか)やってくるのか、非常に楽しみです。

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