日本版OpenDoorの「すむたす」、プレシリーズAラウンドで資金調達——不動産仲介会社向け買取査定SaaSをローンチ、流入経路を拡大

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左から;すむたす代表の角高広氏、
「すむたす買取エージェント」成約第1号案件を仲介したセンチュリー21イズミ東京の泉乃梨子氏
Image credit: Sumutasu

不動産スタートアップのすむたすは25日、プレシリーズ A ラウンドで資金調達を実施していたことを明らかにした。調達実施は2018年12月とみられ、調達金額は非開示。このラウンドに参加したのは、500 Startups Japan(出資払込当時)、Gunosy Capital、SMBC ベンチャーキャピタル、デジタルマーケティングの STAUT、名前非開示の個人投資家1名。

同社にとっては、昨年10月に実施したシードラウンドでの5,000万円の調達に続くもので、500 Startups Japan は前回ラウンドに続く2度目の出資参加となる。

すむたすは、不動産価格をほぼ自動的に査定できる独自アルゴリズムを開発したことにより、通常は申込から数週間から数ヶ月以上かかる不動産の買取を、最短2日間で可能にしている。昨年以降、さまざまな理由で保有不動産を早期売却したい不動産オーナーを対象に「すむたす買取」を運営しているが、今回新たにローンチした「すむたす買取エージェント」では、対象ユーザを不動産オーナーから不動産仲介会社へと拡大するようだ。

すむたす買取エージェントでは、不動産仲介会社が不動産オーナーに代わり物件情報を投入してから最短1時間で買取価格を査定、条件が折り合えば、すむたすが物件を買い取る。こうすることで不動産オーナーにとっては、時間をかけてでも好条件(高い価格)で買い取ってくれる買い手を探すか(売却を依頼した不動産会社のネットワーク)、条件を譲歩しても早期に売却するか(すむたす経由)の選択肢が広がることになる。

「すむたす買取エージェント」
Image credit: Sumutasu

すむたす買取エージェントを開発した背景について、すむたす代表取締役の角高広氏は、THE BRIDGE に次のように教えてくれた。

転勤などで住み替えを希望する「ポジティブな理由」で早期売却したいユーザ、離婚や相続といった「ネガティブな理由」で早期売却したいユーザがいます。後者の場合は、(すむたす買取の)サイトには訪れず、不動産会社、税理士や弁護士といった士業の方に直接相談をされるケースが多いことがわかりました。

つまり、ポジティブ理由ユーザはすむたす買取で、ネガティブ理由ユーザはすむたす買取エージェントでキャッチしていこうという戦略だ。すむたす買取エージェントのターゲットは当面、都内近郊の不動産仲介会社に限定されるが、将来は士業向けサービスの展開も検討していきたいという。

すむたすでは、2019年2月にすむたす買取エージェントをβローンチ、プロダクトマーケットフィット(PMF)の観点から、EQON の協力を得て同社の「EGENT(イージェント)」に登録する複数の仲介会社にサービスの提供を行ってきた。βローンチから2週間で、EGENT 登録のセンチュリー21イズミ東京からの物件買取を実施できたそうだ。すむたすでは、すむたす買取を通じた累積価格査定額は400億円に上るとしている。

すむたす買取エージェントに参加するには、不動産仲介会社ですむたすの審査を通過する必要がある。不動産仲介会社は無料で利用でき、登録した不動産の買取成約時には、すむたすからオーナーへの買取金支払に加え、不動産仲介会社に紹介料が支払われる。すむたすは、市場価格よりも安価に買取をした物件をリフォームやリノベーションを加え再販、買取価格と再販売上の差分でマネタイズを図る。

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