香港拠点の国際送金スタートアップAirwallex(空中雲匯)、シリーズCラウンドで1億米ドルを調達——ユニコーンクラブに仲間入り

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


香港を拠点とする Airwallex(空中雲匯) はシリーズ C ラウンドで1億米ドルの資金を調達した。これにより企業評価額が10億米ドル以上となり、ユニコーンクラブの仲間入りを果たした。

同ラウンドは DST Global がリードし、Gobi Partners(戈壁創投)、Hillhouse Capital(高瓴資本) 、Horizons Ventures(維港投資)、Sequoia China(紅杉資本)、メルボルンの Square Peg Capital、Tencent(騰訊)といった Airwallex への既存投資家が参加した。

Jack-Zhang-co-founder-and-CEO-Airwallex.png
Airwallex の共同設立者兼 CEO Jack Zhang 氏
Photo credit: Airwallex

フィンテックスタートアップである Airwallex は、オーストラリアのメルボルンで設立。かつての活動拠点であったが、昨年本社を香港に移転させた。現在、銀行や企業がクロスボーダー送金を従来のオプションより低価格・高速で行えるよう支援している。その他、外貨両替サービス、オンラインショッピング業者向けに総合決済パッケージも併せて提供している。

顧客は現地の銀行口座情報を使い「グローバルバンクアカウント」を開設することで、他社には負けないインターバンクレートで取引を行うことが可能だ。

顧客として中国の大手テック企業 Ctrip(携程)や JD(京東)、そして同社に出資している Mastercard や Tencent(騰訊)などがいる。

Airwallex は声明で、シリーズ C ラウンドで調達した資金はマーケットプレイスやオンライン販売業者、中小企業にさらなる価値を提供することに重点を置きつつ、市場拡大と製品開発に使うと述べた。

また、「Airwallex はグローバルバンキングのオペレーションシステムになることを切望している」と声明で述べている。

昨年12月、イギリスの金融行動監視機構(FCA)から 電子マネー事業者(Electronic Money Institution)のライセンスを取得し、ヨーロッパ全域でサービスを提供できるようになった。また、オーストラリアの金融サービスライセンスも保有しており、カナダではマネーサービス事業として登録されている。

さらに、香港の金融サービス大手 Bank of East Asia(東亜銀行)と Sequoia Capital と提携し、香港のバーチャルバンキングライセンスを申請している。

同社によると今回の投資ラウンドで、調達した額は合計で2億200万米ドルとなった。2017年5月に行われたシリーズ A ラウンドと初期の資金調達を合わせて、Mastercard、Sequoia、Tencent から2,200万米ドルを獲得。Tencent と Sequoia がリードした2018年7月のシリーズ B ラウンドでは、8,000万米ドルを確保した。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する