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BirdがライバルScootを買収ーー背景にある「米電動スクーター規制」その状況とは

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ピックアップ:Bird Acquires Scoot ニュースサマリー:シェア電動スクーター「Bird」は13日、同業でライバル企業の「Scoot」を買収したと発表した。Scootはサンフランシスコをベースにシェアリング型の電動スクーターをけん引。スマホで手軽に利用アクセスできる気軽さが特徴で、今までに4700万ドルの資金調達を完了している。 買収額自体は公開されていないが、WSJによれば2500…

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ピックアップBird Acquires Scoot

ニュースサマリー:シェア電動スクーター「Bird」は13日、同業でライバル企業の「Scoot」を買収したと発表した。Scootはサンフランシスコをベースにシェアリング型の電動スクーターをけん引。スマホで手軽に利用アクセスできる気軽さが特徴で、今までに4700万ドルの資金調達を完了している。

買収額自体は公開されていないが、WSJによれば2500万ドルを株式・キャッシュを利用して取引したとしている。

話題のポイント:日本にいるとそこまで感じない、シェアリング型電動スクーターのトレンド。Luupの例など徐々に日本でもその存在が知られるようになってきていますが、利用機会が街中に広がるまでには時間がかかりそうな雰囲気です。

さて、先日電動スクーター利用の合法化へ向けた動きがニューヨーク州で始まっているーといったニュースがありました。拡大を続ける電動スクーターのシェアビジネスですが、実は先進的と思われている米国でも完全に自由化されてるわけではありません。

<参考記事>

次のマップはNPO法人「PeopleForBikes」が発表した各州の電動スクーター規制状況をまとめたもので、米国における、電動スクーターの州ごとのスタンスが示されています。

Credit:People for Bike

緑色(Model Legislation)は既に電動スクーター専用の法整備が整っている州、黄色(Acceptable)は自転車などと同等扱いで利用可能な州、そして赤色(Problematic)が自動車などと同等の規制を受ける州です。この色合いを見る限り、明らかに西海岸へ近づけば近づくほど規制が緩やかになってきている印象を受けます。

整備が比較的進んでいるカリフォルニア州サンフランシスコですが、実は現在シェア型電動スクーターを運営できる企業はSkipと今回買収されたScootのみに制限されていました。これはサンフランシスコ市当局がパイロットプログラムの募集をかけたもので、12の企業から応募があったとしておりBirdもそのひとつです。

しかし実はBirdはこのプログラムに参加できておらず、今回の買収は単なるライバル企業との合弁による事業拡大だけでなく、サンフランシスコにおける同社プログラム運用権利の獲得も兼ねての動きだったとみることができます。

モビリティーはUberやDiDi(滴滴)、Grabなどの例をみても各国のインフラを掌握する非常に重要なサービスです。特にそこで得られるデータは渋滞緩和や別のデリバリーサービスなど、サプライチェーンに広がる可能性を秘めています。

スタートアップの爆発的な成長と国家による規制のバランスが問われるだけに米国事例がどのように動くのか、国内サービスを占う上でも重要な視点と思われます。

サンフランシスコ市政執行委員会、顔認証ソフトウェアの禁止に向けて投票を実施

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サンフランシスコ市政執行委員会は14日、「秘密監視禁止」条例の投票を行い、その結果は賛成8票、反対1票であった。この条例では、顔認証ソフトウェアの使用や、顔認証ソフトウェアシステムからの情報取得が違法とみなされるようになる。市の事務局によると、2回目の審議と投票は21日の市政執行委員会で行われ、その場で条例が公式に可決または否決される。 ただ1人条例に反対したのが市政執行委員の Catherine…

14日、サンフランシスコ姿勢執行委員会で「秘密監視禁止」条例への支持を求める Aaron Peskin 委員
Image Credit: Khari Johnson / VentureBeat

サンフランシスコ市政執行委員会は14日、「秘密監視禁止」条例の投票を行い、その結果は賛成8票、反対1票であった。この条例では、顔認証ソフトウェアの使用や、顔認証ソフトウェアシステムからの情報取得が違法とみなされるようになる。市の事務局によると、2回目の審議と投票は21日の市政執行委員会で行われ、その場で条例が公式に可決または否決される。

ただ1人条例に反対したのが市政執行委員の Catherine Stefani 氏だ。同氏は、修正案では治安維持に関する同氏の質問や懸念が対応されていないと語っている。条例が可決されると、サンフランシスコは、警察を含む市の行政機関による顔認証ソフトウェアを違法とするアメリカで初めての都市となる。

条例には記載されている。

顔認証テクノロジーから得られるとされるメリットよりも、市民の権利と自由を危険にさらす恐れの方がはるかに大きいのです。このテクノロジーは人種間の不平等をさらに拡大させ、政府による継続的な監視から逃れて自由に暮らせる立場を脅かすものです。(条例記載内容の一部

条例の作成者であるAaron Peskin 委員は顔認証を「他に類を見ない危険なテクノロジー」と呼んでいる。また、中国西部のウイグル族の監視と、アメリカ自由人権協会(ACLU)が Amazon の Rekognition をテストして28人の議員が誤って犯罪者として認識された例について言及している。

Peskin 氏によると、今回の条例は、治安と監視国家への警戒のバランスを取るためのものだとしている。

治安国家でなくても治安は守れるのです。警察国家でなくとも良い治安維持はできるのです。(Peskin 氏)

市の行政法を修正することになる今回の条例では、行政機関が監視技術の使用に関する方針を作成することが求められる。また、行政機関は年に1度、監視レポートを提出して、ナンバープレートの読み取り機や、ドローン、センサー付き街路灯などのデバイスをどのように使ったかを説明する必要がある。

新しい監視テクノロジーを採用するにあたっては、市政執行委員会の承認が必要となる。新しいテクノロジーが承認されると、行政機関は「データ報告対策」を適用して「法律により保障された市民の権利と自由を保護するための対策が厳密に守られていることを、市政執行委員会と市民が確認できるようにする」必要がある。

人権やプライバシー、人種間の平等を守るための複数の団体が今回の条例を支持しており、近年サンフランシスコのベイエリアで発生している、死者を出した警察による介入についても言及している。

先月送られた、条例を支持する連判状には、ACLU of Northern California、Asian Law Alliance、Council on American Islamic Relations、Data for Black Lives、Freedom of the Press Foundation、Transgender Law Center が名を連ねている。

先月の議事運営委員会では、女性や人物の肌の色を識別できない顔認証ソフトウェアの監査について、団体メンバーの多くが言及していた。同様の批判は Amazon や Microsoftといった企業に対しても頻繁に行われている。こうした企業は過去に自社の顔認証 AI をテストしたり、法執行機関や政府機関に販売している。

今回の条例を支持している人たちの中には、地元警察だけでなく、国土安全保障省の移民税関捜査局がこうしたテクノロジーを誤って使用するのではないかという恐怖を抱いている人もいる。移民税関捜査局は、ビザや市民権、グリーンカードを持たずにアメリカに滞在している人を拘束する役割を担っている。サンフランシスコはこうした人たちにとっての安全地帯なのだ

条例では、監視テクノロジーの使用に関連して市の行政機関が市民とどう関わっていくかは明記されておらず、公聴会が必要であることだけが記載されている。

起訴を行うにあたって新しい監視テクノロジーが必要な場合、管理官に書面でその旨を説明することでサンフランシスコの保安官局と地方検事が条例の適用を免除されることについて同グループは反対している。生命を脅かすような緊急事態でも条例の適用は免除される。

前半でも触れたとおり、顔認証ソフトウェアを搭載した個人用ビデオカメラで撮影した動画や情報は、承認がないと警察と共有できないことに懸念を示して、条例に反対している人もいる。

警察と動画を共有する部分に関する修正を求めて、Stop Crime SF のメンバーから10通以上の手紙が市政執行委員に送付された。

地元住民の Peter Fortune 氏は手紙の中で次のように語っている。

近隣の住民や商業施設の多くが独自にセキュリティカメラを設置しています。犯罪者、特に車上荒らしや宅配泥棒の逮捕のために、サンフランシスコ市警察はいつでもそれらの動画記録を見ることができます。サンフランシスコ市警察を支援するのも、個人的にビデオカメラを設置している大きな理由の1つです。

Aaron Peskin 委員が「秘密監視禁止」条例を最初に提案したのは1月のことである。共同提案者には、アフリカ系アメリカ人が昔から多く住むベイビュー・ハンターズポイント(Bayview-Hunters Point)地区から選出された Shamann Walton 委員が名を連ねている。また、ラテンアメリカ系住民が昔から多く住むミッションディストリクトから選出された Hillary Ronen 委員も共同提案者に含まれている。

条例の制定に向けた動きの中で、AI システムの採用や使用に向けた独自の政策を立案しようとしている政府機関も出てきている。

アメリカの上院議員から成る超党派グループは先週、連邦規格の作成を目的とする AI 社会原則を再提出した。商務省の国立標準技術研究所(NIST)も、トランプ氏のアメリカにおける AI に関する大統領令の一環として、連邦規格の策定に向けて動き出している。

アメリカ以外では、ヨーロッパ委員会が最近 AI に関する倫理テストプログラムを制定した。また、世界経済フォーラムは今月後半に初となる世界 AI 会議を開催する。

国連と協力関係にある団体 FutureGrasp によると、193の国連加盟国のうち、国内で AI に関する政策を制定しているのはわずか33ヶ国である。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

学費は「出世払い」でOKなMake School、1500万ドル調達でニューヨークへ進出へ

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ピックアップ:Make School raises $15 million for its pay-for-performance computer science program ニュースサマリー:米国のアプリ開発者養成スクール「Make School」は9日、シリーズBにて1500万ドルの調達を伝えている。出資をリードしたのはVenrockで、Learn Capital、Kapor Capit…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップMake School raises $15 million for its pay-for-performance computer science program

ニュースサマリー:米国のアプリ開発者養成スクール「Make School」は9日、シリーズBにて1500万ドルの調達を伝えている。出資をリードしたのはVenrockで、Learn Capital、Kapor Capitalも今回のラウンドに参加した。

Make Schoolは昨年からDominican Universityとパートナシップを組み、2年間で取得可能なコンピューターサイエンスのバチェラーコースを開始。学費は7万ドルだが、生徒は卒業後の年収が6万ドルを超えた場合のみ支払えばよい仕組みを提供している。同社は今回調達した資金を、来年度に見据えるニューヨーク支社の設立に用いるとしている。

話題のポイント:今回のMake Schoolのように、新世代型の「大学」が増えてきています。その一例が「Minerva(ミネルバ大学)」です。同大学は固定のキャンパスを持たず、初年度をサンフランシスコで過ごしたのち、学生は世界の7都市を移り住みます。ローカルに溶け込む形で、各都市ならではの特徴を生かしてインターンや現地民との関りから「学び」を増やしていきます。

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今まで大学といえば、高い授業料を払い固定のキャンパスで学んで、またまた高いお金を払って留学するという流れが一般的だったと思います。Make Schoolやミネルバ大学は、新たな時代の選択肢を一つ増やす取り組みです。

日本もまた違った角度で「N高」のような取り組みが出てきていますが、ぜひとも日本からもこういった取り組みをする大学が登場することを願います。

井口尊仁氏率いるDoki Doki、米国で先行リリースした〝出会わない系〟ソーシャルアプリ「baby(ベイビー)」を京都でお披露目

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(本稿における写真は、一部を除き Doki Doki の提供) <11月14日23時更新> 2016年年初のラウンドの調達先に、サイバーエージェント・ベンチャーズと梅田スタートアップファンドを追加 セカイカメラ、tab、Telepathy——この男が手がけてきたアプリやデバイスは、毎度のように話題に事欠かない。昨年には新たなスタートアップ Doki Doki を設立、今年初めに Skyland V…

(本稿における写真は、一部を除き Doki Doki の提供)

<11月14日23時更新>

  • 2016年年初のラウンドの調達先に、サイバーエージェント・ベンチャーズと梅田スタートアップファンドを追加

セカイカメラtabTelepathy——この男が手がけてきたアプリやデバイスは、毎度のように話題に事欠かない。昨年には新たなスタートアップ Doki Doki を設立、今年初めに Skyland Venturesサイバーエージェント・ベンチャーズ梅田スタートアップファンドから資金調達していたので、そろそろ何か事を起こすのではないかと思っていた。くだんの井口尊仁氏は、6月に開催された Samurai Island Expo ’16 (SIE ’16) で、何かしら音声で情報を共有するアプリの開発に着手していることを示唆していたが、その詳細については明らかになっていなかった。

Doki Doki は10月に声で繋がるソーシャルアプリ「baby(ベイビー)」をアメリカで先行リリース、昨日、京都の MTRL 京都(マテリアルきょうと)で日本初となるアプリの披露イベントを開催した。「baby」は iOS 9 以上で動作し、今のところ対応言語は英語のみ(ただし、入力音声は言語を問わない)。また、アメリカの iTunes AppStore でのみ公開されており、日本の iTunes AppStore からはダウンロードできない(アメリカの iTunes AppStore 用のアカウントがあればダウンロード可能)。

〝出会わない系ソーシャルアプリ〟の誕生

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baby は5秒間の声をシェアし、新しい友達とつながることができるソーシャルアプリ。ユーザには位置的に自分に近いところにいる他ユーザの声(「voice」と呼ぶ)がタイムラインとして流れてくるので(このタイムラインを「parade」と呼ぶ)、Tinder ライクに気に入ったときには右へフリック(この動作を「ping」と呼ぶ)、気に入らなかったときには左へフリック(この動作を「ban」と呼ぶ)。ユーザ双方が互いを ping すると友達となり、parade を介さないプライベートなボイスチャットが楽しめるようになる。parade では1回のロードで、自分に近い人から順に10件の voice が流れてくる仕様となっている。

近場にいるということで、いくつかの問題が解決できると考えました。まず、言葉の問題。ワールドワイドなサービスであっても、近くにいる人となら、共通の言語を話している可能性が高い。それに、行っている場所、参加しているイベントなどを考えると、共通の話題がある可能性も高い。(井口氏)

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世の中にありがちなソーシャルアプリは、すでにオフラインで出会っている人がオンラインでも出会えるようにするサービス(Facebook や LINE はこれに相当するだろう)か、会ったことのない人にオンラインでつながり、さらにオフラインでもつながろうとするサービス(いわゆる、出会い系全般)に大別されるだろう。しかし、baby はオンラインで新しい友人を作って価値観や話題を共有するものの、実際にオフラインで会うことを前提としない、いわば〝出会わない系〟のソーシャルアプリだ。baby 開発の背景には、何より井口氏自身の経験が大きく影響している。

サンフランシスコにいることが多かったけれど、とにかく孤独だった。誰かと喋れれば幸せ、という感じ。だからと言って、Facebook のフレンドとは、そう気軽に話せる間柄の人たちばかりではない。ニューフレンドを見つけるのって大変だし、できたらできたで、何かとコストがかかるし「Tinder」とか「happn」とかも、いかにもダイレクトなデイティングばかりが多くて…。

もう一つ問題があって、例えば、HangOut とか Whatsapp とか。リアルタイムの通話って、相手と時間を調整するのが大変。であれば、5秒間という時間を区切って、そのボイスを共有できればいいのではないかと考えた。

baby の位置付けは、テキストチャットと電話の中間みたいなもの。テキストって、エモーションは伝えられないでしょ? 喋ったときの満足感とか、そういうものが無い。だから、寂しさや辛さは解決できない。でも、声の通話は面倒なので、それを解決できないかなと。公開(parade 機能のこと)も、プライベート(プライベートのボイスチャット)もできるものを作ってみた。これで、タイミングは非同期ながら、感情を共有できるようになる。(井口氏)

「baby」のルーツは、サンフランシスコと京都から

baby に声を吹き込む小野紗和子氏

今春からは小野紗和子氏がマーケッターとして Doki Doki に参画。彼女が中心となって、U.C. Berkeley の学生らに baby を使ってもらってユーザヒアリングを繰り返し、それを baby の機能に反映させることで、ユーザからは高い満足度が得られるようになったと言う。

学生達は皆忙しい。でも忙しい中でも、コミュニティとか、パーティーとか、周りとコミュニケーションをとりたいと考えている。彼らの用途に、baby がピッタリハマった感じ。WeChat(微信)の Nearby 機能を使っている人たちもいたけど、そちらだとデイティング目的の人しか集まらないんだそう。(小野氏)

ところで、今回の baby のお披露目は、一般的なアプリやサービスのローンチイベントと違って、東京では開催されていない。さらに、日本人ユーザに向けた披露の機会ながら、日本の AppStore からはダウンロードできないという、メディアにもユーザにも優しくない姿勢。これは、いわゆる逆輸入型のような、井口氏の編み出した新種のマーケティング戦略なのかと思いきや、どうやらそういう意図ではなさそうだ。

(baby の)プロトタイピングを始めたのが昨年12月。そして、今年5月くらいから、そのプロトタイプをサンフランシスコに持って行ったら、とってもウケた。ウケたというか、自分も楽しかった。男性には、特に反応がよかった。これまでのアプリになくて baby にあるもの、それは心の友を見つけられる「新しい出会い」ですね。

日本でも使えるようになるのかって? もちろん、アメリカの AppStore からダウンロードしてもらえば、日本でも使える。ただ、日本だと、まだ周りにユーザが居ないので、parade に voice は多くは流れてこないだろう。まず、アメリカでユースケースを確立してきたいと思っている。そして、あちらで完成されたものを日本に持ってきたい。(井口氏)

baby のキャラクタ。アプリ上では、声のピッチやトーンにあわせて表情が変化する。

baby の開発を通じて、井口氏は、京都とサンフランシスコの間にスタートアップ・コミュニティの架け橋を築く思いもあるようだ。学生時代を京都で過ごしたというバックグラウンドもさることながら(井口氏は立命館大学の哲学科を卒業)、彼の好きなサンフランシスコと似た雰囲気がこの街にはあるのだという。

京都に本社を置くベンチャーキャピタルが、いくつか営業を開始している。それに、海外の人が日本に来る理由のカルチャーは、その多くが京都に集約されているように思う。アカデミアも集中している。キャピタル・カルチャー・アカデミア、これらが潤沢な場所で、何かできるような気がしている。

サンフランシスコの人が、京都で働きたい人も多く出て来るだろう。京都のスタートアップがサンフランシスコへ出て行くケースもあるだろう。京都はアートスクールが日本で一番多く、研究開発に適している大学も多い。そして、(私のような)変態が多い。(井口氏)

「スタートアップたるもの、自らプラットフォームになろう」

baby が面白いのは、コミュニケーション・アプリにありがちな、Facebook 連携や Twitter 連携を行わず、完全にユーザ同士のネットワーク効果にユーザ流入を頼っている点だ。この仕様についても単なる偶然ではなく、井口イズムが大きく関係していた。

コミュニケーションのプラットフォームを、日本人が自ら確立する必要があるんじゃないか、と思ったんです。日本のスタートアップって世界で何かをしようというのに、結局、シリコンバレーの大手サービスが作った API を叩くようなのが多いでしょう? Facebook とか、LINE とか、誰かのサービスに乗っかっていくことに極めて無防備。

シリコンバレーの API を叩くだけでなく、自分たちがプラットフォームになれるんじゃないかって。それは極めて大事なこと。(井口氏)

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かつては、iTunes AppStore の締め出しにあい、iOS 向けのネイティブアプリ事業からの撤退を余儀なくされたスタートアップもあった。このときのニュースは、アプリストアというサードパーティのプラットフォームに依存している以上、自らの意思に反して事業断念を余儀なくされるリスクが少なからず存在することを教えてくれた。

立ち返って考えてみると、便利になった時代であるからこそ、API を叩いているばかりではなく、自らプラットフォーマーになるのはスタートアップ、特に、世界へ打って出たいスタートアップにとっては重要なことかもしれない。

オンラインでの出会いを前提としない、究極のコンテキストである声というメディアを通じて、世界を馳せるコミュニケーション・プラットフォームに成長できるかどうか。日本でも baby が利用できるようになる日が、今から楽しみである。

ビデオの共同編集作業を支援するプラットフォーム「Remark」、日本市場の可能性をCEOに聞く #bdash

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B Dash Camp は、スタートアップ・シーンにとって夏のよい風物詩になりつつある。この機会には、海外の卓越したスタートアップの代表者らが数多く来日し、筆者にもインタビューを受けたいと連絡してきてくれる。ありがたいことだ。 そんなスタートアップの一つ、テキサス・オースティンとサンフランシスコに本拠を置く Remark は、ビデオのコラボレーション制作を支援するプラットフォームを提供しており、今…

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B Dash Camp は、スタートアップ・シーンにとって夏のよい風物詩になりつつある。この機会には、海外の卓越したスタートアップの代表者らが数多く来日し、筆者にもインタビューを受けたいと連絡してきてくれる。ありがたいことだ。

そんなスタートアップの一つ、テキサス・オースティンとサンフランシスコに本拠を置く Remark は、ビデオのコラボレーション制作を支援するプラットフォームを提供しており、今年の5月に 500Startups のインキュベーション・プログラムの第8回のバッチを卒業した

創業者兼CEO の Taylor Hou の説明によれば、プロの世界のビデオ制作は、一人で完結することはなく、最低でも三人が関与する共同作業になるのだという。

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Remark CEO Taylor Hou

例えば、テレビCMを作成するとします。最低でも、撮影を担当する監督がいて、できあがりをチェックするクライアント(CM発注元)がいて、その内容が放送可能なガイドラインをクリアしているかどうかをチェックする、放送局の担当者が関与します。初版でOKということはまずありえない。クライアントがそのCMの一部の修正を依頼すると、その都度、監督→クライアント→放送局担当者間でビデオのやりとりが発生する。大容量のファイルをネットでやりとりするのも大変ですね。平均すると、ラフ編集から始まって、こういうやりとりがだいたい一本のCMの作成に、20回発生しています。

Google Doc を使って、文書をチームで共同編集できるように、ビデオの共同制作作業を支援する環境として Remark を開発しました。ビデオファイルそのものは、Remark にアップロードする必要はなく、ユーザが従来から利用している YouTube や他のクラウド・ストレージを使います。Remark ではそのビデオにリンクを貼り、タイムコード同期する形で修正指示を、ビデオにオーバーラップした描画やコメントで共有することができます。ビデオ編集は、ユーザが使っている Adobe Premiere などで実施してもらい、これらの編集ソフトウェアと Remark はAPI連携できるようになっています。

Remark の中には試写室の機能も備わっているので、テストビューアに映像を見てもらって、一般公開前に意見を募ることもできる。これらの機能をふまえ、Taylor はテレビCM以外にも、企業の社員トレーニングビデオなど、さまざまなビデオ制作現場への参入に自信を見せているようだ。

残念ながら、スタートアップのプロモーション・ビデオの制作には、我々のツールはあまり必要ないかもしれません。制作作業が少人数で完結してしまうから。想定しているのは、5人以上が関与するようなビデオの制作現場。そういうところで Remark は抜群のパフォーマンスを発揮します。(Taylor Hou)

昨年4月にローンチした Remark はこれまでに3,200のユーザアカウントを獲得しており、その中には、斬新なカメラワークによるビデオで評価の高い TED や、歴代の有名政治家を数多く輩出しているジョージタウン大学などが含まれる。

Taylor はアメリカの大手メディア企業のみならず、日本の広告代理店やテレビ局などにも加須多くアプローチしている。Remark のユーザ・インターフェイスや便利さ、そして、1ユーザあたり1ヶ月60ドルという料金の安さを考えると、誰もが競って飛びつきそうなものだが、そこには一つの壁があると教えてくれた。

メディア業界というのは保守的です。ツールがどれだけ便利でも、テレビCMや番組の制作予算の大きさを考えれば、現場ではなかなか、共同制作の環境を60ドルで手に入れたい、というモチベーションには結びつきません。(Taylor Hou)

ただ、放送業界にいる筆者の友人達の話によれば、テレビ番組などの制作現場にも変化が起き始めているようだ。これまでなら、放送局の周辺のビルなどに入居する編集センターで AD などが完パケのテープを作り、それを放送局に持ち込んで電波に載せていた。最近では、構成作家やディレクターらがルノアールのような喫茶店に集まり、Skype などで連絡を取り合って、最終的にラップトップでビデオの編集を済ませてしまうようなケースも増えつつあるという。

多チャンネル化や、インターネットに代表されるメディアの台頭によって、テレビCMや番組の制作現場にもさまざまな変革が求められる時代がやってきた。この変化の波をうまくとらえることができれば、Remark が日本で成功できる可能性も大きいのではないだろうか。

Taylor は、一般参加者として今日から始まる B Dash Camp 2014 Summer in Fukuoka に参加している。既にマネタイゼーションがうまく行っているため、喫緊の資金調達のニーズは無いとのことだが、ビジネスのことを共に考えてくれる人とは協業したいようだ。Remark への投資や利用に興味のある人は、会場で Taylor に声をかけてみるとよいだろう。

OnLabが第9期インキュベーション・プログラムの募集を開始、東京とSFで自由なサービス開発が可能に

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デジタルガレージなどが主宰するスタートアップ・インキュベータ Open Network Lab は今日、第9期のインキュベーション・プログラム「Seed Accelerator Program」に参加するスタートアップの募集開始を発表した。 今期のプログラムの実施は2014年7月〜9月の3ヶ月間で、期間中プログラムに参加するスタートアップは、東京・代官山のインキュベーション・スペースのほか、サンフ…

サンフランシスコのインキュベーション・スペース「DG717」で開催されたワークショップの様子
サンフランシスコのインキュベーション・スペース「DG717」で開催されたワークショップの様子

デジタルガレージなどが主宰するスタートアップ・インキュベータ Open Network Lab は今日、第9期のインキュベーション・プログラム「Seed Accelerator Program」に参加するスタートアップの募集開始を発表した。

今期のプログラムの実施は2014年7月〜9月の3ヶ月間で、期間中プログラムに参加するスタートアップは、東京・代官山のインキュベーション・スペースのほか、サンフランシスコに昨秋オープンした DG717 も自由に利用可能だ。アメリカでのサービス・ローンチや資金調達を狙うスタートアップのみならず、シリコンバレーのメンターからのアドバイスも、以前に増して受けやすい環境が提供されることになる。

2010年にスタートアップしたこのプログラムも今回で9期目を迎え、累計45チームのスタートアップを輩出してきた。卒業したスタートアップの分野は多岐にわたり、彼らの多くはシリコンバレーや日本で次なる可能性に挑んでいる。その成果として、動画クラウドソーシングの「Viibar」が、グロービス・キャピタル・パートナーズとグリーベンチャーズから3億円を調達したことは記憶に新しい。

前回の第8期の参加スタートアップの成果が披露されるデモデイは4月23日に開催される予定で、この模様は THE BRIDGE でもお伝えしたい。なお、過去のバッチのデモデイの様子は、ここから読むことができる。

第9期プログラムへの申込は、今日から5月19日まで受け付けている。

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サンフランシスコの広告板にGREEが登場「日本で大成功、ここでも成長中、いろんなところで急上昇!」

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【翻訳 by Conyac】【原文】 東京ゲームショー(TGS)で、マーケティングに係る多額の予算を使ったのち、GREEは、サンフランシスコでビルボードとなって登場した(セルカン・トト氏記)。しかし、この新たなビルボードが私の興味をそそったのではない。面白いと思わせたのはそのメッセージの内容だったのだ。GREEは、そのビルボード上に「日本で大成功、ここ米国でも大きく」というメッセージを送っている。…

【翻訳 by Conyac】【原文】

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東京ゲームショー(TGS)で、マーケティングに係る多額の予算を使ったのち、GREEは、サンフランシスコでビルボードとなって登場した(セルカン・トト氏記)。しかし、この新たなビルボードが私の興味をそそったのではない。面白いと思わせたのはそのメッセージの内容だったのだ。GREEは、そのビルボード上に「日本で大成功、ここ米国でも大きく」というメッセージを送っている。が、実のところGREE はもう既にいろんなところまで拡大していっている。

GREE は全勢力を上げてアメリカ進出を果たそうとしており、その計画に尻込みをするようなところはない。ブログの記事の中でGREEは、アメリカで40人以上の雇用を実施しており、近い将来グリーチームは更に巨大な企業へと成長を遂げるだろうと述べている。日本を拠点とする携帯ゲーム会社GREEはサンフランシスコに自社ブランドを押し出すことを目指してクリエイティブな代理店と契約しており、今後も看板広告を出す気があるようだ。

2011年に開催されたGMIC(Global Mobile Internet Conference)で、GREEの創業者であり代表取締役社長の田中良和氏はロードマップを拡大する足掛りとしてアメリカや中国のマーケットへの展開を考えていると、海外進出への熱意をアピールした。そして、アメリカ企業のOpenFeintを買収し、中国ネット最大手のTencentとの業務提携を発表するなど、海外進出への基板を築きあげていった。 アメリカや中国だけでなく、世界のあらゆる場所にGREEは進出しており、これからも快進撃は続くであろう。

東南アジアへのマーケット拡大の為にシンガポールに拠点を置く携帯SNSのmig33と業務提携を結び、また韓国最大手の通信キャリアSK telecomと組んで韓国市場へ進出した。そして中国のUltiZen Games(霊禅)への資本参入もおこなっている。新しく5つのオフィスを開設し、そのうちの3つはソウルとシンガポールとロンドンに10月に開設し、残りの2つは来年早々にオランダとブラジルに開設する予定だ。

同様に、ライバル会社のDeNAもまた韓国とシンガポールにオフィスを設立している。同社はアメリカのAT&Tと提携し、今年7月には中国版のモバゲーを立ち上げた。この闘争は終わりそうにないが、より速く拡大するために、地元のパートナーと連携することに前向きであるように見えるという理由で、私はどういうわけかGREEがDeNAより有利な状況であると感じる。

前回書いたように、Tencent、GREE、mig33間のパートナーシップ締結によって、GREE モバイルゲーム開発者は、開発したゲーム類を、ローカライズ機能(例として、翻訳機能や指導機能)を兼ね備えた上で、それら3つのプラットフォーム上にて展開できるという、非常に効果的なものとなっている。

それとは反対に、DeNAは、単体で、Mobageの日本版、英語版、中国版を運営しており、またNetDragonを中国国内の現地パートナーとして確保している。いずれにしても、DeNAの着手範囲は、GREEのそれに及ぶものではない。しかしまた、この競争はまだまだ終焉にはほど遠い。

東京ゲームショーで撮影された、本誌リック・マーティンによる GREE インタビュー動画はこちら(英語のサブタイトルはキャプションをオン)。

【via Penn Olson 】 @pennolson