事業展開が暗礁に乗り上げたオンデマンド食料品デリバリのHonestbee、アジア各国拠点で一時解雇や辞職が相次ぐ

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


Photo credit: Honestbee

食料品の地域的なデリバリサービスを展開し、シンガポールに本社を置く Honestbee で混乱が生じている。

同社は1月、旧正月の直前に、シンガポールの大手スーパーマーケットチェーンである NTUC FairPrice(職総平価)とのパートナーシップを一時的に停止した。これにより Honestbee アプリ経由で FairPrice から食料品を購入することはできなくなった。

また台湾では今月、Honestbee はパートナーのベンダーに借金があったと地元メディア報道している。ただし同社は、負債の80%は返済済みで、残りは現在処理中であるとしている。

そして今度は、Honestbee 内の複数の情報筋が Tech in Asia に伝えたところによると、イースターウィーク中に Honestbee では経営幹部が辞職し、4月第3週にインドネシア、香港、タイなどいくつかの市場で全般的な一時解雇が実施されたという。

情報によると、全市場で少なくとも50人から70人が今回の解雇の影響を受けたという。タイではフードデリバリ部門やオペレーション部門で30人が影響を受けている。またインドネシアでは5人以上が辞めさせられたという。

もっとも最近の集計によると、Honestbee は同地域内に1,000人以上の従業員を抱えていた。

また、ある情報筋によると、Honestbee がもっとも成功している市場はフィリピンだが、それにもかかわらず同社はフィリピンでも一時的にオペレーションを停止したという。同情報筋は、トップをいくフィリピン市場に続くのは、シンガポール、台湾、そして日本だとしている。残りの半分を占める市場はマレーシア、タイ、香港、インドネシアだ。

また App Annie によると、Android と iOS 上の食品・飲料を扱うアプリとしても、同社はフィリピンで上位を占めている。

02.png
iOS のランキング
Image credit: Honestbee
03.png
Android のランキング
Image credit: Honestbee

Honestbee は、同国における事業の一時停止をメッセージで発表しているが、これらのメッセージは Tech in Asia が見たところによるとカトリック教徒が大多数を占める同国の大型休暇であるイースター休暇の週末にかけて、パートナーの商業関係者、契約社員、および顧客に宛てて送信されたもののようだ。

通知では、シンガポール本社がフィリピンのオペレーションチームと協力し、「ビジネス全体を健全かつ持続可能なレベルまで」引き上げるべく取り組んでいることが伝えられており、そのため追って通知があるまでローカルビジネスを「一時的に停止」する必要があるとしている。

Honestbee に雇用されているフィリピン人食料配達員が Tech in Asia に伝えたところによると、一時停止については聞いているが、何の説明も受けていないという。ある配達員によると、4月22日にミーティングが開催され状況が説明されるという。

地元メディアによると、Honestbee はフリーランスのドライバーや配達員を1,000人以上維持し、200人以上の正社員を雇用しているという。

04

05.png

あるカフェが Honestbee の業務についてソーシャルメディアにメッセージを掲載している。

ソーシャルメディアで Honestbee に問い合わせを行い、すでに発注済みの注文について確認する顧客もいる。

これに対し同スタートアップは、クレジットカードやデビットカードによる支払は返金を行うと回答している。Honestbee による回答の定型文では「当社は運営を一時的に停止します」と伝えられている。

Honestbee は事業の再開は発表しているものの、その時期は提示していない。

同社のウェブサイトには以前、4月18日と19日、つまり聖木曜日と聖金曜日は営業しないと掲載されていた。

同国以外でも、LinkedIn のプロフィールによると、共同設立者の Isaac Tay 氏、マレーシアのカントリーマネージングディレクターの Pulkit Manchanda 氏、そしてシンガポールのマネージングディレクターの Chris Urban 氏などが、ここ数か月の間に退職や辞任をしている。

他にも、複数の情報筋が Tech in Asia に伝えたところによると、インドネシアの Honestbee デピュティマネージングディレクターを務める Hendro Tan 氏も同社を去るという。また当サイトが得た情報によると、この他にも一部の従業員が辞職を考えている。

Honestbee にはキャッシュフローや企業業績、および戦略プランに関してコメントを何度か求めているが、回答は得られていない。

2015年のローンチ以来、従業員数は急増している。100件を超える求人のほとんどはシンガポールにおけるもので、現在も Glassdoor に掲載されている。しかし、アメリカを拠点とする同求人情報サイトにおける Honestbee の従業員評価やレビューはネガティブな傾向を示している。

06.png

Honestbee の最近の問題が発生したのは、同社が2018年10月に自社スーパーマーケット Habitat をローンチした数か月後だった。同社は数日前にも Habitat の宣伝を行っており、人気の小売店として売り込んだばかりだ。

Honestbee は、2015年10月のシリーズ A ラウンドで1,500万米ドルを獲得した後、少なくともさらに4,900万米ドルの資金を調達している

同社は東南アジアで、他のスタートアップや資金を豊富に持つスーパーアプリ(単一のプラットフォーム上で多様なサービスの利用が可能なアプリ)との厳しい競争にさらされている。食料品分野におけるライバルは、シンガポールでは Lazada 傘下の RedMart、フィリピンでは MetroMart、そしてインドネシア、マレーシア、タイでは Grab や Naver の後援を受ける HappyFresh だ。

またフードデリバリ分野の競合には GrabFood、Deliveroo、Foodpanda、Go-Food がいる。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

----------[AD]----------