シンガポールのオンデマンド食料品デリバリサービスHonestbeeが、シリコンバレーの複数VCから1,500万ドルを調達

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オンライン食料品デリバリサービスの Honestbee は今日(原文掲載日:10月21日)、シリーズAラウンドで1,500万ドルを調達したと発表した。これまでに Oculus VR などのスタートアップに投資したことで知られる、シリコンバレーVC の Formation 8 がこのラウンドをリードした。

このラウンドに他に参加したのは、シリコンバレーのファンド Pejman Mar Ventures(Dropbox や Lending Club への投資で知られる)、Facebook、Amazon、Google で知られる への投資で知られる投資家 Gideon Yu 氏、Owen Van Natta 氏、Steve Chen 氏などだ。まぎれもなく、シンガポール企業に対する、シリコンバレー色の強い投資ラウンドとなった。

Honestbee は、(同社の説明によると)注文から1時間以内に届けるオンライン食料品デリバリサービスを提供している。買い物をするフリーランサーが電話でオーダーを受け、食料品を購入、注文者宅に届ける。シンガポールでは、NTUC Fairprice、Cold Storage といったスーパーマーケット・チェーンや、ペット用品店の Pet Lovers Center、そのほか、Gastronomia da Paolo、Crystal Wines、Four Seasons Organic といった商品を扱う小売店と提携している。

Honestbee はシンガポールで展開しているが、先頃、香港にも進出することを発表した。2016年6月までに、さらに6つの主要都市にも進出する計画だ。この8ヶ月間でスタッフ数は100人にまで増え、同社はさらに増員を続けるとしている。

アジアの大半の人々は、仕事で忙しく(買い物に)時間を使いたくない、自家用車を持たない人口比率が増えていたりする。我々のオンデマンド・デリバリサービスを使えば、時間の無いお客が、自分の好きなお店の幅広い選択肢の中から買い物することができる。たとえ、閉店間際のタイミングであっても。(Honestbee 共同創業者の Isaac Tay 氏)

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Formation 8 の創業者である Brain Koo 氏は、次のように述べている。

Formation 8 は、コマースが進化する上での一つの方向性として、ハイパーローカルのオンデマンド市場が重要な役割を果たすと考えている。ビジネスと富が創造されることで、アジアの主要都市の人口密度は増え続けており、これは(事業展開する上で)絶好のタイミングであり、ビジネスチャンスだ。

Honestbee の創業者の一人である Joel Sng 氏は、Formation 8 のジェネラル・パートナーでもある。

シンガポールのような比較的小さい市場にとって、オンライン食料品デリバリの競争は激しさを極めている。おそらく Redmart がこの地域のメジャープレーヤーだが、他にも GoFreshPurelyFresh などの競合が存在する。シンガポール以外では、HappyFresh はインドネシア、マレーシア、タイでサービスを展開している。さらに多くの企業が、この市場に参入するようだ。

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Redmart は Honestbee とは異なった形で運営されており、買い物客に対する Uber のモデルではなく、自社で倉庫や運送のインフラを備えている。HappyFresh は Honestbee と同じくフリーランサーに依存しており、Honestbee が参入するかもしれない地(東南アジアのスタートアップなら皆そうするだろう)地域において、すでにサービスを展開している。さらに、HappyFresh は、名称非開示の投資家から7桁ドル台の資金を獲得している。

Honestbee は、アジアのオンライン食料品販売市場が180万ドルに上るだろうとの、Goldman Sachs のレポートを引用している。一方、Nielsen の Global E-commerce and The New Retail Report は、アジア太平洋地域の発展途上市場では、食料品デリバリのようなオンライン小売ソリューションが最も受け入れられやすいと伝えている。

ここで問題となるのは、複数企業による競争が東南アジアのオンライン食料品デリバリ業界を成長させるか、あるいは、価格競争を生み出すか、ということだ。後者は消費者の財布にとっては良いニュースだが、生き残りを賭けた企業にとっては、概ね都合は良くない。

Honestbee に連絡を取っているので、追加で情報が得られたらこの記事を更新することにする。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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