NetEase Cloud Music(網易雲音楽)、ハイエンドユーザを取り込むべく日本コロムビアと提携へ

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NetEase Cloud Music(網易雲音楽)は、多種多様な音楽的嗜好を持つ中国の有料ハイエンドユーザをターゲットにするため、レコードレーベルの日本コロムビアと業務提携することがわかった。レコードレーベルと手を組む中国のゲーム・エンターテインメント会社は、これが初めてとなる。

現在、日本コロムビアのプラットフォーム上でストリーミングできる楽曲は、声優が歌うポップソング、日本の伝統音楽である演歌なども含まれる。NetEase(網易)広報担当者は TechNode(動点科技)に対し、無料ユーザも日本コロムビアの一部コンテンツライブラリにアクセスできると語った。しかし、Technode が調べたところ、無料ユーザ向けコンテンツは非常に限られており、楽曲の大半は月額最低8人民元(約130円)でユーザに提供されている。

日本コロムビアの代表取締役社長である阿部三代松氏は、TechNode に送られた声明で次のように述べている。

NetEase Cloud Music ユーザの皆様は日本の音楽を聴いており、大規模で活発な邦楽ファンのグループができつつあります。

提携に関する詳細は明らかにされていない。

NetEase の音楽ストリーミングプラットフォームは日本の音楽を中国にいち早く紹介しており、ロングテール型マーケティング戦略で他社との差別化を図っている。プラットフォーム上にある2,000万曲の中から好みのコンテンツにお金を支払うハイエンドユーザを引き込む狙いだ。

だが、NetEase の財政状況は思わしくなく、2018年のイノベーティブビジネス部門で3億2,600万人民元(4,750万米ドル)の総損失を計上した。原因は許諾済み音楽コンテンツ関連の高い著作権料と特定のオンラインプラットフォーム事業からの収益減少である。21st Century Business Herald(21世紀経済報道)によると、NetEaseは同年、台湾拠点の音楽レーベル Huayan(華研国際)との1件の取引に多大な労力をかけ、2,000曲の楽曲に1億7,000万人民元(約28.2億円)を支払ったと Guosen Securities(国信証券)が述べたという。

中国の音楽ストリーミング市場は現在、Tencent(騰訊)が独占している。Tencent は NetEase との熾烈な競争の中で、Kugou(酷狗)、QQ Music(QQ 音楽)、Kuwo(酷我)の3つのプラットフォームを所有している。調査会社の Trustdataによると、Kugou と QQ Musicは「最も利用される2つの音楽プラットフォーム」として認知されており、1位と2位を維持。3月時点の月間アクティブユーザ数(MAU)はそれぞれ1億900万人と1億300万人となっている。NetEase Cloud Music は5,280万人で3位、5,100万人のアクティブユーザを抱えるKuwoが4位となっている。

杭州に拠点を置く NetEase の CFO Charles Yang(楊朝軒)氏が2月に行った業績報告によると、具体的な数字は明かさなかったものの、2018年におけるデジタルアルバムの売上が好調で、有料ユーザの数も倍増したという。一方、Tencent Music(騰訊音楽)の有料会員数は、2018年の第4四半期の時点で2,700万人(前年比39.2%増)まで成長した

【via TechNode】 @technodechina

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