子育ての課題は企業間連携で解決するーーオープンイノベーションの法則/カラダノート代表取締役社長、佐藤竜也氏

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本稿はオープンイノベーション・プラットフォーム「eiicon」編集部による寄稿転載。6月4日から2日間、都内にてオープンイノベーションをテーマにしたカンファレンス「Japan Open Innovation Fes 2019」を開催予定

日本でスタートアップという起業のエコシステムが生まれつつあった2010年頃、もう一つの産業創出の仕組みが動き出しました。大企業側の新規事業創出アプローチ「オープンイノベーション」です。

2011年にKDDIが開始した「KDDI∞ラボ(ムゲンラボ)」が最初期の取り組みで、2017年には創業3年のIoT通信プラットフォーム「ソラコム」を200億円の巨額で買収。大企業-スタートアップの新規事業アプローチに新しい成功事例を作りつつあります。

一方でその手法や取り組み内容はまだ試行錯誤中のものが多く、成功の方程式は見つかっていない状況です。

そこでeiiconでは6月4日に開催するカンファレンス「Japan Open Innovation Fes 2019」を前に、現在取り組みを進めているスタートアップにオープンイノベーションの現場を聞くインタビューを実施しました。新規事業の窓口探しから意思決定フローの確認、カルチャーギャップの考え方など、次にこの取り組みを考える大企業、スタートアップ双方のお役に立てれば幸いです。

初回のインタビューは「子育Tech 委員会」を通じて、企業間連携による新規事業創造に取り組むカラダノート代表取締役社長、佐藤竜也氏です(太字の質問は全て編集部。回答は佐藤氏)。

カラダノートのオープンイノベーション取り組み実績:2018年10月にITベンチャー5社による「子育Tech委員会」を発足し、情報通信技術を活用した育児に関するサービス開発を実現するネットワークを立ち上げ。イベントや調査発表などを通じて、子育て関連のサービスに興味ある企業や団体が参加しやすい場づくりを実施している

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子育Techの取り組みではまず、スタートアップが集まることで様々な企業やメディアが参加しやすい空気感を作っていますよね。佐藤さんが考えるオープンイノベーションの考え方はどのようなものでしょうか

佐藤:私たちはライフスタイルに沿った生活情報支援の事業をしていまして、育児世代のライフスタイルや女性の働き方など、幅広い文脈で情報交換や事業コラボレーションができる可能性を模索しているんです。その一環として活用している感じですね。

大企業連携で現在、公開できる範囲で協業事例を教えていただくことはできますか

佐藤:まだ具体的な実証開始には至っておりませんが、ダスキン様とサービス認知による利用者の促進、ママの雇用促進、並びに新規事業の共同開発の大きく3軸で事業化に向けて、コミュニケーションを取りつつ連携を進めております。サービス利用者とサービス提供者がうまく循環する仕組みを構築し、持続可能な成長モデルを作っていきたいと考えています。

企業に参加を呼びかける際、企業間連携の視点でどこに留意されていますか

佐藤:まず、企業の課題を把握することです。eiiconなどのデータベースもそうですが、外部企業と連携を求める企業は必ず何らかの問題を抱えているはずです。その課題軸に沿った企業を見つけてアプローチすることが重要ですね。

大きな企業の場合、意思決定のフローが複雑になる場合があります。突破の方法はいくつかあると思うのですが佐藤さんはどのようにクリアしていますか

佐藤:初回のミーティングで相手の役職やポジションを把握することはもちろんですが、それ以上に「企業としての課題解決の優先順位」をどのように考えているかを確認することは大切です。その上でその後の進行や先方の意思決定の流れを確認することです。

確かに企業側が新規事業に取り組む場合、意思決定者がどのレベルで重要度を考えているかによってその後の協業の進み方は変わります。本気度の話ですよね

佐藤:色々なケースがありますが、既存の概念にとらわれず、スピード感持って事業を進めることを目的とされていることが多いですね。私たちも特にオープンイノベーションを希望する、という意思表示がある場合、企業の規模は考えずにシンプルに事業テーマや課題感がマッチすれば早めにアプローチするようにしています。

なるほど、問題を抱えている企業に遠慮はいらない、と。ちなみに気になるのが企業間のカルチャーギャップです。大きな企業になればなるほど、スタートアップとの間でスピード感やリーガル面でのすれ違いが発生しがちになりますが、佐藤さんはどのようにそこをクリアしていますか

佐藤:あまり気にしすぎないことですね。最初からわざわざ埋める必要はないかもしれません。それよりも、協業を進める上で、相手の置かれている状況や企業文化を理解することでミスコミュニケーションを防ぐことの方が大切じゃないでしょうか。

ありがとうございました。次の方にバトンをお渡しします

 

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