Alibaba(阿里巴巴)、スマートモビリティの実現に向けChina TransInfo(千方科技)に36億人民元(約563億円)を出資

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China TransInfo(千方科技)

公共交通用ソフトウェアプロバイダー China TransInfo(千方科技は5月27日、Alibaba(阿里巴巴)から35億9,000万人民元(約563億円)の投資を受けたことを発表した。今回の投資は、クラウドベースのソリューションによる、スマートビークル市場への参入に使われる。

Alibaba は China TransInfo の株式の15%を China TransInfo の社長である Xia Shudong(夏曙東)氏 と数社の傘下企業から取得した(1株当たりの株価は16.12人民元(約250円))。5月28日にリリースされた発表によると、今回の株式取得により、e コマースの巨大企業である Alibaba は Xia 氏に次ぐ大株主になる。深圳証券取引所に上場している China TransInfo の株価は、同日の取引終了までに、20.21人民元と10%の上昇を見せた。

Alibaba の発表によると、同社と China TransInfo は協業して、今後3年間でインテリジェントな公共交通ソリューションと、治安維持用のクラウドサービスを大規模に展開していくことになる。TechNode(動点科技)が28日に Alibaba に接触した際には詳細は明かされなかった。

China TransInfo がもう1つの中国のテック大手 Baidu(百度)と去年9月後半に契約を締結してから今回の取引までに、まだ1年もたっていない。契約に基づき、China TransInfo は Baidu の自動運転車のテスト用にネットワークサービスとデータサービスを提供している。同社のウェブサイトによると、中国工業情報化部から承認を受けた上で、北京で初となるインテリジェント車両と輸送テストエリアの構築を2016年から進めているという。

報道によると、Alibaba が初めて自動運転市場に参入したのは、自社のレベル4無人運転技術のテストを開始した2018年4月とされている。これが開始されたのは、中国交通運輸部の研究機関である交通運輸部科学院とともに、V2X(Vehicle-to-Everything)技術ソリューションを研究開発する共同声明を発表した直後のことである。

車両やウィンカー、その他の交通インフラに導入される V2X 技術は、交通に関連する装置間のリアルタイム通信をサポートする。中国政府は、国内で開発した交通テクノロジーを使って道路と高速道路のインフラを修繕することを計画しており、それに合わせて2020年までに、センサーを使った無線通信ソリューション(LTE-V2X)を国内の高速道路の90%に導入することになっている。

博士号を取得し2000年に北京大学を卒業した Xia氏 によって設立された China TransInfo は、公共交通に特化したソフトウェアシステムを地方自治体に提供する大手企業である。中国の約30の省や直轄市で、都市の中央指令室や地下鉄の駅、ETC 用のソフトウェアソリューションを提供している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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