日本ベンチャーキャピタル協会も外為法の制度改正に要望ーースタートアップ資金需要の緊急性を指摘

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日本ベンチャーキャピタル協会(以下、JVCA)は9月9日、5月に発表された「外為法に基づく対内直接投資(外国投資家による非上場株式の取得)に関する告示」に関連する要望を公表している。

改正外為法では8月31日から外国投資家が対内直接投資を行う場合、これまでよりも広い範囲で当局に対して事前の届出を行う必要が発生する。今回追加対象となった業種がIT関連に幅広く、これは国内VCファンドが投資対象としている企業と大きく重なる。

改正内容では事前届を受理した日から原則30日間は投資実行が禁止されることになるため、資金繰りに猶予のない企業の死活問題に発展する可能性が指摘されている。

まだ売り上げや利益がない段階のベンチャー企業にとって、資金調達は時間が肝心です。入金の数日の遅れが、命取りとなることもあります。当協会としては、政府当局のご協力も得て、事前届出書や実行報告書の記載内容についての雛形を作成して本年8月30日に会員向けに配布するなど、会員の法令順守を呼びかけているところでありますが、一方、外為法令の制度をこのまま放置しておくと、国内企業へのベンチャー投資が停滞するとともに、我が国VCの海外投資家からのファンドレイズにも支障が生じる懸念が顕在化し、国の成長戦略に逆行する事態となることを危惧しているところです。(JVCA公表声明)

JVCAでは会員に対して法令遵守の呼びかけを実施すると共に、政府当局に対して特定の条件下のファンドについては届出不要にすること、この改正が実施されるまでの間に届出発生義務を一定の直接投資に限定することなどを要望として挙げている。

本件については8月末にも国内ベンチャーキャピタル有志による声明が発表されている。

<参考記事>

JVCAによる要望(声明文より抜粋)

(1)LPS等のファンドへの本規制の適用が、株式会社等と平仄の取れた形となるよう、法令改正。具体的には例えば、事前届出対象業種に投資するファンドの届出義務者を、海外投資家が出資している場合のGPとした上で、GPが海外投資家の支配下になく且つ出資口数上海外投資家の支配下にないファンドを運営している場合については届出不要とする。

(2)今回追加された事前届出対象業種のベンチャー企業については、特にVCファンド等からの資金調達の必要性と緊急性が高い。そのため、上記法令改正が行われるまでの間、当該追加業種については、海外投資家による届出義務の発生を、一定の直接投資(例えば、LPS等のファンドを経由せずに海外投資家が直接株式を所有する場合等)に限定する等の追加省令を早急に発する。

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