(自称)個人投資家の「100万円で15%の株渡せ」は絶対に疑うべしーーSTRIVE・堤氏ツイートから考える、スタートアップの出資トラブル

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スタートアップという起業のエコシステムを取材していると、定期的に湧いて出てくる話題がありまして、それが自称「個人投資家」に関するトラブルです。今日もこんなツイートを見かけました。

堤達生さんはスタートアップ向けの独立系ベンチャーキャピタルの共同パートナーで、先日、150億円規模の新ファンド設立でも取材したベテランです。

<参考記事>

で、こういった話題の多くは出資比率(資本政策)や借入金、株式買取請求権(出資したカネ返せ)など、お金がらみのものがほとんどで、対象になるのは学生起業などファイナンス経験の浅い人や、個人出資する側も起業・出資経験がなかったりするケースです。最初から騙そうという話題も定期的に出てきます。

<参考記事>

ここで留意したいポイントは次の通りです。

  • 自分に最低限のファイナンス知識があるかどうか
  • 出資者にスタートアップに関する経験・知識があるかどうか
  • 積極的な増資を考えているかどうか

まず、やはり事業を興すにあたって最低限のファイナンス知識は持った方がいいです。そもそも今回問題としている「100万円で15%出資」がスタートアップにとってなぜヤバイか、という感覚を持てない方はぜひメンターを探しましょう。

また、これらを教えてくれる人や投資家(メンター)も大切な存在ですし、なにより実際に自分でモノを作り(仕入れ)、売って利益を出す、という体験を通じて得られる最低限のファイナンス知識というのがこういったおバカな出資話を防ぐ上でも大切になります。

このスタートラインに立った上で、「スタートアップ」という非常に特殊な起業の仕組みを考える必要があります。私たちもよくニュースで取り扱う「第三者割当」による増資を短期間に繰り返して法人の体を大きくしていくスタイルが一般的ですが、そもそも株式による資本増強というのは借入と全く違う性質のものです。

詳細は書ききれないので割愛しますが、株での増資は堤さんも書いている通り、「体の一部を渡すこと」に他なりません。未公開の株というのは個人・法人間で取引されるケースがほとんどですから、出資した人がゴネたりトラブルを抱えた場合、「法人のガン」として残ります。

以前、家入一真さんもこのようなツイートをして、気軽なファイナンスについて警鐘を鳴らしていました。

ファイナンスに関するトラブルや困難は、スタートアップという方法で起業する人であれば避けて通れない関門です。タダでさえ難しいのに、しょっぱなから余計なリスクを背負う必要はありません。

現在、各スタートアップを専業に取り扱う独立系VC各社では定期的に勉強会を開催したり、キャピタリストがTwitterなどで相談の窓口を開いたりしてます。身近に相談する人がいない場合はこういった機会を利用した方がいいでしょう。

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