チャットで見積り、お庭手入れの「MIDOLAS」運営が地銀などから4.9億円調達

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ストロボライト 代表取締役の石塚秀彦氏

ニュースサマリ:園芸向け総合事業を展開するストロボライトは10月30日、ニッセイ・キャピタルをリードとする第三者割当増資の実施を公表した。ニッセイ・キャピタル以外に引受先となったのは既存株主のSMBCベンチャーキャピタル、新規株主としてデジアラキャピタル&パートナーズ、三菱UFJキャピタル、名古屋テレビ・ベンチャーズ、ちばぎんキャピタル、ナントCVCファンド、みずほキャピタルの8社。調達した資金は株式による増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて4億9000万円。出資比率や払込日など詳細は明かされていない。

調達した資金で現在の主力事業「MIDOLAS」を推進させるための人材採用、サービス開発、プロモーションなどに使われる予定。また、同社が展開するメディア事業「LOVEGREEN」についても新規事業の展開を計画する。

話題のポイント:植物を中心としたライフスタイルメディア「LOVEGREEN」を皮切りに、戸建て住宅中心の小規模な庭を対象としたリノベーション事業「MIDOLAS」を伸ばしてきたのがストロボライト。サイバーエージェント、ディー・エヌ・エーといったネット出身のベテランが2016年末あたりから本格化させた緑と愛に溢れたスタートアップです。

<参考記事>

前回の調達から約1年半で次のステージに進みました。特に庭リノベのMIDOLASがようやく軌道に乗ってきたようで、2017年の事業開始から約2年半で売上は前期比3.6倍と大きく躍進しています。MIDOLASはお庭の手入れやリノベーションなどを必要とするご家庭に、提携するプロの庭師さんと一緒に設計から施工、アフターサービスまで手がける垂直統合型のサービスです。

価格的には大きく分けて3つほどのパターンがあり、メンテナンスのみから既存の庭に新たな資材を設置・施工するタイプのもの、完全にゼロからリノベーションするケースなど30万円から300万円程度までのプランがあるというお話でした。

新築のお家を建てる時、インテリアや家具には力を入れるけどお庭は後回し、といった一般家庭のニーズが高く、平均的には軽く庭のお手入れをしたい、という50万円ほどの見積もりケースが多いそうです。

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事業拡大に合わせて増床したオフィス

ビジネスモデルとして見た時、やはり気になるのは労働集約的でスケール感に疑問が残る箇所かもしれません。「庭をいじる」というクリエイティビティが求められる仕事で完全なマッチングだけのプラットフォームにしてしまうと、仕上がりにブレが出てしまいます。毎日使う移動のようなサービスではなく、1年に1回あるかないか、というのも留意するポイントです。

この点について、代表の石塚さんが期待を寄せているのが収集しているデータです。集客から提案、施工までの各工程で、あらゆる庭のケーススタディを蓄積しており、ここから例えば見積もりなどについては類型などが見えてきているという説明でした。実際、現在もLINEチャットを使った見積もりで現地調査といった工数を極力カットしています。

また、今回出資に参加した地方金融機関やメディアとは連携して、各地域でのMIDOLAS事業の拡大を狙うそうです。このようにして積み上げが進めば、さらにデータを活用した新たなサービスアイデアも出てくるかもしれません。

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