ブロックチェーンベースのIPO「ETO」に成功した「Neufund」が変える資金調達の未来

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Image Credit : Neufund

ピックアップNeufund closes the world’s first blockchain IPO, with Porsche- and T-Mobile-backed Greyp raising €1.4 million

ニュースサマリー:12月5日、ブロックチェーンベースのIPOプラットホームを運営する「Neufund」は、第一回目の上場案件である電動モビリティ企業「Greyp」の資金調達を成功させた。本調達資金は計34カ国の1,017の投資家から集められ、目標額の179%を達成している。

本調達は欧州中部に位置する小国家リヒテンシュタインの法律の元、同国規制に完全に準拠する形で実施された。最も小さい出資額は100ユーロ(約1万2,000円)とされている。

なおNeufundの資金調達はブロックチェーン上で発行されたトークンによって行われることから、同社は今回の資金調達を従来型のIPO(Initial Publioc Offering)ではなく、ETO(Equity Token Offering)と位置付けている。

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Image Credit : Neufund

話題のポイント:2年前にビットコイン・バブルが生じた際、暗号通貨による資金調達の革新性が叫ばれ、ICO(Inicial Coin Offering)という暗号通貨トークンによる資金調達が大流行したことは記憶に新しいと思います。

ICOは世界中の個人が少額からでも簡単に投資を行うことを可能にし、またプロジェクト運営者も容易にトークンを発行できるため、多額の調達を成功させられる点がメリットとして人気を博しました。

しかし実際のところ、ICOブームはその実施及び投資参加の難易度の低さから、詐欺的なプロジェクトの急増を抑制することができず市場は荒廃。現在では規制強化の影響もあり収縮してしまっています。

ただその後、ICOの欠点をカバーし、その利点を活かす新たな資金調達方法が多数模索され、証券法に準拠した形でのトークン調達「STO(Security Token Offering)」や取引所にトークン販売を委託するIEO(Initial Exchange Offering)などが登場し、認知を広げています。

以上を踏まえた上で、Neufundが掲げるETO(Equity Token Offering)の位置付けを説明するとすれば、ブロックチェーンを用いたトークン発行ではあるものの、規制準拠によって詐欺やマネーロンダリングのリスクを廃している点で、STOに括られると考えます。

ですがSTOというジャンルは株式の他にも債券・ファンド・デリバティブなど多岐に渡るため、NeufundはSTOプラットホームというより、ETO(Equity Token Offering)のプロジェクトとして捉えることが望ましいでしょう。

そしてETOという括りの中で考えるとNeufundは間違いなくその業界をリードするプロジェクトです。事実、同社はETOと言えば業界で最も著名なプロジェクトであり、既に「マルタ証券取引所」や暗号通貨取引所「Binance」などとの提携も行なっています。

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Image Credit : Neufund

ICOとは異なり、Neufundプラットホーム上で資金調達を行うには、プロジェクトがリヒテンシュタイン公国の規制に準拠する必要があり、投資家への厳格な説明責任を負います。また投資家サイドも、自身のアイデンティティを申告する必要があります。

この点、ICOほどスムーズに資金調達が行われる訳ではありませんが、実際Neufundには1万人を超える投資家が111カ国から集まっており、かつ投資も最小10ユーロ(約1200円)程度から参加できます。そのため、従来のIPOと比較すれば、大いに包括的で簡単な投資を可能にしていることが分かります。

さらに具体的に説明すると、投資に用いられる通貨はETH(パブリック・ブロックチェーン「Ethereum」のネイティブ・トークン)及びEUROに対応可能で、購入した株式トークンは、世界4つの著名取引所(Binanceやマルタ証券取引所など)で交換可能です。

加えて上記株式トークンの所有権は、Ethereumのパブリック・チェーン上に記載されているため改変不可能かつ透明性を持ち、かつ従来の法による保証もあることから、投資家は二重の保護によって守られています。

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さて、本ニュースを踏まえると、一時的なICOの熱狂・荒廃によって失ってしまった暗号通貨及びブロックチェーン技術の信頼は、Neufundのような小さくも着実な発展によって、回復に向かうのではないかと思わされます。

それだけでなく、今後同プラットホーム上の利便性が世界中のプロジェクト及び投資家に認められれば、暗号通貨トークン型の資金調達が従来型の方法論を本当の意味で代替してゆく様を目の当たりにできるかもしれません。

Neufund上では現在、エンターテイメント企業「Black One」や暗号通貨ハードウェア・ウォレット企業「NGRAVE」などのスタートアップが次のETOを控えています。今後の同プラットホームの躍進からは目が離せません。

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