離婚で持ち家はどうなる?財産分与、3つの方法とは

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昨年末に離婚を公表したお笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史さんとユッキーナこと木下優樹菜さんのニュースが世間を賑わせました。

芸能人の離婚がワイドショーで取りざたされていますが、現代において日本の夫婦は、3組に1組は離婚すると言われている時代です。これは、婚姻数の低下に加えて離婚数が増加していることにより、分母と分子の幅が狭くなってきているためです。厚生労働省のデータによれば、1970年代は婚姻数が約100万件に対し、離婚数は約10万件、つまり10組に1組は離婚すると言われていました。しかし約40年の間に婚姻数が66万件に減少し、離婚数は約23万件に増加、つまり3組に1組が離婚するという数値になります。

また、余談ですが、離婚が圧倒的に多い月は「3月」、2位は12月となっており、お子さまの学校や、税金や健康保険など、区切りの良い月を選択されている傾向にあります。

厚生労働省「平成22年人口動態統計」より

 

結構な確立で発生する離婚ですが、気持ち的な問題以外にも重たい決断が待ち構えています。そのひとつが「お家」です。借家であれば次の住まいを探す程度で済みますが、「持ち家」だった場合はなかなか大変です。

実際、結婚後に住宅を購入していた場合その家をどうしていくのか、という点に頭を抱える人が多くいらっしゃいます。名義は夫婦の共有名義になっているがどうしたらいいのか、住宅ローンがまだ残っているがどうしたら・・・。結婚後に購入した住宅が、離婚によってどのような影響を与えていくのでしょうか。私たちは、中古住宅の買取マッチングサービス「インスペ買取」を運営しているのですが、こういった問題を抱える方々の声も定期的に届いています。

では具体的に何が起こるのか、みていきましょう。

まず、結婚後に住宅を購入した場合、住宅は「財産分与」の対象になります。離婚後に今の住宅をどうしていくのかを考える下準備として、住宅の名義人、住宅ローンの債務者を確認する必要があります。財産分与の方法はいくつかあります。

  • 住宅が単独名義の場合、奥様との共有名義にすることで住宅を1/2ずつ所有する
  • 夫婦の共有名義の場合、相手方に代償金を支払い、単独名義に変更する
  • 家がいらないという場合は、売却をして資金を1/2ずつに分ける

では、離婚に伴う住宅の問題点を解決できる方法を3つご紹介します。

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1:賃貸に出す

家を売却せずに共有名義、もしくは単独名義で家を残しておくケースです。賃借人がつけば家賃収入を見込めるため、住宅ローンを使用していたとしても月々の返済の相殺を期待できます。しかし、人口動態からみて、賃貸の需要が少ない地域ではあまり現実的ではない方法です。

2:仲介会社に依頼し「仲介」にて売却

こちらは双方が住宅を手放したいケースです。仲介会社は「仲介」にて個人の買主を探します。住宅ローンが残っている場合、売却をするにあたり抵当権の抹消、つまり、住宅ローンの完済が必須です。この場合、売却期間の長期化をリスクに背負いながらローンの返済を並行しますが、売却がうまくいけばローンの完済に加えて余剰金が発生する可能性もあります。

しかし、仲介では「個人の買主」を探す必要があるため、SUUMOなどの不動産情報サイトに掲載して近隣の方に見つかる可能性があったり、売却後に瑕疵が見つかるとどちらが責任を負うかなど、さまざまなリスクもあります。

3:買取会社に依頼し「直接業者買取」にて売却

上述の2つ目のケースと同様に住宅を手放すケースです。買取会社に依頼すると買取会社が直接買取るため、仲介の際に発生するようなデメリット(売却期間の長期化や売却後の瑕疵責任など)は避けられます。一方、買取の場合は市場の相場価格よりも低い金額で売却となることも多いため、万が一売却額が住宅ローンの返済額に届かない場合は差額分の資金を工面し返済に充てる必要があります。

ちなみに、仲介に出してから買取会社に依頼するのはオススメしません。というのも、仲介市場で「売れない」ということを証明してしまっては、買取側も手控えるからです。買取側は宅建業者のポータルサイト(レインズ)でまずそこを調べるのでご注意です。

日常のワイドショーでも取り上げられる芸能人の離婚問題をもう少し掘り下げて見ると、さまざまな住宅の問題が隠れていることがわかります。離婚以外にも人々のライフスタイルが多様性を帯びる中、現在、国内には846万戸の空き家が存在し、15年後には2,000万戸以上に膨れ上がるというシンクタンク予測もあります。

<参考記事>

こういった中古住宅の流通をスムーズにすることで、新しいビジネスチャンスも生まれてきます。社会的問題解決の一任を背負う立場として、中古住宅市場の活性化となれば幸いです。

本稿は「インスペ買取」を開発・提供するNonBrokers株式会社のカスタマーサクセス、佐々木大輔氏によるもの。彼らの事業や採用に興味がある方は、こちらからコンタクトされたい。

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