
ピックアップ:The Zebra raises $38.5M as the insurance marketplace race heats up
ニュースサマリー:米国オースティンを拠点とし、自動車・住宅保険比較サービスを提供する「The Zebra」は2月5日、シリーズCラウンドにて、Accelをリードとする6つの投資ファンドから合計3,850万ドルを調達したことを発表した。本調達により、同社の累計調達額は1億ドルを突破した。
同社が提供するのはオンライン完結型の保険提供サイト。ユーザーは数十以上の質問欄に自身の自動車または住宅情報、個人情報、そして希望する保険条件を入力すると、膨大なデータベースの中から、最適な保険会社・保険商品が選び出される。
従来のような、保険代理店に電話による情報提供及び条件相談といった煩雑で手間のかかる作業をなくし、よりスムーズで簡単な保険選び・加入手続きを実現している。以下の画像は情報入力後、最適な保険をピックアップしてくれているサイト画面。価格帯別に、分かりやすく保険商品がリストされていることが分かる。

話題のポイント:2020年に入って以降、米国ではThe Zebraのような保険比較サイト(マーケット・プレイス)を提供するスタートアップらが、次々と大型の資金調達を成功させています。1月15日には「Insurify」4,600万ドル、1月29日には「Gabi」が2,700万ドル、1月30日には「Policygenius」が 1億ドルを調達しています。2020年2月の時点で、計1億8,500万ドルもの資金がInsurtech市場に流れています。
機械学習アルゴリズムによる被保険者と保険商品の最適マッチングモデルがVCに大きく注目される理由は、シンプルな仕組みでありながら高い収益性を持つ点にあるとされています。参考として、以下The Zebraの業績データを紹介していきます。
・月間サイト訪問者数 : 約130万件以上
・年間成長率(収益) : 約200%(2019年は約3,700万ドル)
・現在の月収益 : 約500万ドル(年間換算約6,000万ドル以上)
・2020年の成長予測 : 100%以上
※参考 : TechCrunch
同サービスは保険商品を開発・販売し、保険料の支払いなどをするのではなく、単にアルゴリズムで最適マッチングを行うことだけに特化しているビジネスです。そのため従来の保険代理店でいうところの営業やカスタマー・サポートといった人員を増加させる必要性が低く、人件費を安く済ませることが可能です。収益の成長率も凄まじく、オンライン保険マーケット・プレイス市場が大きく成長していることが分かります。
同社CEO Melnick氏は年々顧客獲得単価が下がり続けていると発言しています。オンライン保険を購入検討する消費者数は米国で上昇していることから、競合より優れた保険サービス・マッチングアルゴリズムを持っていれば、マーケティングにお金をかけずともユーザーが自然と集まることになります。保険比較サイトやマーケットプレイス型サイトにVCマネーが流入している理由はこのあたりに潜んでいるのかもしれません。
またこれだけ成長していれば、投資家はIPOの可能性やEXIT戦略について気になるでしょうが、それらの資本政策に関しては未だ具体的な計画はしていないとのことです。 Melnick氏によれば、適切なタイミングを待つとだけ発言しているようです。
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