ついにFacebookがコマース全力、「インスタショップ」は夏公開予定

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ピックアップ:Introducing Facebook Shops: Helping Small Businesses Sell Online

ニュースサマリー:Facebookは19日、小規模事業者向けにECサービス「Facebook Shops」の提供を開始したことを発表した。同サービスは企業が開設しているFBページやInstagramのプロフィールからアクセスすることができる。事業者は用意されているカタログから販売したい商品を選び、カスタマイズして出品することが可能で、シンプルさが追求されているのが特徴だ。米国を拠点とする場合はFacebookアプリ内でシームレスに決済をすることもできる。

また、ECプラットフォーム大手のShopifyやWooCommerceなどともパートナーシップを結んでいる。

話題のポイント:FBプラットフォームにおける「ショッピング」的機能は以前からも、マーケットプレイスなどで提供されていました。これは、どちらかと言えばメルカリ的要素が強く、個人の不用品かつローカルのコミュニティー利用がメインという印象でした(アメリカで一般的なガレージセールをオンライン化したイメージ)。そのため、マーケットプレイスでは大学の教科書や不要な家具、中古車などがメインの取引アイテムとなっていました。

今回Facebookが発表したFacebook Shopsは、完全に店舗ビジネスを実際に行っている事業者向けのものとなっています。そのため、購入を検討するユーザーはMessenger、WhatsApp、Instagram Directを通してほぼリアルタイムで質問などのやり取りが可能となってます。また、Shopifyとのパートナーシップでは、Shopify上に販売チャンネルを持っているユーザーは自動でFBにもFacebook Shopsを通して出品できる体制を整えています。

Screenshots of messaging a business on WhatsApp

さらに、同社傘下のInstagramにおいても同様のEC機能「Instagram Shop」の近夏リリースを発表しています。新しく導入される「Instagram Shops」では購買までを遷移せず、シームレスに完了することができます。また、ナビゲーションバーには独立してショッピングタブができている点も注目すべきでしょう。

Screenshots of Instagram Shop

上記の基本的なShop機能に加え、同社はFB・Instagramどちらのプラットフォームでも「Live Shopping」機能を近くリリースするとしています。ライブ配信前に、自身の管理するFacebook Shopsをタグ付けすることで、コメントタブ上部に商品が表示されているのがイメージから分かります。

Screenshot of Live shopping on Instagram
ライブページ下部に商品紹介コンテンツ

リリース最後に、Facebookは「ロイヤリティープログラム」に関しても実施テスト中であることを発表しています。このプログラムでは、Facebook Shopsを開設している事業者(例えばカフェやレストラン)を利用した際にポイントやリワードがFBアカウントと紐づくような仕組みを取っています。

確かに今までは、ローカルカフェやレストランのFBページはあり、LIKEをつけてもレビュー以外にこちらからアクションを取れることはありませんでした。こうしたリワードプログラムにより、相互間のコミュニケーションが取りやすくなるのは間違いないでしょう。

Screenshots of connected loyalty programs on Facebook

さて、今回FBが発表した「Facebook Shops」は数多くのローカル事業者がECに積極進出する機会となりそうです。また、今までFBプラットフォームにおける決済と言えば、上述したマーケットプレイスや、メッセンジャーの送金機能くらいの利用でしたが、ECが乗ったことでトランザクションが激増する未来が見えてきました。

参考記事:Facebook Payの可能性は「現代のガレージセール」にあり

これはつまり、FBが今まで以上にペイメント事業へ本腰を入れてきた証拠でもあります。同社は昨年11月に決済サービス「Facebook Pay」をリリースしており、FB自体のSuperApp化のステップにおいてペイメントが重要なポイントを担っているのは言うまでもありません。

Facebook Pay experience in Messenger

Facebookはプライバシー問題に関して近年名指しで、特にEUを中心に批判されるケースが増えてきています。ただ、現時点で一つ言えるのは「アプリが便利である限り」私たちの多くはプラットフォームを使い続けていくのだと思います。だからこそ、Facebookが度重なる批判を突き進んでいくために同社サービスのSuperApp化は絶対必要な道筋なわけです。

また、同社が主体となって進めるブロックチェーン事業「Libra」も最終的な目標は世界統一通貨を生み出し、金融産業におけるインフラストラクチャーを抜本的に変えていくことを目指しています。

The Libra payment system is built on blockchain technology to enable the open, instant, and low-cost movement of money. People will be able to send, receive, and spend their money, enabling a more inclusive global financial system. – Libra Mission

そうした意味でも、世界にユーザーを誇るFB上でシームレスな購買経験が出来るベースを整えておくことはとても意味のあるステップです。もちろんLibraはAssociationなため、FBのために存在している団体ではありませんが、Facebookのグローバルにユーザーを持つという性質上、ペイメント×ECは完全に相性がいいと言わざる負えません。

いずれにしろ、今回FBが「Facebook Shops」を導入してきたことで今後、ペイメントの側面をバージョンアップさせていくことは明確になってきたのではないでしょうか。

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