情報共有ツール「Stock」運営、長年のブートストラップ抜け1億円を調達——DNX V、East V、マネフォ、インフキュリオン、エンジェルらから

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Stock 創業者 兼 CEO の 澤村大輔氏と、シードラウンドに参加した投資家の皆さん
Image credit: Stock

情報共有ツール「Stock」を運営する Stock は8日、シードラウンドで1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DNX Ventures、East Ventures、マネーフォワード(東証:3994)、インフキュリオン、エンジェル投資家として永見世央氏(ラクスル CFO)と鎌田大輔氏(インフキュリオン共同創業者)、その他名前非開示のエンジェル投資家。なお、今回の調達と合わせ、同社は Stock に社名変更したことも明らかにした。

リンクライブ(設立当時)は、野村総合研究所出身の澤村大輔氏らにより2014年4月に創業。web サービスに対するユーザのリアルな本音を集約・分析するツール「ONI Tsukkomi(鬼ツッコミ)」の提供を始めた。その後、Stock を2017年にβローンチし、同じ年、金沢で開催された IVS 2017 Fallのピッチコンペティション「LaunchPad」でファイナリストに採択。2018年4月に Stock を正式ローンチした

コミュニケーションツールは、その多くがフロー型であるため、時間の経過と共にスクロールして流れていってしまい、後から戻って必要な情報を探すのが面倒だ。Stock は情報のストックやタスク管理のための、誰にでも使える UI/UX を標榜して開発された汎用型 SaaS。従来、ストック型の情報共有はファイルを使った方法に依存せざるを得なかったが、Stock ではタブレットやスマートフォンからの書き込みも可能であるため、これがユースケースを広げる追い風になった。

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導入業種は会計事務所、広告代理店、IT 企業、不動産管理会社、飲食店など、非常に幅広い。Stock はこれまでに積極的なマーケティングを実施していないが、非 IT 系事業者の利用が多いも特徴で、ユーザがユーザを呼び込む口コミのオーガニック流入が多数を占める。案件毎にタスクを確実にクローズしていく必要のある「士業によく刺さっている(澤村氏)」ため、会計事務所のネットワークを持つマネーフォワードが投資家に加わることは、事業上シナジーが得られるという。

BRIDGE との以前のインタビューの中で、澤村氏は ONI Tsukkomi が黒字化していることから、ブートストラップモードで経営を続け、「サービスの質やユーザの満足度が担保でき、一気にグロースできるタイミングが来たら、外部からの資金調達も検討したい(澤村氏)」と語っていた。今回、外部からの資金調達を決めた理由として、多くのユーザに受け入れられたことで Stock がインフラ化し(2020年7月末現在5万社)、持続的なサービスを求められるようになっていることから、財務基盤の安定化も狙いにあるとしている。

Stock では調達した資金をプロダクト開発やマーケティング体制の強化に活用する。今後、機能強化をしていくのかとの問いには、澤村氏は次のように答えてくれた。

Stock は、機能の横幅を広げていくというより、敢えて機能を絞っている。IT に詳しくない人やシニア層にも使いこなせるよう UX を磨いてきたところに我々のプライドがある。

プロダクトがユーザを支配するのではなく、ユーザが支配できるプロダクトを作り続けるのが我々のアプローチだ。Stock がテーマとしている領域には国境の壁も無さそうなので、今後、海外展開も視野に入れている。