フリーランス・個人事業主向けモバイルバンク「Lili」

SHARE:
Image Credit : Lili

ピックアップ:Freelancer banking startup Lili raises $15M

ニュースサマリー:フリーランス・個人事業主向けオンラインバンク「Lili」はシリーズAにて、1500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはGroup 11が参加し、Foundation Capital、AltaIR Capital、Primary Venture Partners、Torch Capitakなどの既存投資家、また新しくZeev Venturesが同ラウンドより参加している。同社は今年6月に、シードラウンドにて1000万ドルの資金調達を実施しており、わずか4カ月でのラウンドとなった。

話題のポイント:チャレンジャーバンクやオンラインバンクの登場に伴い、同市場の中でもセグメントを小さくしサービスを作り上げるスタートアップが数多く登場してきています。例えばチャレンジャーバンクでは、若者世代にターゲティングした「Yotta」、「Chime」や「Step」が挙げられ、また、Z世代家族にフォーカスした「Kard」などのユーザーターゲティング戦略を持つスタートアップが増えてきている印象です。

今回調達を発表したフリーランス向けオンラインバンクLiliも、既に多くの競合が存在しており例えば「Oxygen」やZenBusinessに買収された「Joust Labs」が挙げられます。フリーランス・個人事業主向けオンラインバンクの特徴として共通しているのが、日々の出費管理や税申告など、キャッシュフローを包括的にサポートする機能です。

また、キャッシュフローが安定性を持てるよう、入金日より数日早く口座に反映させるサービスなどもフリーランス向けモバイルバンクの特徴ともいえるでしょう。ただ、今のところ若者世代向けモバイルバンクに比べると目立った機能は少ない点は懸念すべきかもしれません。

現段階では、UI/UXの面での使いやすさからフリーランスのユーザーを集め、将来的には融資やクレジット事業などへの展望を想定しているのだと思います。今までは、銀行や公的機関でのキャッシュフローによって個人のクレジットは評価されてきましたが、チャレンジャーバンクやモバイルバンクの一般化で新しいクレジットの形が誕生するのもそう遠くはないでしょう。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する