Googleが銀行サービス「Plex」発表、Google Payの体験も次のステージへ

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Image Credit : Google

ピックアップ:Google Pay reimagined: pay, save, manage expenses and more

ニュースサマリー:Googleは18日、Google Payを通したデジタルバンクサービスの提供を2021年1月より米国ユーザー向けに開始すると発表した。同サービスは「Plex Account」と呼ばれ、米国における11の銀行やクレジットユニオンがパートナー企業として参加する。なお、現段階ではCitiまたはSFCU(Stanford Federal Credit Union)であればウェイトリスト申請することが可能だ。

話題のポイント:Googleが来年から提供開始するPlex Accountでは、Google Payを通して簡単に銀行口座を開設できるようになります。同社がパートナシップを結ぶ銀行が、銀行業務のバックエンドを支えることになり、フィンテックスタートアップの手法とよく似ています。

またGoogle Pay自体のコンセプトを、よりソーシャル性高い体験へシフトすることも発表しています。これは、例えば今までVenmoやFacebook Payが提供していた個人間送金のマーケットと被っています。また、toBにおけるSNS性にもフォーカスしていくとしており、Google Payを通した支払いにおけるロイヤリティーやクーポンなどが充実することが予想されます。toBに関しては、今まで主にGoogle Maps上に表示していたローカル・オファーを上手くGoogle Payと融合させることになるのでしょう。

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Plexの話に戻ると、Plex Accountでは普通・当座預金どちらにも管理費や最低預金残高の指定はありません。もはやモバイルバンクがあり触れている今となっては特別驚くことでもありません。ただ、銀行業自体は今でもそうしたレガシーな手数料が生じる既存金融機関が担当することを考えると、StepやChimeなどとは多少違った存在になるのかもしれません。

ただ一つ言えるのは、将来的にGoogle PayとPlex Accountが若者世代などの層に浸透してしまえば、わざわざ他の銀行口座・モバイルバンクに切り替えるメリットはほぼなくなる、ということです。現段階において、チャレンジャーバンクや関連フィンテックスタートアップは、若者世代にフォーカスした戦略を打ち出していますが、それを全てGoogleが中長期的に見れば飲み込んでしまう可能性もあります。

CNBCによれば、Plexは口座開設後、申請すれば物理的なデビットカードをマスターカードで発行可能と報じています。Plexのサービス自体が開始される来年1月の段階までに、モバイルバンク市場の様相がどのように変化していくのかとても楽しみです。

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