勉強ノートまとめアプリ「Clear」運営、コクヨが買収

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CLEAR 代表取締役 新井豪一郎氏
Image credit: EduLab

<12日午後4時半更新> 赤字部を追記。訂正線部を削除。

コクヨ(東証:7984)の出した適時開示情報によると、学生向けのノートまとめアプリ「Clear」を展開する CLEAR がコクヨに買収されたことが明らかになった。買収金額などは明らかになっていない。CLEAR は創業以来、累積約4億円を調達している。INITIAL によれば、2018年のシリーズ C ラウンド後の推定時価総額は19億3,800万円。

Clear は昨年シリーズ D ラウンドを実施しており、同社 Web サイトによると創業以来の累積調達金額は5億1,674万8,113円。なお、INITIAL はシリーズ D ラウンド後の推定時価総額を明らかにしていない。

(筆者注:日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」や WEBメディア「SAKETIMES(サケタイムス)」を運営する clear と混同しないように。)

CLEAR は2010年10月、リゾート開発・運営大手の星野リゾートでスキーリゾート事業責任者などを歴任した新井豪一郎氏(代表取締役)が、慶応ビジネススクールで同期だった白石由己氏(取締役副社長 COO/CFO)と共同創業(創業時の社名はアルクテラス)。2013年12月にローンチした「Clear」は、教科や単元別に他ユーザとノートを共有できるサービスで、ウェブのほか、Android や iOS のアプリとして提供されている。

CLEAR は国内はもとより、タイ、台湾、インドネシア、中国、香港にも進出しており、Web とモバイルアプリを合わせた月間アクティブユーザは、国内では約230万人新井氏に12日に聞いた情報によると、最新の情報では約250万人)、世界では約350万人に上る。モバイルアプリについては、国内では、中高生の4人に1人が使っている計算だ。

CLEAR は、コンテンツの共同開発のほか、学習塾への集客支援やマーケティング支援を目的として、これまでに、増進会出版社(Z会グループ)、朝日学生新聞社、学生塾向けコンテンツ開発のスプリックス(東証:7030)、学習塾向け Web サービスや教育動画アプリを展開する Lacicu、動画授業サービスの学びエイド、楽天(東証:4755)と提携している。

Image credit: Clear

新型コロナウイルスの影響で家庭学習が増えたことから、昨年は Clear のユーザや投稿数は急激に増加。3月には学校教育向けの ICT 利活用支援のチエル(東証:3933)と業務提携した。チエルの傘下には大学の入試説明会を支援する昭栄広報があるが、CLEAR が協力することでオンライン説明会の開催を拡充している

Clear をスタートした頃から、コクヨとはいろいろ協業してきた。2015年には共同でイベントも開催している。2019年の秋頃、コクヨの社長(黒田英邦氏)にお目にかかる機会があり、一緒に共同事業をしていきましょう、という話になった。

コクヨは紙のノートである「Campus」、Clear はデジタルのノートである「clear」で、互いに大きな市場シェアを持っている。紙のノートとデジタルのノート、それぞれのブランド力が生かせるいいパートナーだと考え、協業に至った。(新井氏)

海外展開では、例えば、中国ではコクヨが事業を先行しており、タイでは clear のユーザは80万人ほどいて、その存在感は大きい。互いに強い市場で送客することにより、Campus と clear 双方のシェアを伸ばせる可能性がある。具体的な話はまだ決まっていないとのことだが、紙とデジタルの融合で新たな機能を生み出すこともできるかもしれない。

CLEAR は、主事業の Clear 以外に、塾の生徒募集を支援する「MEETS」、高校生向けに進路に関する情報を提供する「進路選び」を展開している。MEETS は、増進会出版社の子会社であるエデュケーショナルネットワークやスプリックス、進路選びは昭栄広報との共同事業だ。新井氏によれば、コクヨに買収された後も、これら事業パートナーとの関係は継続されるという。

CLEAR はこれまでに Startup Asia Jakarta 2014 で2位を獲得ASIABEAT 2016 in アモイでファイナリストに選出された。2017年には毎年ロンドンで開催される、世界最大の EdTech コンペティション「The Global EdTech Startup Awards(GESA)」の日本予選で優勝し、翌年、ロンドンでの世界決勝でも優勝した

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