営業パーソンに次のアクションを提案するSaaS「Magic Moment Playbook」運営、シリーズAで約6.6億円を調達——DCMとDNXから

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左から:DNX Ventures 倉林陽氏、Magic Moment 村尾祐弥氏、DCM Ventures 本多央輔氏
Image credit: Magic Moment

営業管理支援 SaaS を開発する Magic Moment は13日、シリーズ A ラウンドで約6.6億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは DCM Ventures と DNX Ventures で、調達額には三井住友銀行と日本政策金融公庫からのデットを含んでいる。これは、同社にとって2019年12月に実施したプレシリーズ A ラウンド(1.6億円)の調達に続くものだ。DCM Ventures と DNX Ventures はプレシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの出資となる。

Magic Moment は2017年3月、Google 日本法人で SMB 向け商品の営業統括部長などを務めた村尾祐弥氏により設立。営業活動において最適なアクションを提案する SaaS「Magic Moment Playbook」を開発・提供している。このサービスでは、CRM(顧客管理)や MA(マーケティングオートメーション)とリアルタイムで情報を同期、営業チームにおける過去の成功事例をもとに「導入を決定するために電話しましょう」「決裁の状況を確認するためにビデオ会議をしましょう」などといった提案をしてくれる。

営業現場で使われるツールは多数あるが、それを使えていないとか、お客さんの動向を可視化できない営業組織向けに、データドリブンな営業活動を支援するのが Magic Moment Playbook だ。営業活動をちゃんと記録し、それをちゃんと活用する、というのが根底にある基本なコンセプト。

営業ツールが増え、手段であるはずのツールの操作が目的化してしまったり、ソリューション毎に人の役割が細分化されてしまっていたりする企業もある。Magic Moment Playbook では何をやるかが構造化されていて、営業担当者は提案に応じてアクションを行えば良い。結果は可視化されるので、マネージャーは営業の成否を分けた項目も確認しやすい。(村尾氏)

「Magic Moment Playbook」の画面
Image credit: Magic Moment

営業担当者にとっては、Magic Moment Playbook の画面を開き、アクションを実行し、その反応を記録する、というプロセスを繰り返せばよく、極端に言えば、面倒な日報の提出を省略しても、マネージャーや経営層は営業動向をリアルタイムに把握することができる。相性がいいのは SaaS 系の事業を行う組織だが、あらゆるサービスが SaaS 化、サブスク化していく中で、Magic Moment Playbook が適用可能な事業形態は無限と言ってもいいだろう。

以前なら、マネージャーは営業件数(潜在顧客の訪問件数や電話のコール数)が多い営業担当者を高く評価したかもしれない。しかし、営業件数が多い営業担当者についたお客が定着するとは限らないし、逆に、営業件数が少ない営業担当者に長続きするローヤルカスタマがつくケースもあり得る。この場合、本来、評価される営業担当者は後者ということになり、前者の営業担当者には顧客長期価値(CLV)を上げるよう促すといったアプローチが可能になる。Magic Moment Playbook を使えば、そんな気づきも得られる。

Magic Moment Playbook は現在、LINE、旭化成、USEN グループといった大企業で as a service 的なサービスやサブスクリプションサービスを販売する部門で多用されているという。Magic Moment Playbook の主機能で、営業担当者にアクションを提案するレシピ「Playbook」は、Magic Moment がコンサルティング業務の一環として作成しているが、最近では中小企業からの引き合いが増えていることから、同社では今後、ユーザが自ら Playbook を作成できる機能も提供できるようにしたい、としている。

このところ、sales enablement を提供するスタートアップの動きが活発化している。営業顧問事業を提供する Buff は先週資金調達を発表、UNITE は先月インサイドセールスをプロセス化する 事業を正式ローンチした。〝売れるトーク〟をパターン解析する AI スタートアップのコグニティは先月、業界特化型の営業トーク分析サービス「COG-HOME(コグ・ホーム)」をローンチした。海外に目を転じると、Highspot が2月、2億米ドルを調達しユニコーンクラブ入りを果たしている

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