10%が見えてきたEC化率、物販系の市場成長率は脅威の22%に

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令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

ピックアップ:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(7月30日)

先日、こちらの記事を出したところ「最新版の情報が出ているよ」というご指摘をいただきました。ありがとうございます。7月30日のリリースということで私も気がついておりませんでした。ということで、記事の中でも言及していたEC化率の成長角度ですが、見事上向きに上がっていたようです。サマリーと気になった数値を抜き出してみます。

2020年の国内の消費者向けEC市場規模は19.3兆円で金額こそ2019年の19.4兆円とほぼ変わらず、マイナス830億円・前年比0.43%減という結果なのですが、内訳が大きく変わっていました。ちなみにB2B市場規模は約335兆円でこちらも前年の353兆円から5.1%減となっています。この内訳の考え方や、今後の見通し、なぜEC化率にいま注目しようとしたのかについては、こちらの記事をご覧ください。

さて、B2C市場の大カテゴリ「物販系・サービス系・デジタル系」の三大項目で大きく変動したのが物販系ECの中身とEC化率、そして大きな打撃を受けたサービスEC系の状況です。詳細の資料は私もまだ斜め読みなのですが、関連している方はどこに変動があるかチェックされると発見があるかもしれません。

令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

物販系のECについては2019年の10兆円に対して12.2兆円の大幅な増加となりました。2018年が9.3兆円だったので、成長率にして約8%だったのが、2020年には一気に21.7%の増加となっています。

物販系の内訳を詳しくみてみます。ちなみに物販系ECはリアルに販売している商品があるということで、他の大項目であるサービス系EC、デジタル系ECとは異なり、ここだけ「EC化率」が設定されています。リアル物販市場における電子商取引化率です。

2020年のEC化率は8.08%で、前年比で1.32%の増加となりました。これは前年の6.76%の成長率、0.54%に比較して角度がついた数字です。記事冒頭のグラフを見てもその様子がわかります。

令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

物販系の市場規模で生活家電等が約2.4兆円、衣類等が2.2兆円 、食品等が2.2兆円、生活雑貨等が2.1兆円となっています。これら上位4つが7割以上を占めています。特に気になっていたのが食品のEC化率で昨年まで2.89%と他の項目に比べて極端に低い数値でした。

しかしこれが2.89%から3.3%に、市場規模として1.8兆円(2019年)から2.2兆円と大幅な増加を見せています。成長率では2018年から2019年が7.7%だったのに対して、2020年は21%です。他の項目も同様の水準で軒並みアップしていますが、食品だけはこれまで市場規模全体の割合に対して動きが少なかったこともあり、やはり注目指標になると思われます。

メルカリShopsの強みは集客

食品関連はネットスーパー系やオイシックスなどのミールキット系、食べチョクに代表される産直ECなどがあります。BASEやSTORESといったSMB向けコマースもここから数値が大きく期待できるかもしれませんし、先日参入してきたメルカリShopsはやはりうまくタイミングを合わせてきたと考えるべきでしょう。

一方、これらの大幅な増加を全て飲み込んだのが、打撃を受けたサービス系ECです。ここは旅行サービスやチケット販売が大きな割合を占めており、2019年に7.1兆円あったものが約4.6兆円にまで大きく減少しました。旅行や興行は先日、令和トラベルの篠塚孝哉さんにお伺いした通り、ワクチンのゆくえがそのまま影響するので、足元が戻るにしても数カ月という単位ではなさそうです。

令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)

ということで、これだけ大規模かつ長年に渡る調査報告がここまで大きく数値を変化させることはそうそうありません。かつてはリーマンショック、その前はITバブルの崩壊が記憶にありますが、それぞれの時期を前後してパラダイムシフトが発生しています。

前の記事にも指摘した海外資金の流入もスタートアップには大きく影響してくる話題です。合わせてこれらの数値の解像度を上げて、どこにチャンスがあるのか、ペインの所在を発見したいところです。

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