愛知県、日本版「Station F」を目指す「STATION Ai」に向けキックオフイベントを開催

SHARE:
「PRE-STATION Ai」の FY22 バッチに採択されたスタートアップの皆さんと、愛知県知事 大村秀章氏(中央最前列右)、STATION Ai 代表取締役社長兼 CEO 佐橋宏隆氏(中央最前列左)。撮影のためマスクを外しています。
Image credit: Masaru Ikeda

愛知県は7日、名古屋市内でスタートアップハブ施設「STATION Ai」の事前準備コミュニティとなる「PRE-STATION Ai」のキックオフイベントを開催した。STATION Ai は、愛知県が2018年10月に策定した「Aichi-Startup 戦略」の一翼を担うものだ。2024年に名古屋・鶴舞公園の南にある県所有地に、のべ床面積およそ23,000㎡で竣工することを予定している。運営は愛知県がソフトバンクに PFI 方式で委ねる予定で、ソフトバンクは昨年、 STATION Ai 運営の特別目的会社 STATION Ai 株式会社を設立している。

STATION Ai の竣工に先立ち、これから約2年間については準備期間として、PRE-STATION Ai が WeWork グローバルゲート名古屋を中心に展開されている。昨年からスタートした PRE-STATION Ai は FY21(昨年度)に34社が採択。本格運用のキックオフが発表された FY22(今年度)については、リアル43社とリモート42社の合計85社のスタートアップが採択された。年内には140社の採択を目指し、STATION Ai 竣工から5年後の2029年頃には1,000社が入居することを目指す。

(ちなみに、STATION Ai がモデルとするフランス・パリのスタートアップハブ「Station F」は2017年にオープンしたが、最初の1年間で、スタートアップ1,034チーム、合計4,882人の入居があったことが明らかになっている。)

WeWork グローバルゲート名古屋内に設置された、PRE-STATION Ai 採択スタートアップのためのエリア。窓の外側には名古屋駅周辺のビル群が見える。
Image credit: Masaru Ikeda

Aichi-Startup 戦略を核として、愛知県ではスタートアップを支援するプログラムを合計200以上提供しているという。STATION Ai では Station F はもとより、テキサス大学オースティン校、清華大学傘下のスタートアップ支援機関 Tus Holdings(啓迪控股)、シンガポール国立大学など世界10以上の組織と、スタートアップ支援、コミュニティ形成、インキュベーションノウハウの共有などで連携する。PRE-STATION Ai では、起業経験者などが統括/コミュニティマネージャーとしてスタートアップや起業家を支援する。

政府は「グローバル拠点都市」として、中部では愛知県、名古屋市、浜松市等を選定。愛知県は昨年8月、ベンチャーキャピタルネットワーク「Aichi Partner VC」を開始した。また昨年には、デンマーク発の〝スタートアップ版・世界の歩き方〟である「Startup Guide Nagoya」が、名古屋市と中部圏イノベーション推進機構が支援する形で発刊された。日本では東京に続く2都市目の発刊。地元大学発スタートアップのための起業家支援プログラム「Tongali」なども運営されている。

名古屋・鶴舞公園南に建設予定の「STATION Ai」完成予想図
Image credit: 愛知県経済産業局スタートアップ推進課

<参考文献>

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する