Web3インフラプロバイダ Fetch AI は3月29日、テクノロジーインキュベータで Web3 投資会社の DWF Labs から4,000万米ドルを調達した。同社は、インテリジェントエージェントと分散ブロックチェーン技術の発展を模索している。

Fetch AI は最終的に、複数のアプリを使い分けてさまざまなサービスに接続する消費者のニーズをターゲットにしており、それぞれのアプリが便利な手数料を管理する可能性がある。その目的は、仲介者を排除し、サービスが公平に支払いを受けられるようにすること、そしてエンドユーザがお金を節約できるようにすることだ。

インテリジェントエージェントの作成、展開、接続を可能にすることにより、Fetch AIは、Web3システムの自動化と従来のビジネスモデルの再発明の最前線にある。これらのエージェントは、学習や予測だけでなく、現実世界で意味のあるタスクを実行するために行動を起こす。（DWF Labs マネージングパートナーの Andrei Grachev 氏）

Fetch AI のブロックチェーン技術の使用は、価値の移転を可能にし、自律的なエージェントが取引を開始するための調整メカニズムとして機能する。これらのエージェント間で交わされた契約は、プラットフォームのネイティブ暗号通貨「FET」を使用して、Fetch ブロックチェーンに記録される。FET は、エージェントが提供する取引やサービスに対する支払に使用される。

Fetch AI のコア機能

同社は、いくつかの重要なコンポーネントを含む技術スタックを開発している。

• AI／MLトラックでは、データ漏洩なしに機械学習（ML）モデルのコラボレーションを可能にする集合学習プロトコル「CoLearn」を開発している。
• 同社は、企業顧客向けに CoLearn のマネージドホスティング版を提供するプラットフォーム「Axim」を積極的に開発している。
• エージェントトラックでは、Fetch AI は、ピアツーピアのエージェントベースのアプリケーションを作成するために使用できるフレームワーク「Autonomous Economic Agent」と「Microagent」を開発している。
• Web3トラックでは、Cosmos SDK をベースにした独自のレイヤー1ブロックチェーンネットワークと、Fetch ブラウザ拡張ウォレット、Cosmos Dapps を開発する Cosmpy Python ライブラリ、あらゆる CosmWasm チェーン上で CosmWasm コントラクトをブートストラップおよびテストする Jenesis CLI などのツールを提供している。

また、これらのビルディングブロックをすべて組み込んだ製品デモのリリースも開始している。

Bosch が Fetch Foundation に参加

今週、Fetch AI は、Fetch ウォレットにおけるエージェント技術「Fetchbot」のサポートを開始している。Fetchbot は、分散型金融（DeFi）の自動化や、Fetch に関連する自然言語処理（NLP）クエリを処理するための GPT ベースの大規模言語モデル（LLM）APIとの連携など、スーパーウォレットの機能を提供するよう設計されている。

Feetch AI では近日中に、Fetch マイクロエージェントアプリケーションを書くためのブラウザ内 IDE を提供し、Fetch エージェントが常にオンラインである必要性を排除するエージェントメッセージ配信とホスティングのためのメールボックス機能をサポートする「Agentverse」をリリースする予定だ。また、Fetch AI は DeFi 分野で、同社のエージェント技術を使った他のデモ機を公開する予定だ。

最近、Bosch と Fetch AI は、モビリティ、産業、消費者などの分野における実際のユースケースのための Web3 技術の研究開発を行う Fetch 財団（Fetch Foundation）を設立するための協力も発表している。この財団は3層構造で運営され、Linux 財団（Linux Foundation）の分散型イノベーションモデルに触発されたものになる予定だ。Bosch と Fetch AI は、財団の運営委員会を主導し、他の業界参加者とともに財団の拡大を目指す。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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