協業プロジェクト求むーークロスチェーン通信インフラ「Router Protocol」/ETHGlobal・Gathering in Tokyoインタビュー #3

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Web3インキュベーター「Tané」が主催するWeb3 Gathering #1 in Tokyo/会場となったアクセンチュアのスペースにビルダーたちが集まった

4月14日から16日まで東京・虎ノ門ヒルズで開催されるETHGlobal Tokyoにあわせ、世界各国からビルダー・起業家が続々と集まっているようです。ETHGlobal Tokyoはイーサリアム開発者と起業家のためのグローバル・エコシステム「ETHGlobal」が主催する、3日間のハッカソンイベント。実践的なハッカソンを中心としたイベントで、イーサリアムコミュニティに参加するキーパーソンたちによるワークショップやパネルディスカッション、ハッキングセッションが行われます。

各国から主要なWeb3・クリプト関連のビルダーや起業家が集まることからサイドイベントも多く開催されており、本誌BRIDGEもそのうちのひとつ、Web3インキュベーター「Tané」が主催するWeb3 Gathering #1 in Tokyoにメディアパートナーとして参加してきました。アクセンチュアが運営する東京・麻布十番にある会場には事前登録で160名の起業家・ビルダーたちが集い、国際色豊かなコミュニケーションの場となったようです。

本稿ではいくつかのプロジェクトに話を聞くことができたので各記事にて紹介いたします。

クロスチェーン通信インフラ「Router Protocol」

Router Protocol は、異なるブロックチェーン間でデータや資産を安全かつ透明に移動させるためのプロトコルを提供するブロックチェーンスタートアップです。さまざまなチェーンやプロトコルが独自のコミュニティを形成する中で、クロスチェーンブリッジの重要性は増しつつありますが、同時に、ハッキングのリスクポイントにもなりやすいため、高いセキュリティやその検証が求められます。会場には、シニアビジネス開発マネージャー Matthias Yap 氏が来場していました。

Router Protocol のシニアビジネス開発マネージャー Matthias Yap 氏

——Router Protocol について教えてください。

私たちのプロジェクトは、クロスチェーンプロトコルです。クロスチェーンメッセージング、ブリッジの機能を提供します。そう、あなたの名前のようですね。でも、トークン転送のような機能もあります。また、メッセージングも行います。

そして今、V2(バージョン2)では、ブリッジの状態変更も可能にしようとしています。これは非常に新しいものです。というのも、ブリッジは多くありますが、多くはチェーン上で状態変更ができません。しかし、私たちはそれを Cosmosチェーン全体に移行し、クロスチェーンを実行しています。

——どんなチェーンに対応しているのですか?

V1(バージョン1)では、EVM で、最大10チェーンまで対応しています。つまり、メインのイーサリアムとそのロールアップです。Ethereum、Polygon、Arbitrium、Optimism、BSC(BNB Smart Chain)、Avalanche、Fantom、Aurora、などです。

私はこのチームのBD(ビジネス開発)を担当しています。チームメンバーは世界中にいます。創業者はドバイとインドが多いですね。そして、私たちはシンガポールの会社なんです。50〜100人弱くらいです。

2020年にチームがスタートした当初は、「Dfyn」という別のプロダクトでした。Polygon 上の取引所ですね。その後、2021年に Router Protocol に着手し、1月にその V1 のメインネットを立ち上げました。5月には V2 のテストネットが行われる予定です。今はV2に集中しています。Router Protocol の定義はまだ続いていますが、私は会社の Router Protocol 担当チームの人間なので、その BD への取り組みが求められているんです。

——日本でのイベントに参加するにあたって、何を期待されていますか?

Cosmos チェーン上にメインネットを張るのですが、それにあたり、日本のプロジェクトと提携したいのです。私たちは、異なるチェーン間を行き来する外部検証取引を支援するために、バリデーターに参加してもらう必要があります。

また、Router Protocol 上で構築を希望する、連携可能なパートナープロジェクトも探しています。企業や企業向けの顧客は、クロスチェーン、つまりスワップネットのようなものなので、それをウィジェットにできます。そのため、企業はそれを自分たちの深い場所に置くことができます。

基本的には、そうした企業ユーザは、私たちの Web サイトやその他のサイトにアクセスする必要はありません。パートナー企業の dApp を利用してクロスチェーンを行うこともできますし、API を利用して構築することも可能です。

そして、基本的に普通のお客さんにも、そうした機能を提供することが可能です。Dyfn や Web3のユーザであれば、(Router Protocol の運営するクロスチェーンスワップおよび転送 dApp)Voyager.IO のアプリにアクセスするだけです。そこに行けば、10種類のチェーン間で、すぐにトークンを交換することができます。

次回は Llama の共同創業者 Austin Green 氏のインタビューをお届けします

インタビュワー:池田将、写真:佐々木峻

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