チャットで組織ナレッジを発見するジェネレーティブ(生成)AI、Gleanが提供開始ーー企業のセキュリティ考慮

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Image credit:Glean

ナレッジワーカー向けのインテリジェントな検索・発見ソリューションを提供するGleanは、人工知能(AI)を使って組織全体から関連情報を生成する一連の新機能を火曜日に発表した。

この機能はGlean独自の知識モデルに基づいて、企業のデータやコンテンツの精度とセキュリティを向上させ、特にリモートワークやハイブリッドワーク環境において、従業員の生産性とコラボレーションを強化することを目的としている。

1つの機能であるAIアンサーは、自然言語による要求に対して、組織内のコンテンツ、コンテキスト、権限などのさまざまなソースから簡潔な回答を生成することができる。もう一つの機能であるエキスパート検出は、コンテンツや活動、関係性などGleanの分析に基づいてユーザーを特定し、社内の専門家と結びつけることができる。

第三の機能であるインコンテキスト・レコメンデーションは、ドキュメントやプレゼンテーションなど、ユーザーが作業中の資産に関連する追加コンテンツやコンテキストを提供することができる。

GleanのCEOであるArvind Jain氏は、VentureBeatとのインタビューで次のようにコメントした。

「私たちは、正確さとセキュリティが成功に不可欠であることを理解した上で、Gleanを構築しました。Gleanのガバナンスエンジンは、Gleanが検索するソースシステムにおける既存のアクセス権限に基づいて、ユーザーが見ることを許された情報のみにアクセスできるようにします。このようにして、私たちの顧客はリアルタイムのエンタープライズデータの許可とガバナンスルールがすべて実施されていることを確認することができます」。

企業向けAI

Gleanは、Googleの著名なエンジニアであったJain氏によって2020年に設立された。5月には1億ドルのシリーズC資金調達ラウンドを発表し、評価額は10億ドルに達している。Gleanは、テクノロジー、メディア、教育、ヘルスケアなど、さまざまな業界で70社以上の顧客を抱えている。

「AIは知識を利用しやすくし、従業員が仕事をするために必要な情報を探すのに費やす時間や行動を削減することで、私たちの働き方を変えることができます。しかし、企業でAIを適用する際には大きな課題があり、従業員が受け取る情報が正しいものであることを確認するためには熟考されたアプローチが必要になります。Gleanでは、企業で使用されるAIツールにおいて、正確性、セキュリティ、参照可能性が重要だと考えています」(Arvind Jain氏)。

生産性の向上、コストの削減

McKinsey & Companyのレポートによると、ナレッジワーカーは情報の検索や収集に約20%の時間を費やしており、これは年間1兆ドルの生産性の損失に相当するという。また、この時間を35%短縮し、収益を6%増加させるためには、AIが有効であることも報告されている。

Gleanは、企業のニーズにマッチした精度、セキュリティ、参照能力を満たすことを目的とした信頼できる知識モデルを作成した。開発に4年を費やしたこのモデルは、企業の知識とコンテキスト、権限とデータガバナンス、完全な参照可能性という3つの柱に基づいている。

このモデルは、企業独自の知識ベースでディープラーニング言語モデル(LLM)を再学習させ、リアルタイムでデータのパーミッションとガバナンスルールを適用する。また、各情報のソースや、あらゆるレスポンスがどのように生成されるかを表示する。Jain氏は、ジェレネーティブAIがビジネスで価値を発揮するためには、正しい検索基盤に基づく必要があると述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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