プロテイン食品「LABNOSH」が38億円、調光遮光フィルム開発Difonが14億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(9月11~15日)

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「LABNOSH」
Image credit: Egnis

9月11日~9月15日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は1,084億ウォン(約121億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • Egnis(이그니스)が348億ウォン(約38億円)を調達した。機能性たんぱく質サプリメント「LABNOSH(랩노쉬)」、鶏ささみ肉、こんにゃくブランド「Grocery Seoul(그로서리서울)」、「CLOOP(클룹)」を主力製品として保有。設立以来、累積売上1,000億ウォン(約110億円)を突破し、2025年の上場を目標にしている。今回の調達を受けて、グローバル拡張に集中する計画だ。
  • Difon(디폰)が124億ウォン(約14億円)を調達した。ヒュンダイ自動車からスピンオフしたエコフレンドリーなエネルギーソリューション企業で、窓を透過する光量をユーザが調節できるスマートウィンドウフィルムを開発している。車両や建物にも適用可能だ。保有技術により、グローバル市場を攻略する計画だ。
  • Panmnesia(파네시아)がシードラウンドで160億ウォン(約18億円)を調達した。同社は、メモリ拡張装置、アクセラレータ、プロセッサ、スイッチなど、さまざまなシステムデバイスを接続する CXL インタフェース IP の専門企業だ。今回の調達を受けて、CXL 半導体技術を高度化し、AI アプリケーションや大容量データ並列処理を加速する CXL ソリューションなどを追加開発する計画だ。
  • AI スタートアップ Upstage(업스테이지)が KT から戦略的投資により100億ウォン(約11億円)を調達した。同社は、オープン LLM(大規模言語モデル)リーダーボード1位を占めたスタートアップで、KT と B2B LLM(Private LLM)ソリューション開発とドメイン特化 LLM の開発を推進する。
  • Mathpresso(매스프레소)が KT から戦略的投資により100億ウォン(約11億円)を調達した。同社は、人工知能ベースの学習プラットフォーム「Qanda(콴다、iOS / Android )」を運営し、今回の調達を受けて、KT と教育特化 LLM の開発を推進する。

トレンド分析

投資を活発化した VC はどこか?

景気後退により投資市場が鈍化し、投資件数も減少している。投資スピードも遅くなった。今年、投資家は全体的に投資実行件数を減らしており、活発な投資で著名な VC も外部活動を縮小する模様だ。

Startup Recipe が投資ニュースを報道した VC を対象に、取引数ベースで最も活発に投資した VC を月単位で収集した結果、今年は独自プログラムを通じて10社以上に投資したアクセラレータを除くと、主要投資会社の投資件数は月平均5件未満であることがわかった。これは、投資が活発だった2021年より50%以上減った数値だ。

年初にはアーリー VC が比較的活発に動いていたが、上半期以降は彼らも投資を減らしているようだ。組織別にみると、銀行系 VC がアーリーからグロースまで区別なく多くの企業に投資したことが分かり、公共機関や民間機関はアーリースタートアップに資金提供している。

アーリーステージで今年新しく活発に動いたのは韓国投資アクセラレータ(한국투자액셀러레이터)d.camp(디캠프)だ。韓国の投資金融系列会社が出資して昨年設立された韓国投資アクセラレータは、独自のプログラムを通じてアーリー投資に注力しており、d.camp は今年 TIPS(韓国政府によるグローバル市場型創業 R&D 事業)運営会社にも選定され、TIPS を通じて後続投資を積極化する見込みだ。韓国信用保証基金(신용보증기금)も民間投資と政策金融を連携支援し、アーリースタートアップ投資を支援している。

その他のアーリー VC としては、CNTTech(씨엔티테크)Bluepoint Partners(블루포인트파트너스)BonAngels Partners(본엔젤스벤처파트너스)などが月単位で多くの投資をした主要 VC と位置付けられ、残りの主要アーリー VC は月1~3件未満の投資を実行している。

シリーズ A ラウンド以降のステージでは、KB Investment など銀行系 VC と、IBK 中小企業銀行(중소기업은행)など銀行が積極的な投資活動を行った。

月ベースではなく総投資件数で集計すると投資家に変動があるだろうが、全体的に過去との比較で VC 1社当たりの投資件数が減ったことは確かだ。アーリー VC も投資環境が難しくなったことを勘案して、より慎重に投資を決定していることもわかる。このような事実に基づいて、企業も VC の立場を考慮した投資戦略を追求しなければならないと考えられる。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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