Microsoft年次カンファレンスIgnite、一言で言えば「生成系AIに全力」

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今年シアトルで開催されたMicrosoftの年次カンファレンス「Ignite」は、ジェネレーティブAIに関する同社のビジョンとテクノロジーの発表で埋め尽くされた。

新しいAIチップのハードウェアやソフトウェアからセキュリティ、オープンソース形式の動きまで、今回の発表でMicrosoftが新興テクノロジー分野でリーダーシップを発揮するためにあらゆる手段を講じていることが判明した。

以下はそのハイライトだ。

MicrosoftとGoogleがOneTableで提携。本日発表された新たなオープンソース・パートナーシップ開発において、MicrosoftはGoogleおよびOnehouseと共同で、OneTableプロジェクトをサポートすることがわかった。一貫してフォーマットされた信頼性の高いデータは、すべてのAIプロジェクトにとって必要条件となっている。

Microsoftがデータベースをコピーする「Mirroring」を発表。Mirroringは、Microsoft Fabricの数多くのアップデートの一部である新機能で、ユーザが外部データベースを複製することを可能にするものだ。これにより、顧客はMicrosoft Fabric内でより簡単にデータを統合し、コストを削減することができる。Microsoftによると、この複製技術は、Azure Cosmos DB、Azure SQL DB、Snowflake、Mongo DBの顧客向けに本日から提供を始めるという。2024年にはさらに多くのデータソースが追加される予定だ。繰り返しになるが、データの一元化は洗練されたGen AIにとって必要条件である。

Microsoftは、エンタープライズAI向けの自社製チップMaiaとCobaltでインフラを強化する。これらのチップは、最新のクラウドとAIの飛躍的進歩を活用するために、効率的でスケーラブルかつ持続可能なコンピューティングを企業に提供する。Microsoftは、さまざまなワークロード要件に合わせて最適化できる柔軟なインフラストラクチャー・システム(自社製およびパートナー提供のハードウェアとソフトウェア)を提供するというミッションにおいて、これらのチップはパズルの最後のピースになると述べている。MaiaはAI中心のGPUで、ジェネレーティブAIワークロードのクラウドベースのトレーニングと推論を実行するように設計されている。Cobaltは、汎用ワークロード向けのArmベースのチップだ。

Nvidia、Nemotron 3.8Bの新モデルでMicrosoft Azure向けAI Foundryサービスを開始。NvidiaはMicrosoftとの共同販売戦略を強化する。Nvidiaは企業や新興企業がAzureクラウド上でカスタムAIアプリケーションを構築するのを支援するAIファウンドリーサービスを発表した。

Microsoft、PurviewのアップグレードでAIデータセキュリティの新たな基準を設定。この新機能により、Microsoft 365のCopilotユーザーは、AIコーディングアシスタントがアクセスできるデータを制御し、応答内の機密データを自動的に分類して、LLMの使用に関するコンプライアンス管理を確立できるようになる。

Microsoft、Security CopilotとDefender XDRでGen AIに全面参入。Microsoftは、企業が直面する脅威を特定、検出、対応するために設計された一連の新しいサイバーセキュリティ・ソリューションを発表した。同社のサイバーセキュリティに関する新しい考え方は、ジェネレーティブAIによって脅威を発見し、その情報をすべてのアプリケーション、Copilot、拡張検知・対応(XDR)システム、クラウド、ハイブリッド・クラウドとリアルタイムで共有する。ジェネレーティブAIは、Microsoftの広範なセキュリティ戦略の新たな核となる。すべてのセキュリティ・アプリケーション、Copilot、クラウド、プラットフォームにわたって脅威インテリジェンスを統一するために、MicrosoftがジェネレーティブAIに全面的に取り組むという決断を下したことは、発見が難しい攻撃を阻止するためのソリューションを求める顧客企業の切迫感を反映している。

Microsoft、Igniteで営業・サービス向けCopilot機能の拡充を発表。Microsoftは、AIを活用した革新的なCopilot機能群を発表し、組織全体の営業生産性の向上と顧客サービス体験の改善を目指す。この新しいアップデートは、Microsoft Dynamicsを使用した販売・サービス業務に限ったものではなく、むしろMicrosoftのポートフォリオ全体をより深く統合するものだ。ユーザーは、Microsoft 365と販売・サービスデータのソースを、これまで以上に簡単に統合できるようになる。

これらは、MicrosoftがIgniteで行った発表の一部に過ぎない。詳細や情報については、VentureBeatの続報にご期待いただきたい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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