Z世代を狙い撃ち。「TikTok風」イベントプラットフォームが成長中/GB Tech Trend

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2,20万ドルの調達を発表した「POSH」
Image Credit: POSH

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

なぜ、成熟市場に乗り込むのか

友人同士の集まりや地元の音楽ライブなど、中小規模のイベントを発表・チケット販売できるプラットフォーム「POSH」が2,200万ドルの資金調達を発表しました。POSHは2023年にも500万ドル規模の調達を行っています。順調にラウンドを進めていることから、グロースを続けていると言えるでしょう。一方でイベント市場はすでに成熟フェーズに入っているように思えますが、なぜいま「イベント」なのでしょうか。

北米圏では、日本のPeatixやConnpassに当たる、EventbriteやMeetupのような大手イベントプラットフォームが競合として存在します。こうしたイベントサービスを活用した場合、ページを作成してもプラットフォームのブランドカラーが強く出るため、イベント運営者が独自色を出せないという仕様上の課題がありました。

他方、イベント参加者(チケット購入者)がプラットフォームによって行くイベントを選択するケースは稀でしょう。実際、POSHの創業者もインタビューでそのような認識を語っています。プラットフォーム色が全面に出ている競合サービスにはまだまだ改善点がある、と判断した彼らが開発したのが「POSH」というわけです。

最大の特徴は「TikTok」っぽさ

POSHの独自性は3つ挙げられます。最大の特徴は「インターフェース」です。POSHでは、ユーザーはTikTokライクに画面をスワイプし、面白そうなイベントを検索することができます。なお、TikTokライクなアプローチは、以前本メディアでも紹介した「Atmosfy」でも採用されています。あらゆる市場でUI改善によるモバイル最適化が進んでいると言えるでしょう。

次に挙げられるのが「カスタマイズ性」です。先述の通り、既存の大手プラットフォームでは、イベント運営者のブランドカラーを出せない不便さがありました。そこでPOSHでは、イベント企画者の独自色が出るようなページカスタマイズ機能を用意。手数料もある程度抑えることで、イベント企画者が利用しやすいようにしたのです。

最後に挙げられるのは「中小規模イベントに特化」している点です。彼らの特徴でもあるTikTokライクなUIを使いこなせるGenZ世代を取り込むには、より身近なサイズ感である中小規模のイベントに焦点を当てた方がターゲットを絞りやすいのかもしれません。

リードVCの影響にも注目

なお、今回リード出資を務めているのが、コンシューマー系スタートアップに何度も出資をしている「Goodwater Capital」です。同VCは特にSNSを主軸としたサービスへの投資を盛んに行なっています。彼らが過去の投資を通じて培ったノウハウを提供すれば、イベント + モバイル領域でのグロースも見込めるでしょう。サービスの機能性だけでなく、戦略面でも注目したいスタートアップと言えます。

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