トラック自動運転TuSimpleが「三体」のアニメとゲーム制作へ、公開LLMが180超に——中国スタートアップシーン週間振り返り(8月12~18日)

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Image credit: Tencent Technology Beijing

本稿は、Technode(動点科技)が、8月12日~8月18日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

国家電網、北京で EV 用スーパー充電ステーションを稼働(8月16日)

SGCC(中国国家電網)は、北京で初の EV(電気自動車)用スーパー充電ステーションを稼働させた。1基の充電パイルの最大出力は600kW で、1日に700台の車両に対応可能だと、CCTV(中国中央電視台)が16日報じた。SGCC は世界最大の電力会社で、中国の電力網を運営し、再生可能エネルギーと電気自動車のインフラを開発している。これまで、中国の公共充電ステーションの最大出力は約200kW程度だった。SGCC によるスーパー充電ステーションの稼働は、中国のクリーンエネルギーへの移行への取り組みを示すものであり、特に EV の普及を推進する上で炭素排出量の削減と気候変動対策に不可欠である。

CCTV によると、稼働する最初のスーパー充電ステーションには、北京の2カ所が含まれる。大興区の西紅門と豊台区の東管頭にあるスーパーチャージングステーションである。中国国家エネルギー局(国家能源局)は13日、中国の充電パイルの総数が今年1,000万基を超えたと発表した。7月末時点で、国内の充電パイルは1060.4万基に達し、前年比で53%増加した。そのうち、公共充電パイルが320.9万基、個人用充電パイルが739.4万基である。中国中央電視台

トラック自動運転の TuSimple(図森未来)、「三体」をベースにアニメとゲームを制作(8月15日)

自動運転トラック技術プロバイダの TuSimple(図森未来)は15日、すでに Netflix と Tencent Video(騰訊視頻)によってドラマ化された受賞作「三体」を原作とする初の長編アニメ映画とビデオゲームを制作すると発表した。この意外なコラボレーションは、中国系の TuSimple が2月に NASDAQ から自主的に上場廃止した後に行われた。同社は当時、「公開会社としてよりも非公開会社として」より良く対処できると考える変革の最中にあると述べていた。

TuSimple の WeChat(微信)アカウントに投稿された発表によると、同社は Shanghai Three Body Animation Firm(上海三体動画有限公司)とパートナーシップを締結し、これまでに蓄積した自動運転技術を活用して、メディアやゲームにおける生成 AI アプリケーションに注力するという。三体プロジェクトは、TuSimple 内に新たな生成 AI 中心のユニットが設立されたことを示すものだと同社は述べているが、輸送事業からの撤退計画には言及していない。図森未来

Douyin (抖音)が不正行為調査後に88人の従業員を解雇(8月13日)

TikTok の中国版である Douyin Group(抖音集団)は、今年上半期に不正防止規則違反で88人の従業員を解雇し、さらに17人の従業員を犯罪の疑いで司法当局に通報したと発表した。Douyin の公式 WeChat アカウントへの投稿によると、解雇された従業員のほとんどは、短編動画プラットフォームの e コマースおよび地域生活支援サービス部門に所属していた。

このような不正防止の動きは中国のテクノロジー業界では一般的で、企業は定期的にその結果を公表している。Tencent(騰訊)は昨年、贈収賄と汚職で120人以上のスタッフを解雇した。Douyin は、不正行為に対して常に「容認ゼロ」の姿勢を取っており、そのような事例に関与した従業員を二度と雇用しないと述べた。抖音集団

中国の一般利用可能な LLM が180超に(8月13日)

中国サイバースペース管理局(国家互聯網信息弁公室)の副局長 Wang Jingtao(王京涛)氏は、180以上の中国開発の大規模 AI モデルが一般向けサービス提供の承認を当局から得たと明らかにした。中国は 1年前、Baidu(百度)、SenseTime(商湯)、Zhipu AI(智譜 AI)の ChatGPT 類似サービスを含む、一般公開可能な大規模言語モデル(LLM)の第一陣を承認した。Wang 氏は 8月初めに開催された中国インターネットセキュリティ会議で、これらの AI 生成ツールに合計5億6,400万人のユーザが登録していると述べた。中国工業和信息化部

Zeekr(極氪)、日本で来年にもEV発売へ(8月13日)

Geely(吉利汽車)系列の EV (電気自動車)ブランド Zeekr(極氪)は、2025年に日本で 2つのプレミアム EV モデルを販売する計画を立てており、発売に先立って今年後半に東京と大阪エリアにショールームをオープンすることを目指していると、副社長 Chen Yu(陳禹)氏が述べたと日経が報じた。

このニュースは、Zeekr が最近、香港、タイ、シンガポールなど他の右ハンドル市場への参入を発表した後に出たものだ。中国国内での価格は、高級ミニバン「009」とクロスオーバー SUV「X」はそれぞれ、43万9,000人民元(約904万円)と20万人民元(約412万円)からとなっている。

Zeekr は今年末までに現在の30カ国・地域から50カ国・地域に進出することを目指しており、2026年には韓国での EV 販売を希望している。一方、競合の BYD(比亜迪)は 6月に最も高価な EV セダン Seal を日本で528万円で発売した。これは中国での価格と比べて40%以上高い。日経の報道によると、BYD は昨年、日本で「Atto 3」と「Dolphin EV」を合計1,446台販売した。日経

【via TechNode】 @technodechina

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