中国で人気のWeibo(微博、マイクロブログ)サービス(特に有名なのはSina(新浪、NASDAQ:SINA)と Tencent(騰訊、HKG:0700)は、ここ数カ月以内に実名による本人確認を実装しなくてはならなくなった。このシステムの実装に莫大な費用がかかることは明らかである。
ユーザー名と国民番号を紐付けるには、1人当たり2人民元(0.2ドル)ほどかかる見込みである。つまり、Sina と Tencent が政府の要求を実装するには、数億人民元の費用が必要だと いうことになる。(Weibo のユーザ数が2億5千万から3億であることから算出)
しかし、これに関しては当初から無料では済まないことを知られていた。今回のことは、政府と id5 と呼ばれる実名検査を行う企業との関係性が疑問視される問題も浮上している。このほぼ無名の企業が、突如これら16もの新たなマイクロブログ規制の主要恩恵者となるのだ。政府が料金を課すのだが、id5 が全ての工程を担当していく。
Sohu IT によると、北京を拠点とする時代週報がこの謎に包まれた id5 と呼ばれる企業の社員に本件について取材を試みたが、ジャーナリストたちは皆追い払われてしまった、と伝えている。
仮に、Sina の2億5000万人ものマイクロブログユーザーの75%が、サービスを継続して使用していきたいと考える実在の人々であり企業だとした場合(スパム目的のアカウントやゾンビアカウントではない場合)、この検査によってSinaには合計3億7500万人民元(5900万米ドル)の支払いが生じることになる。
自分のツイートについての責任を問われる
公式な説としては、このリアルIDの厳重な取り締まり検査により、誤った噂(おそらくスパムも)などが、これらの巨大サービスを通じて拡散してしまうことを防止することができるとしている。しかしアナリストたちは、この検査によって活気に満ち溢れ人気が上昇しているサイト内における発言の自由が抑圧されることを危惧している。
(マイクロブログユーザーは、継続して自由なニックネームを使用することはできる。が、Sina、Tencent、Netease(NASDAQ:NTES)そしてその他オペレーターは、ファイル上全てのユーザーの本名と番号を記録することになる。)
この請求は以前にも課せられたことがあり、内情をよく知る人間によると、Baidu(NASDAQ:BIDU)はその(失敗に終わり閉鎖となった)マイクロブログ Shuoba(説吧) のために2人民元以上の 支払いを最終的に行ったと言う。実名を義務付けたことでユーザーがサービスを離れたといったのか、それとも参入が遅すぎたのかどうかはわからない。
12月16日に新たな規制が発令された後も、SinaとTencentの株価は安定しているが、規制施行に苦悩はこれからだろう。企業にとっての損失は非常に大きく、ユーザーをマイクロブログプラットフォームから遠ざけることになりかねない。
この問題についてのフォローアップには、”real-name“(実名)タグを追ってもらいたい。今後中国のウェブ上におけるあらゆる分野で義務付けられていくことになるだろう。
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