かなり大胆な海賊版の横行と偽物をめぐるトラブルが、Tencentの通販サイト、Paipai.comにおいて見られるようだが、ユーザーコメントからすると、実に高い評価を得ているようだ。
Tencentといえば中国では最も信頼度の高いウェブ企業のひとつであるが、比較的新しい分野のオンライン通販ポータルにおいては、海賊版ブランドや偽物品の横行に手がつけられていないのが実情だ。
Paipai.comではカルバンクラインの下着模造商品から、叩き売りのフェイクiPhoneまで、ありとあらゆるものが出回っている。ユーザーは、偽物が売られていると認識したうえで、それらを買うことに満足している様子だ。
消費者間電子商取引において格安のiPhoneのコピー品(少なくともハードウエア・レベルでは本物のように見える)を販売するある売主は、何百もの取引を行ったうえで顧客を満足させ、99.3%の顧客満足度を獲得している。
現在Paipai.comでつかまされる危険のある偽造品は3つある。
1 大きなApple iPhone4
外見はiPhone4のように見える(ただし近くで見なければということだが)。しかしソフトウエアはといえばAndroid2.2が動いていて、奇妙なJAVAROMはインターフェースの一部を何となくiOSのように見せている。
製造品質については誰もわからないし、あなたがアンドロイド用ゲームをやるとして、プロセッサーがその作動に耐えられるかどうかも誰もわからない。
客は一見ハッピーなようにみえるが、いわゆる山寨(さんさい/訳注:違法コピーの工場)という言葉は、これがスティーブ・ジョブズ氏による魔法のデバイスにはなりえないと警鐘を鳴らしている。
私が見つけたあるベンダーは、元々の価値からするとバカ高いレートで260人以上の購入者を獲得していた。
あなたが危険と隣り合わせが好きで、だまされやすい、短い付き合いの友達を持ってるなら、このデカイアップルフォンは1,300元(約200米ドル)で販売してる。ここで確認してみてほしい
2 ルイ・ヴィトンのハンドバッグ
もし800人民元(125米ドル)が象徴的なルイ・ヴィトンのハンドバッグの値段としては話がうますぎると感じるならば、その感覚は正しい。偽造品バッグは、一昔前の30米ドルのプラスチック感丸出しのコピー品からは随分と改善され、現在は職人の技も向上して、いうなれば高級な知的財産権侵害ハンドバッグとなった。ここで確認してみて欲しい。
3 オメガの時計
この時計は厄介である。ちょうど一か月前、Paipai.comの強敵であるTaobaoは、偽の高級時計をC2Cプラットフォーム上で販売したとして、高級時計メーカー3社に訴えられた。そしてPaipai.comはここで同じ間違いを犯している。この368人民元するオメガは、広東の有能だが最低賃金で雇われている職工が作ったものであり、その時計からは製造過程で染みついた汗と涙、失われた夢の匂いがする。ここで確認してみてほしい。
これら3つのアイテムは買い手にとって危険であるのはもちろん、(もし偽物のiPhoneのバッテリーが爆発して手が吹っ飛んだら、どこに保障を求めればいいのだ?)運営側のTencent社にとっても脅威である。ソーシャルネットワークやインスタントメッセージの機能で名のある同社だが、司法訴訟の砲火を浴びるリスクを負っているのだ。
Taobaoはこの商標登録違反との闘いに目処をつけつつあり、来月B2CサイトのTmallをオープンさせて、この火薬箱のようなビジネス形態からは一線を画したい考えだ。今後はハイエンドなストリートファッションブランドの販売に力を入れていく見込みである。
しかし今のところでは、ユーザーたちはPaipai.comに満足しているようにみえる。ほとんどのユーザーが、本物と偽物を見分け、本当に危険なものを敏感によりわけているようなのだ。勿論Paipai.comでは、模造品に対して非常に厳しいアディダスなど、数々のブランドから真に価値のある商品も多数販売されている。
あなたの意見はどうだろうか。Tencent社の件について、海賊版の是非について、またそれに対する消費者の姿勢について、あなたが感じることを聞かせてほしい
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