ベトナムで起こり始めているリーン・アジャイル・改善のムーブメント

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最先端をいくテック企業で働いている人で、「リーン」「アジャイル」を知らない人は、おそらくいないだろう。今、この2つの要素はソフトウェアを開発する上で最大のトレンドとなっていて、起業を成功させるには重要不可欠な要素と考える人もいる。だが、私が知りたいのは、なぜそれらがそんなに重要なのかだ。

そこで、リーン、アジャイルが本当に意味するものは何か。そして、とりわけホーチミン市で開催された大規模な「Lean Mindset and Kaizen Camp(リーン・マインドセット&カイゼンキャンプ)」というイベントに際し、同市で成長する小規模のリーン・アジャイル・コミュニティについて更に理解を深めようとChristoph Kruppa氏に話を聞いてみた。

知らない人のために説明すると、「リーン」とは、削減したリソースで効率を高めることを重要視した1つの管理スタイルで、「アジャイル」とはソフトウェアの開発に一連のリーン手法を実践することだ。そして「カイゼン(改善)」はリーンの先駆けとなった日本の哲学的思考だ。

リーンスタートアップ・ムーブメントのマニフェストとも言われるEric Ries氏著作の「The Lean Startup(邦題:リーンスタートアップ)」が最近、ベトナム語に翻訳された。ベトナムのほとんどの起業家がこの本を既に読んでいるか、もしくは読みたいと思っている。

基本的に、リーン・アジャイルとは、プロダクトをできるだけ早く顧客に提供することで、そのプロダクト&開発チームが可能な限り速く、繰り返し改善・向上することができるというものである。

ベトナムにおけるリーン・アジャイルの現状は?

「今、私たちのコミュニティには、ベトナム全土で約200人のスクラムマスター(アジャイルプロセスを推し進めるソフトウェアチームの重要ポジション)と700人を超えるメンバーがいます。そして、VNG、Gloops、Gameloft、Playsoft、そしてEast Agileなど、リーン管理を行ったり、アジャイル開発をしている大小様々な企業が存在します。私たちがコミュニティを始めて以来、過去2年間で大きく成長しています。新しい企業は、生産性の向上、コストの削減に重要だとして、リーン・アジャイルを取り入れています。」

Kruppa氏は同僚のAlex Rosales氏とTri Nhan Vu氏ともに、2011年以来、22回の「Agile Monthly」イベント(各回の参加者は30~80人)を行い、ホーチミンで催したAgile Tourなど、大きなイベント(参加者は150人以上)も開催している。Agile Tourには、最良の事例に基づいて同コミュニティをコーチングしたり、ワークショップを開催するために、海外から講演者を招いた。

同チームは、ハノイの運営チームとも協力して、講演者を呼び寄せたり、イベントを開催したりしている。

来週、リーンソフト開発の先駆者Mary & Tom Poppendieck夫妻、そして生産管理システム「かんばん」のパイオニアJim Benson氏、Tonianne DeMaria Barry氏らがホーチミン市にやってきて、「Lean Mindset Workshop」と「Kaizen Camp Gathering」を行う。これは、ソフトウェア業界、ヘルスケア業界、製造業に携わる人々だけでなく、管理システムをアップグレードしたいその他の業界の人々にとっても大きなチャンスとなるだろう。

イベントのコース内容を知りたい人は、Udemyに掲載されているSXSWのLean Startupコースを見てみると良いだろう。同サイトでは、Eric Ries氏やMary Poppendieck氏、EtsyやAirbnbなどの優秀なスタートアップによる講演を見ることができる。

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情報開示:私はUdemyのコースをとり、素晴らしいと思った。リーン・アジャイルについて私が確信したことは、それが、素晴らしい起業をするための基本であると同時に、関連市場に適し、素早い改善が施せるプロダクトをスタートアップが構築できるよう支援する上で、世界に波及効果を及ぼす大きなムーブメントであるということだ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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