CyberAgent Ventures、ベトナムのeコマースソリューションスタートアップDKTに出資

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ベトナムにおいてeコマースは2014年も依然として最もホットな業界である。CyberAgent Venturesはeコマースソリューション企業のDKTに非公開ラウンドで出資することを発表した。

DKTは従業員100人以上を抱え、5つのサイトを運営している。

    ・Bizweb.vn – eコマースソリューションプラットフォーム
    ・Bizmail.vn – 小売業者が顧客とコンタクトとれるよう支援するメールサービス
    Lamsao – ライフバランスのとれた生活を支援するブログ
    Hangtot – eコマースマーケットプレイス
    Vietclick – オンライン広告ネットワーク

DKTは小売業者向けに、商品を販売できるウェブサイトを作成することができるサービスをBizweb.vnで提供している。Bizweb.vnは同社最大のサービスサイトだ。DKTのHo Chi Minh市支店長であるNguyen Thi Thu Huong氏によると、このサービスは大きく成長しているマーケットだという。

「私たちの顧客の多くは実店舗を持つ小売業者と製造販売業者です。大多数の人が実店舗を持っています。オンラインの店舗を持つことは、顧客層を広げる明確なチャンスとなるのです。」

Facebookコマースがいまだに個人販売者の成長分野であるタイやインドネシアと違って、ベトナムではFコマースへの大きな移行は見られない。代わりに、彼らはFコマースを飛び越えてBizweb.vnで自社サイトを構築しているという状況にある。DKTは、Bizweb.vnのバックエンドとBizmail.vnやHangtotのような他のサイトと結びつけているのだ。

DKTが得た資金は、同社eコマースマーケットプレイスであるHangtotのサービス拡大と、南ベトナムの主要都市、ホーチミン市にBizweb.vnのオペレーションを設立するために利用される予定だ。DKTのスタッフの多くがベトナムの首都ハノイで勤務している。

Hangtotはなぜ重要なのか?Va Giaとの戦い?

ベトナムにおける2013年のeコマースについて私がまとめた記事で述べたように、2014年は大企業が競い合う年になるであろう。Vat Giaはベトナム最大のeコマースマーケットプレイスであり、2005年と2006年のベトナムのスタートアップ第一波の時から、最も成功したスタートアップの1つであることは間違いない。そして今、HangtotがVat Giaに戦いを挑もうとしている。

新たな資金をHangtotに投入することにより、DKTはベトナムにおけるオンラインマーケットプレイスのトップの座を見据え、Vat Giaに取って代わろうとしている。しかし、その違いはBizwev.vnで作成された小売ウェブサイトの既存データをHangtotマーケットプレイスが活用していくということだ。よって、莫大なデータを所有し、さらなる拡大を目指すVat Giaと異なり、Hangtotは小売業者のプールをより集中させた形となっている。

同時に、Vat GiaはBizweb.vnのVat GiaバージョンであるWebBNCでeコマースソリューションマーケットに進出している。DKT、Vat Gia双方とも逆方向からアプローチしているのだ。

なぜCyberAgent Venturesは出資したのか?

CyberAgent VenturesのDKTへの出資は2つの理由から興味深いものであるといえる。第1に、今回の出資はCyberAgent Venturesの東南アジアeコマースへの関心が続いているという点だ。(CyberAgent Venturesは最近ではTiki.vnに追加の投資を行った。)第2に、CyberAgent Venturesは2009年にVat Giaにも出資しており、2つの競合する企業に出資したという点。

DKTへの投資に関わったリードインベストメントマネージャーであるNguyen Hieu Linh氏によれば、出資には3つの理由があるという。

「CyberAgent Venturesでは、常にアジア地区における大きなeコマースの動きに目を向けています。また私たちは、eコマースを熟知しているDKT設立メンバーの4人のことを本当に信用しています。DKTはeコマースソリューションではマーケットリーダーです。」

Linh氏は、Vat GiaとDKTは本当は競合せず、それよりむしろDKTが手掛ける総合的なソリューションにCyberAgent Venturesは興味を持っていると語っている。Vat Giaは、広い範囲をカバーし大規模な顧客ベースを持ち、価格に特化したマーケットプレイスを確立している。一方DKTは、ブランドで勝負したり、小売業者がより自由に商品をカスタマイズできるようなプラットフォームを開発している。

【原文】

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