Orbがブロックチェーン認証によるクラウドコンピューティング基盤「orb」をローンチ、2億7,400万円を調達へ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2015.9.29

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東京に拠点を置くスタートアップ「Orb(旧社名:コインパス)」は29日、ブロックチェーンを利用した独自認証技術による、非中央集権型クラウドコン ピューティング・システム「orb」を開発した。この orb を使ったサービスの第一弾として、28日より仮想通貨の発行・運用プラットフォーム「SmartCoin」の提供を始めた。

今回のサービス・ローンチとあわせて、Orb は資本調達も発表している。SBIインベストメント、セレス、ユナイテッド、アドウェイズ、マネックスベンチャーズから合計2億7,400万円を10月6日までに調達する予定だ。

Bitcoin の要素技術であるブロックチェーンは、セキュアで高度な認証を必要とされるサービスに応用され始めているが、マイニングに時間がかかり、そのためのリソースの確保に費用がかかるのが難点だ。orb では、〝経済圏〟ごとにブロックチェーンを分ける「マルチブロックチェーン方式」を採用しており、Bitcoin では認証に10分程度かかるブロックチェーンを使った場合で、orb では同じ認証を5秒で実現する。一般的なクレジットカードのオンライン認証に8秒かかることを考えれば、それよりも速い。マイニングの計算用にデータセンターのサーバやハードウェア・チップを用意しなくても、orb の SDK を使うことで、スマートフォンのアプリのレベルでブロックチェーン認証が可能となるため、決済認証、契約認証など幅広い用途に応用が可能だ。

この orb をベースに使った SmartCoin は、Eコマース事業者や各種サービス事業者が、自前ブランドで仮想通貨を発行・運用できるようにするサービスだ。すでに複数社が導入を検討しているほか、オープンソースで世界のトップシェアを誇る Eコマース・プラットフォーム Magento にもすでにプラグインが用意されており、SmartCoin を使ったオンライン決済が容易に実現できる。

Orb を率いるのは、ユーザの閲覧・購買履歴をもとに表示するバナー広告で有名な Criteo(FRA:CI5A)でアジア太平洋地域ディレクターを務めた仲津正朗氏(CEO)、そして、ソーシャルレンディング「maneo(マネオ)」の創業者である妹尾賢俊氏 (COO) だ。チームメンバーの多くは、Bitcoin やブロックチェーン技術に精通した技術者で構成されている。

(訂正:本稿初出時、チームメンバーが「MIT Media Lab が発表した分散型クラウドコンピューティング技術「εnigma(エニグマ)」についても、技術編のホワイトペーパーの作成に関わっている」としたのは誤り。Orb のチームメンバーが作成したのは orb に関するホワイトペーパーであり、ここから参照できる。)

仲津氏は、今回のサービスローンチを受けて THE BRIDGE に次のようにコメントしてくれた。

ブロックチェーンは、パーソナルコンピュータ、インターネットに続く、「第3のIT革命」になると言われている技術であり、シリコンバレーを中心に世界中の金融機関やIT企業から注目を集めています。(中略)日本からεnigmaレベルのプロジェクトが立ち上がるというのは、日本の有能なエンジニアをエキサイトさせることにもなると思います。

先週には、日本発の Bitcoin スタートアップであるテックビューロが、クローズド・ユース向けのブロックチェーン「mijin(ミジン)」を発表した。こちらも、既存のデータベースをブロックチェーンに置き換えることが期待されており、あわせて注目していきたい。

9月28日、渋谷のコワーキング・スペース「dots.」で開催された商品発表イベント。メディア、MIT Media Lab日本企業コミュニティ、VCの人などが一堂に会した(仲津氏の Facebook タイムラインから)。
9月28日、渋谷のコワーキング・スペース「dots.」で開催されたプロダクト発表イベント。メディア、MIT Media Lab 日本企業コミュニティ、VCらが一堂に会した(仲津氏の Facebook タイムラインから)。

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