オフィス向け置き野菜サービスの「OFFICE DE YASAI」、朝日新聞ASAと提携し配達エリアを拡大

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「OFFICE DE YASAI」の商品を運ぶ ASA 配達員。

オフィス向けに旬の野菜や果物を届けるサービス「OFFICE DE YASAI(オフィス・デ・ヤサイ)」を提供する KOMPEITO は5日、朝日新聞の営業・販売・配達を扱う朝日新聞サービスアンカー(ASA)の都内6社と提携し、「OFFICE DE YASAI」の配達基盤を強化すると発表した。この事業に参加する ASA は、恵比寿・赤坂青山・田町浜松町・大久保・四谷・銀座築地の東京都心部6拠点。これらの ASA ではテスト運用を終了し、3月から既に実運用を開始している。

今回の提携では、KOMPEITO が自社で行っていた顧客企業への野菜や果物の配送オペレーションを ASA 各社に委託。ASA では、新聞の朝刊配達と夕刊配達の間の時間を活用し、OFFICE DE YASAI の商品配達・回収を実施する。KOMPEITO にとっては、このモデルを全国展開することで、スケーラビリティのあるビジネスモデルを実現することが可能になる。ASA にとっては、経営資源を有効活用し、新聞購読者以外の顧客が獲得できるなどのメリットがある。

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OFFICE DE YASAI で購入できる商品(一部)。

新聞社とスタートアップが事業提携するオープンイノベーションには、他にも読売新聞社の事例などがある。時代の変遷と共に、メディアのデジタル化が進み新聞購読者数が減少する中で、全国に配達網を抱える新聞社各社はビジネスモデルの転換が求められる一方、営業エリアを全国に展開したいスタートアップにとっては、新聞社が持つアセットを活用することでスケーラビリティの確保が可能になる。既存の運送会社やロジスティクスに比べれば、ラストワンマイル部分のシステム化が必ずしも進んでいない分、サードパーティーの商品を扱うような柔軟なオペレーションも組み入れやすいのかもしれない。

2015年11月現在、OFFICE DE YASAI のサービスを導入しているのは、東京都心を中心に160社ほど。同社では今回の提携事業の動向を見据えつつ、配達エリアを関東一都三県や全国の主要都市部に展開し、2016年中に新たに600社の顧客獲得を目指すとしている。

KOMPEITO は2012年9月の創業。2014年には、経済産業省の「新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業」に採択され1,000万円の助成金を獲得、同年2月にサムライインキュベートから、また同年7月にインキュベイトファンドから資金調達し、同年11月にはマヨネーズ製造大手のキユーピーから約5,000万円を調達している。

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OFFICE DE YASAI の小型冷蔵庫。

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