ペコッターからもオンライン予約が可能にーー予約台帳のトレタが8媒体と連携

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飲食店向け予約サービスのトレタは6月15日、飲食店向けメディアサービスなどを提供する8社と連携し、各サービスからのオンライン席予約と実績管理を可能にする「トレタメディアコネクト」サービスの開始を発表した。

連携したのはグーペ、食べタイム、テーブルクロス、TERIYAKI、Travelzoo、美味案内、favy、ペコッターの8サービス。トレタはこれまでにもYahoo!予約飲食店、ヒトサラ、ナビタイム、オズモール、LINEグルメ予約、楽天ダイニングとも提携しており、合計で14社のサービスをトレタの導入店舗への流入経路として確保したことになる。

トレタメディアコネクトは各グルメ媒体が紹介する店舗にウェブ予約のリンクをつけることができるもので、格媒体の読者はそのリンクからオンラインで即時に席予約が可能になる。

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昨年から提携しているYahoo!予約 飲食店でのトレタ導入店

また、トレタ導入店にはその予約客がどの媒体経由でやってきたのか分かる他、予約台帳とオンライン予約が連携しているので空席在庫とのマッチングを自動的に処理してくれる。手書きでオンライン予約情報を台帳に書き写すことで発生する重複や予約忘れなどのミスがなくなり、空席在庫を効率よく埋めることができる。

トレタ代表取締役の中村仁氏の説明では、今後のプランとして飲食店に送客した際の手数料を媒体とシェアするモデルを考えているということだった。

さて、このサービスは以前から中村氏がやりたいと考えていたものだ。オンライン席予約の仕組みや媒体との連携については1年前に書いたこの記事をご一読いただきたい。

予約台帳のトレタがYahoo!予約 飲食店と連携、24時間のリアルタイム席予約に対応

読者にしてみればオンラインで即時に席が間違いなく取れ、飲食店も無駄な空席を減らすことができ、媒体は新たな収益源を得ることができることになる。

トレタ、読者、店舗、媒体の四方が幸せになるスキームと言える。

ただ、トレタの導入店舗はまだ6000店舗(中村氏の話では対象となる店舗は国内全部で10万店舗ほど)ということなので、とある媒体で見つけた美味しそうなレストランがトレタを導入していなければこの恩恵に預かることはできない。

さらに言うと、これらの媒体の前には当然、食べログ、ぐるなびといった2強が立ちはだかるので、店舗に生み出される流入経路はまだまだ乏しいと考えた方がいいだろう。

また、中村氏との話で盛り上がったのがメディアの分散化傾向だ。動画などのコンテンツでは分散化メディアの話題はよく聞くが、グルメ媒体にもこうやってみるとSEO一辺倒だったところからソーシャルやアプリ経由のチャットUIなど、利用しているユーザーの姿やシーンに変化が出てきていることが感じられる。

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入り口となる媒体が分散すれば、当然解析が難しくなる。何でもかんでもグーグルアナリティクスを見ていればいい、という時代はとうに終わっているのだ。今回の取り組みはトレタ側で様々な経路でやってきたユーザーを解析して伝えることで、お店側もどの媒体を使い、リピートしてくれたお客さんの単価はどうで、その人に対してどう振る舞うべきか考えることを可能にしてくれる。

現在、毎月300店舗ほどの加盟店を獲得しつづけているというトレタ。今回の媒体グループとの連携を通じ、ぐるなび、食べログという国内2大レストラン検索に対するオルタナティブとしてどのような存在感を示すことができるのだろうか。

情報開示:筆者の家族はトレタと以前契約関係にありました。

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