ロボット投信やクラウドクレジットら、兜町で資産運用に特化したハッカソンのデモデイを開催——5チームが事業化に向け、すでに起業準備を開始

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.2.12

ロボット投信平和不動産(東証:8803)、トムソン・ロイター・マーケッツクラウドクレジットの4社をコアメンバーとする資産運用イノベーション協会は、資産運用系フィンテックのアウトプットの場の提供とコミュニティ創出を目的として、昨年10月から今年にかけてハッカソンを開催してきた。1月29日、その成果披露の機会となるデモデイが1月29日、平和不動産が兜町に開設したイベントスペース「FinGATE」が開催された。

デモデイに参加した6チームのうち、すでに5チームについては起業準備を開始しているとのことで、THE BRIDGE 上でサービスリリースや資金調達のニュースを届けられるのも、さほど遠い日のことではないだろう。

このデモデイの審査員を務めたのは、以下の方々だ。

  • 三菱UFJフィナンシャルグループ シニアアナリスト 藤井達人氏
  • みずほフィナンシャルグループ シニアデジタルストラテジスト 野崎慎二郎氏
  • 三井住友フィナンシャルグループ 部長代理 天野麻依子氏
  • 日本IBM アドバイザリー IT スペシャリスト 森住祐介氏
  • トムソン・ロイター・マーケッツ 執行役員 笠井康則氏
  • PwC コンサルティング パートナー 山本浩史氏
  • TechCrunch Japan 編集長 西村賢氏
  • コモンズ投信 会長 渋沢健氏
  • マネックス証券 チーフストラテジスト 広井隆氏
  • ライフマップ合同会社 代表 竹川美奈子氏
  • マネーフォワード COO 瀧俊雄氏

【最優秀賞】taxy

「taxy」は、中小企業が保有する売掛金などの売掛債権を買い取るファクタリング・サービスだ。大企業には多様な資金調達チャネルがある一方、中小企業にとっては金融機関からの融資などに調達手段が限定されているのが現状。売掛金の流動化を図ることで、中小企業の安定した経営を支援する。

売掛金は30日前後から180日前後までと支払サイトも業態によってさまざまで、その市場は190兆円規模とされるが流動化されているのは全体の3%程度。売掛金の流動化が進まないのは手続きが煩雑だったり、売掛金買取時に安く買い叩かれたりするからだ。

taxy は、各種会計クラウドサービスやオンラインバンキングと連携し、機械学習を用いた独自の債権評価システムにより、リーズナブルで迅速な売掛債権の回答を実現する。アメリカの BlueVineFundBox といったサービスをベンチマークしており、将来的には、中小企業に ABL(売掛債権担保ローン)など多彩な資金調達手段を提供できるようにしたいとしている。

【IBM賞】つみギフト by きんゆう女子。

「つみギフト」は、ギフト専用の積立金貯金アプリだ。カジュアルなお礼から、誕生日の大切な人への贈り物にまで用途はさまざま。銀行の更新系 API と連携した貯金機能に加え、ギフト会社が提供する商品カタログ、どのようなギフトを贈ったかをソーシャルに情報共有できるタイムラインなどの機能で構成されている。

ビジネスモデルとしては、金融機関とギフト会社からの手数料収入を想定しているようだ。チームにはきんゆう女子。3名に加え、日本IBMからも4名が加わっており、データマイニングなどにより、ソーシャルメディアのテキスト分析から、個人の嗜好をプロファイリングする機能の実装も検討に含められていた。

【トムソン・ロイター賞】ついで投資 by Team Shimay

「ついで投資」は、投資経験の乏しい若年層を対象とし、初めての投資を促すためのソーシャル・ネットワークだ。20〜30代で社会人として企業に数年程度勤務した女性をペルソナに設定し、彼女たちが自分の興味や関心事に、スマートフォンで気軽に投資し、楽しさを共有できるサービスを目指した。何キロ走ったら投資、タバコをやめたら投資など、いわば「つもり貯金」の投資版である。

入賞はしなかったものの、他に登壇したサービス/チームは次の通り。

敗因分析

トレーダーに対して、ディールでなぜ負けたかを教えてくれるサービスは世の中にあまり存在しない。数日から数ヶ月のタームで取引するトレーダーが、同じ期間でディールした他のトレーダーの行動履歴と比較、普段見ているメディアの違いなどから敗因の分析を容易にし、将来のディール成功へとつなげるのを助ける。登録ユーザ向けの直接課金、および、ネット証券向けの OEM サービス提供を想定。

デイトレーダーよりも、ややディールのタームの長い700〜800万人言われるといわれるトレーダー層をターゲットとする。同様のサービスは市場に存在しないようだが、そもそもサービスニーズがあるかどうかについては現在検証中。今年5月前後にサービスのβ版をリリースを目指している。

僕たち家族だけの遺言書・YOURS by FP-MYS

人が亡くなってから家族は、相続をどうするか10ヶ月以内に結論を出す必要がある(債務放棄については4ヶ月以内の対応が必要)。生前から家族同士で思いをやりとりできる、クラウド型の遺言サービスがあれば役に立つのでは無いかと考え、「YOURS」のアイデアが生まれた。なお、あくまで死亡後の手続をスムーズにし、相続時の家族間の争いを予防するためのもので、クラウドサービス上でのやりとりに法的な拘束力は無い。

情報の真正性を担保するために、IBM が提供するブロックチェーンを活用した周辺サービスの採用を検討している。高齢者の世話をする介護士などは、生前のうちから家族と相続などの相談する方法がないものか、とよく尋ねられるそうだ。審査員らからは、将来的には、相続税試算や節税対策などの情報が得られるサービスになれば、より魅力的ではないかとの意見が出された。

OPCOMA(Open Connect Make) by Threefa

「OPCOMA」は、支援者が、金銭的または非金銭的に挑戦者(起業家など)を支援できるプラットフォーム。挑戦者には、資金調達が容易ではない、まわりに相談できる人がいないなどの問題があり、支援者側には挑戦者に投資をするにはリスクがあり、寄付だとワンタイムのみで終わってしまう、というデメリットがある。OPCOMA では、金銭的支援者には、挑戦者を支援するファンドに出資してもらう。非金銭的支援者には、挑戦者の事業の雇用契約(労働力提供)、または、後見人といった形での支援を促す。

プロジェクトのディールソースは、地方銀行、VC、事業会社などから行い、彼らが既存の投資スキームでは投資できない案件を OPCOMA が扱い、最終的にはイグジットする形でステイクホルダーに利益を還元するとしている。最終的なイグジットのところまでを追求していることで、社会事業系のクラウドファンディングなどと差別化するとしている。

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