「庭の総合代理店」ストロボライトが3.5億円調達、紙・ウェブ・企画の3事業で組み立てるビジネスモデルとは?

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2017.12.25

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(写真左から)取締役の川上睦生氏、代表取締役の石塚秀彦氏、執行役員の上野真哉氏

園芸向け総合事業を展開するストロボライトは12月25日、ニッセイ・キャピタルを引受先とする第三者割当増資を発表した。調達した資金は総額約3億5000万円で、株式の比率や払込日などの詳細は非公開。同社の資金調達は公開されているもので3回目で、アイモバイル、SMBCベンチャーキャピタル、プライマルキャピタル、個人投資家を引受先とするシード調達と、それに引き続く2回目、3回目のラウンドは共にニッセイ・キャピタルが単独で引き受けている。

同社は植物や園芸にまつわるライフスタイルを伝えるウェブメディア「LOVEGREEN」をはじめ、園芸店や生花店、ホームセンターなどに8万部配布されているフリーペーパー「Botapii(ボタピー)」、家庭の庭やオフィスグリーンをプロデュースする「MIDOLAS(ミドラス)」の3事業を展開している。今回調達した資金ではMIDOLAS事業に必要なシステム開発の人員強化やマーケティングに使われる。

園芸業界のエージェント的立ち位置を狙う

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オフィスは事業部ごとに異なる種類のグリーンが育てられている

園芸業界の情報サイト「LOVEGREEN」から始まったストロボライトの挑戦は順調に成長しているようだ。同社を取材したちょうど1年前に話されていたサービスEC構想は「MIDOLAS」として形になり、ウェブのみならずフリーペーパー事業としてメディア展開も拡大していた。人員は3事業合わせて30名近くの陣容になっているそうだ。

そもそも園芸やオフィスグリーンのビジネスモデルを考える機会はあまり多くないかもしれない。毎日触れ合う環境のことであるにも関わらず、家の庭園であれば新築や増改築のタイミングぐらいしか施工のチャンスはないし、オフィスグリーンにしても移転の時に相談するぐらいが一般的だろう。つまり飲食などのように「1日3回必ずある」というようなわかりやすいビジネスチャンス計算がしづらい。

石塚氏らの説明では、この分野に代理業務を担うエージェント的な存在はおらず、新築や移転の時に施工に関わった工務店や、普段使っている生花店などに相談が持ち込まれ、そこから知り合いの園芸業者に仕事がまわる「超アナログ」な実態があるのだという。

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発行されているフリーペーパー

彼らのアプローチは明快だ。ウェブメディアを使って幅広く園芸に関心のあるユーザーの集客力を高める。次に形あるフリーペーパーを使って生花店やホームセンターなどに設置することで「関連する事業者」のネットワークを構築する。こうやってできた「庭やオフィスのグリーンの手入れをしたいユーザー」と「造園を手がけることのできる事業者」をマッチングさせる。

MIDOLAS事業はこの両者を繋ぐ窓口になる、いわばオンライン上の代理店となる。現在はまだ依頼を受けた造園などの仕事はMIDOLAS事業部で直接手がけるものもあるそうだが、徐々に企画やプロデュース業務に移行し、具体的な剪定や造園などの仕事は全国に散らばる事業者に依頼されるようになるという話だった。

イメージとしては印刷のラクスルやクリーニングのリネットなど、小さな既存事業者をネットワークし、ウェブマーケティング手法を中心に集客を効率化したモデルに近い印象だ。単価については高いもので数百万円、平均すると30から50万円ほどのレンジになっているという。

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代表の石塚氏がこよなく愛するサボテンたち。30年から40年ものだそうだ

ところで記事の合間にいくつか写真を挟んだ通り、彼らはインターネットを使ったメディアやマーケティングをこの業界に持ち込むネット事業者であると同時に、植物を愛する人たちでもある。メンバーがそれぞれ生花店出身だったり、グリーンに対する知識や情熱がオフィスに溢れている。

こういったエクステリア・インテリア関連については市場規模も大きく、筆者は過去にメディア先行、SEO重視の事業者の話題を扱うこともあったが、決まってその場所に具体的な土や緑の香りがすることはなかった。ややもするとKPIや数値偏重になりがちなネットビジネスではあるが、サービスが飽和しつつある今だからこそ、こういった手触り感が差別化のポイントになる、なって欲しいと感じる取材でもあった。

 

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