ホワイトカラー向けAIによるRPAソリューションを開発するシナモン、エンジェルらを中心に資金を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.2.27

ホワイトカラー向けに人工知能(AI)を使った文書読み取りエンジンを開発するシナモンは26日、資金調達を実施したことを発表した。調達ラウンドや調達金額は不明。調達先は、MT パートナーズ、マネックスベンチャーズ、ベクトル、RPA ホールディングス、個人投資家の島田亨氏、谷家衛氏、森暁彦氏、石倉壱彦氏。

同社は以前、ネイキッドテクノロジーを創業しミクシィに売却した平野未来氏らにより2016年に創業。以前は Spicy Cinnamon として写真共有アプリ「Seconds」や「PicChat」を開発していたが、ビジネスモデルを C 向けから B 向けに一転させた。主要メンバーは Spicy Cinnamon の頃の顔ぶれを踏襲しているが、法人は改められているのでピボットという表現が正しいかどうかはわからない。

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同社が注力しているのは、自社開発による文書読み取りエンジン「Cinnamon AI」を使った RPA(クラス2)ソリューション「Flax Scanner」だ。単なる OCR ではなく、ディープラーニングの一種である畳み込みニューラルネットワーク(CNN、Convolutional Neural Network)により、最終的に99%以上の精度で正確な文書読み取りを実現する。文書読み取りだけでなくシステムが文書のコンテキストを理解し、データベースなどが扱いやすいセマンテックな形で情報を取り込めるのが最大の特徴だ。

具体的なユースケースとしては、契約書、履歴書、営業進捗報告、医療カルテ、手書きの申請書、不動産物件情報、領収書など。特に紙の書類が多い金融や保険の分野での活用が期待され、業務スピードを4倍に、コストを4分の1にすることが概ねの目標に設定されている。

Flax Scanner 以外にも、シナモンではユーザと商品をマッチングする「Lapis Engine」、チャットボットの「Scuro Bot」といった他の AI ソリューションの開発・提供にも着手している。シナモンのオペレーションは Spicy Cinnamon の頃のネットワークを踏襲していて、ビジネス開発やセールスは日本やシンガポールを中心に行われる一方、AI 技術をはじめとするシステム開発の多くはベトナムで行われている。

東南アジアで AI 技術者を雇用するのは難しいと言われる中、AI スタートアップ特化アクセラレータ Zeroth.AI のメンターも務めるシナモン CTO の堀田創氏が自らベトナムに乗り込み、ベトナムの大学トップ3校からポテンシャルの高い学生を集め、6ヶ月間に及ぶインターンシッププログラムを通じて AI 技術者を養成することに成功している。今回の資金調達の使途にも、AI プロダクトの基盤技術や UI の強化に加え、これらベトナムや日本での組織体制の強化に重点が置かれるようだ。

この分野では、モバイルゲーム向けアナリティクスサービス 5Rocks をイグジットした韓国のシリアルアントレプレナーである イ・チャンス(이창수、Changsoo Lee)氏がシリコンバレーで機械学習による企業向け業務自動化システムを開発する Allganize を創業、昨年11月に KDDI Open Innovation Fund(KOIF)から100万ドルを調達している。

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