Foxconn(鴻海/富士康)、AppleアクセサリメーカーのBelkinを8億6,600万米ドルで買収へ

SHARE:

M&A が繰り返されたことで、かつて活況を呈した Apple のアクセサリ業界はここ数年で衰退した。しかし、最新のディールはそのどれよりも前向きなものだ。台湾の製造大手 Foxconn(鴻海/富士康)は今日(原文掲載日:3月27日)、アクセサリ事業で最も有名な企業の一つであるアメリカの Belkin を買収段階にあると発表した。

買収金額8億6,600万米ドルがすべて現金で取引され、Belkin は、ケーブル、アンテナ、コネクタを製造する Foxconn の香港子会社 Foxconn Interconnect Technology(鴻騰精密、FIT)と合併することになる。FIT によれば、Belkin は今後も、現 CEO で共同創業者の Chet Pipkin 氏のもと独立運営され、同ブランドのままで人気の電源、接続コネクタ、防御アクセサリを販売するほか、Wemo、Linksys、Phyn の部品群も提供が継続される。

FIT は、Belkin と同社が持つプレミアムな消費者向け製品業界での能力を統合できることを楽しみにしている。Belkin の最良の能力とソリューションと FIT に統合することで、我々はプレミアムな消費者プロダクトのポートフォリオを充実させ、スマートフォームへの普及を加速したい。(FIT CEO Sidney Lu=盧松青氏)

Belkin の Foxconn への統合は、両社にとって大きな一歩だ。Foxconn は Apple の主要製造パートナーであり、iPhone など「クパティノでデザインされました」と記されたデバイスの大半について、組立の責務を負っている。しかし現在まで、Foxconn はマーケットプレイスで消費者に接する機会をほとんど持たなかった。

それと比べ、Belkin は消費者向け製品の販売で大きな実績があり、長きにわたりアクセサリで Apple とユニークな関係を築いてきた。ここ数年間で、Apple は社内で開発された Mac や iPod アクセサリの一部を Belkin が販売することを許可した。また最近では、Apple では自社製品がすでに購入できなくなっている場合、Qi Chargers など Belkin のアクセサリを目立った形で取り上げている。Belkin の所有者が Foxconn に移ることで、Apple と Belkin 間の特別な関係が拡大、縮小、現状維持されるのかは定かではない。

Foxconn による Belkin 買収で、Belkin はコスト構造の大幅な改善が可能になり、Foxconn は人気の消費者製品の取扱をさらに増やすことができる。Belkin の Pipkin 氏は、次のように述べている。

今回の買収により、我々は従業員に投資するために、より多くのリソースにアクセスすることが可能になり、またマーケットプレイスでは、積極的に事業機会を追求することが可能になるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する