昨年の9月、「Blackberryは法人志向から一般消費者志向へ転換できるか」と題した記事を書いた。その中で、Blackberryが事業転換をすべきか、もし事業転換をした場合に成功するのかという2つのシナリオについて論じた。
当時は世の中にスマートフォンが溢れ、ビジネス向けと一般消費者向けの境界線が急速になくなっているため、Blackberryは事業転換をするべきだと考えていた。そしてBlackberryは事業転換をした。だが結局事業転換は失敗に終わり数人の役員が退社した。RIMという「船」は氷山へと向かって進んでいる。
売上、心持ちともに悪化し、RIMは売却を検討するところまできている。また、使用チップに関する6つの特許侵害の件で告訴され裁判沙汰にもなっている。グローバルの売上は直近の四半期ベースで25パーセントの下落、米国単体の売上は昨年度から57パーセントも落ち込んでいる。
BlackberryはiPhoneやAndroidに立ち向かおうとしてきたが、明らかに歯が立たないでいる。バルセロナで開催されたMobile World Congressのパーティーの後、Blackberryの代表が、顧客が望むあらゆるアプリを提供することで成功する、と私を必死に納得させようとしていたことが思い出される。だが、私はわずかな希望しか感じられず、彼は少し妄想気味ではないかとすら思った。
市場の現実に打撃を受けた今、RIMは本来の法人向け市場に再び注目し、今でも価値のあるサービスを提供できると忠実なユーザー(いるとすればだが)を説得しようとしている。
アメリカの自主制作映画の監督で、自身も認めるBlackBerryのヘビーユーザであるHand Hammered FilmsのPawel Pawelczak氏。彼はRIMの経営陣に対し、法人向けの市場に特化し再びきちんとしたビジネスをしてほしいというメッセージを送るため、「これはおもちゃではない」とタイトルのコマーシャルを作った。この自主制作のコマーシャルは、BlackBerryに対してその携帯がおもちゃではなくビジネスパーソン向けにつくられた本格的なツールであることを再確認させるものだ。
「先週金曜日(3月30日) 、RIMが再び法人顧客に重点を置き直すと発表したことは正しい方向への軌道修正における重要なステップだ。彼らはBlackBerryの市場がニッチであることを認めなければならない。両方を取り込もうとせず(つまり、『他のスマートフォンと同じようなものだけど、BlackBerryの方がより良い』 というように)、RIMは具体的にBlackBerryの良さ―セキュリティー、信頼性、デスクトップPCのアプリケーションとの統合―を積極的に受け入れるべきだ」とPawelczakは語っている。
下にビデオを掲載しておく。でもこのビデオを見るにはvpnが必要となる。
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