台頭する東南アジアのスタートアップ事情そして日本との関係とは【グローバルブレインアライアンスフォーラム・トークセッション】

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ベンチャー支援をおこなうグローバル・ブレインが主催する第6回グローバル・ブレイン・アライアンス・フォーラムが、先日の12月7日に開催された。グローバルブレインの戦略について、また、ニフティのオープンイノベーションによる成長戦略、また、国内外のベンチャー9社によるピッチなどがおこなわれた。

その中でも、「台頭するアジアベンチャー」というテーマで、東南アジアを代表するテック系メディアによるパネルディスカッションがおこなわれた。

モデレーターにグローバル・ブレインのJames Chan(陳亮宏)氏、そしてSGE.ioのCo-founderでありEditorのGwendolyn Regina Tan氏、韓国のメディアbe SUCCESS Founder兼CEOのJames Jung(정현욱、ジュン・ヒョノク)氏、台湾VCのTMIのPartnerであるMark Hsu(許安徳)氏、シンガポールのテックメディアe27 Co-FounderのMohan Belani氏、Tech in Asia FounderのWillis Wee(黄心泉)氏ら、Startup Datingでもお馴染みのアジアのテックメディアが集合し、これからのアジアそして日本について議論した。

アジアの多様性、発展するアジアの国々

TMI partner のMark Hsu氏

最初は、アジアに関する議論からスタート。TMIのMarkは「アジアは広い。その国ごとに語るだけでも様々な視点があり、東南アジアという一つの括りでは語れないのでは」と語った。その中で、一つの指針になるのは「人口と国内総生産の比率は一つのポイント」とし、ミャンマーが人口5500万人では一人あたりが月に70ドルにあるのに対し、インドネシアは人口2億4千万に対し300ドル。人口と生産率によって、その国の状態が測れるのでは、とした。また、Mark氏は、その中でも、タイの経済成長率は著しいとした。

Mohan氏もタイに注目すると言う。「インターネットのインフラや成長率が東南アジアの中でも著しく、またInstagtamを多くの著名人が使うなど、オンラインにおける存在感や社会としても成熟度も高い」。be successのJames氏は、「韓国ではインターネット普及率が91%と高く、モバイル普及も70%と高い」と語った。Tech in AsiaのWillis氏は、ベトナムに興味があるとしつつも、インドネシアのFacebookやTwitterの普及が高く、中国の次はインドネシアでは語り、インドネシアの発展を示唆した。対してSGEのGwendolyn氏はミャンマーの可能性に言及。「インフラは整っていないが投資家も多く、少しづつ人が集まっており、これからの急速な伸びの可能性は高い」。

それぞれの視点から、アジア各国の可能性が語られたが、その多くは、まだまだこれから発展の余地は高い、ということだった。

アジア圏のインフラ、そしてオンラインペイメントがもつ課題

Co-Founder and Director のMohan Belani氏

モデレーターのJames Chan氏から、インフラとPeymentについて言及された。東南アジアで盛り上がりをみせるEC市場において、オンラインでの支払い問題は考えなければいけないポイントだ。まだまだ多くの国がフィーチャーフォンであることを懸念し、これからの問題点について各人が語った。

ゲストの多くが口を揃えて言うのは、まだ支払いの多くは振込は郵送であり、まだ多くの人がクレジットカードをもつことは少ないとした。そのかわり、Mark氏曰く「台湾はコンビニが10年前から発達した。しかしいまやECがコンビニや百貨店の数を超えている。もちろんクレジットカードで支払いもできるが、多くはコンビニで支払い、そこで商品を受取るなど、独自の発展がある」など、独特の支払方法も確立しているなどの特徴をみせている。タイなどの国も、クレジットカードが作れないが、銀行口座があるため、デビットカードでの支払いも多いとMohan氏は語る。

ECビジネスは、いま東南アジアでも盛り上がりを見せており、まだまだ整備されていないインフラ事業に対して銀行の投資も盛んだ。東南アジアの中でも高速インターネットができる国と出来ない国では、そのマーケット機会も変わってくる。Willis氏は「高速インターネットの国と、もう一つの特徴としてノートPCを持たない国がある。PCがないかわりにモバイルの普及が著しい。このマーケットの違いを分析し、起業家は問題解決のチャンスをもとう」と語った。

アジアのVC事情はこれから発達していく

beSUCCESS Founder and CEOのJames Jung氏

話題は、次は投資に移る。

韓国ではエンジェル投資家が500人以上いるとJames氏は語る。韓国のスタートアップの生態系はアメリカとの関連も強く、アメリカの企業が韓国のスタートアップを見つけ、投資をおこなう動きも大きいと語る。また、シンガポール同様に韓国も政府がスタートアップ支援をおこなっており、大きな力をいれていると語った。

Mohan氏は、シンガポールのVCの状況はまだまだ熟成されていないと語る。「企業から支援があるもののまだまだエンジェル投資家が少ない。そのため、お金ではなく、インキュベートなどのソフトの面での支援をおこなうVCも多い」と語り、初期のスタートアップを支援する対策をとっているとした。

Tech in Asia Founder のWillis Wee氏

Mark氏も、シンガポール同様に台湾もエンジェル投資家は少ないとした。「台湾は技術的な才能をもっている人間は多いが、まだ発掘しきれいていない。しかし、近年サイバーエージェントなどのベンチャー支援をおこなう日本のVCが進出しており、日本企業が台湾の動きをみている」と、日本と台湾との関係性についても言及した。Gwendolyn氏は「たしかにまだまだ時間が必要で、市場全体として未発達は多いが、イグジットなどの経験が起業家にとって一つの動機になる可能性は高い」。

まだまだアジア圏におけるイグジットのモデルは確立されていない。もちろん、イグジットだけを期待しその先や社会に対するインパクトを軽視してはいけないが、起業家を多く輩出させる一つのモチベーションになる一つなのでは、と示唆した。多くの多国籍企業による買収がこれからアジアで盛り上がる可能性は高い。

東南アジアの国々は、日本から学ぶべきものは大きい

SGE.io Co-Founder and Editor-in-CheifのGwendolyn Regina Tan氏

アジアの多様性、インフラ事情、VCの話題から最後は東南アジアと日本との関係について議論した。

はじめに、シリコンバレー偏重な意識ではなく、アジアのマーケット市場のポテンシャルに対して意識を向けるべきなのでは、という議論がされた。東南アジアはアメリカの二倍以上もの人口をもち、そのアジア全体がしっかりと統合されれば、大きな取引や業務提携などの可能性がると示唆。アジア全体としての一体感を持ち、巨大な市場をもって経済を発展させることでもたらす影響の大きさを考えていきたい、とそれぞれが語る。

Mohan氏は、日本が東南アジアにもたらす可能性に言及。起業家や経済の発展、そして、IPOをおこなうのに最適な場所だと語る。Gwendolyn氏は、「多くの日本人がビジネスのために海外に出ていることが励みになる」と語り、日本がどうイノベーションをもたらすか学びたいと語った。「あらゆるものが日本から学べるものがある。そして、その学んだことを、多くの人たちと共有していきたい」。

James氏も「カカオトークが世界で7000万ユーザをもち、日本にはLINEもある。日本とカカオやLINEとの提携がきちんとできたときに、そのデータベースがもたらすビジネスチャンスは大きい」と語り、盛り上がりを見せるメッセージ市場のさらなる可能性について言及した。

Willis氏も、日本の企業と東南アジア市場の親和性について言及。「日本のよいプロダクトが東南アジアにもたらす効果は大きい。同時に、日本の起業家の考えや知識からも学べるものも多い。また、日本企業の海外へのビジネスが得意であることも、学びは大きい。日本のファイナンスの意識によって東南アジアはもっと発展する。そのためのよいコラボが生み出されてほしい」。

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