テクノロジーは仕事と私生活のバランスに良い影響をもたらすか、それとも否か

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tech workstyleテクノロジーは仕事と私生活の適切なバランスを取るのに役立っているのだろうか?Regusアジア太平洋地域のディレクターJohn Henderson氏が良い点と悪い点を比較検討している。

モバイルインターネットのデバイスの数が今年末までに世界の人口を上回る見込みだ[1]。つまり、スマートフォンやインターネットに接続可能なタブレットそしてモニターの数がこの地球上に住む人の数よりも多くなるということだ。3Gが世に出てまだわずか10年ほどであることを考えると、これは実に驚くべき予測だ。

インターネットにアクセスできるデバイスの種類も増え続ける見込みだ。GoogleのSergey Brin氏やその他のアーリーアダプターたちがGoogle Glass(着用した人はこのメガネを使ってインターネットを利用することができる)をかけているのを見かけるし、Appleがスマートウォッチをローンチすることも広く予想されている。

メールをチェックしたり、インターネットを利用するためにポケットにある携帯電話に手を伸ばす必要すらもなくなってしまえば、オフラインの時間を持つことはこれまで以上に難しくなるだろう。

テクノロジーの影響に肯定的?それとも否定的?

タブレットやスマートフォンが仕事のやり方を変えていることは、日頃の生活から私たち皆が知っていることだ。だが、これらのデバイスは仕事と私生活のバランスを取るのに役立っているのだろうか?

香港での調査よると、仕事と私生活のバランスに与えるテクノロジーの影響について、回答者は肯定的そして否定的な意見を示している。肯定的な意見を示したのは回答者のわずか15.4%にすぎない一方で、42.7%の回答者が否定的な意見を示した。主な不満は、就寝時もしくは休日でさえも、完全にオフラインにすることができないと感じていることだ[2]。

テクノロジーは毎日24時間労働の文化を促進しているが、その他のことにも関与している。例えば、企業は異なるタイムゾーンにいる顧客や同僚に対応しているし、夜遅い時間帯や早朝の電話対応の必要性は高まるばかりだ。さらには、世界的な経済停滞によって、多くの人はこれまで以上の仕事をこなすよう強いられているため、仕事の時間が長くなっている。

どこででも仕事ができるというテクノロジーの利点

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すべてをテクノジーのせいにするのはやめよう。そして、テクノロジーがここ10年ほどで仕事と私生活のバランスにもたらしたまさに良い点を忘れないようにしよう。クラウドサービスのおかげで、企業の情報やアプリケーションにアクセスするためにオフィスに行く必要がなくなり、どのくらい仕事が楽になっただろう。そして、ビデオ会議によって、時間のかかる出張も減っている。

こういったメリットが受けられるのは、どこででも仕事ができるというテクノロジーのおかげだ。デバイスのローンチ ——BlackBerry(2003年)、iPhone(2008年)、iPad(2010年)—— が、ビジネスセンターやドロップインビジネスラウンジの利用者数の急激な伸びと連動していることは偶然ではない。

Regusが提供するフレキシブルな仕事スペースを利用する人の数は、今では世界100か国で100万人以上となっている。それは、彼らが従来通りの決まりきった毎日の通勤を止め、自分自身そして彼らの顧客にとって相応しい場所で仕事をすることを選択しているからだ。

Regus社が発表した最新の仕事と私生活のバランス指標(Work-Life Balance Index)によると、回答者(グローバル)の41%が所属する企業は、社員の通勤時間を削減する取り組みを2年前よりも増やしていると答えている[3]。

シンガポールにおいてはその数字は若干低く39%で、中国とインドでは50%を大きく上回っていた。社外勤務によって、社員の通勤時間は年間平均で79時間削減することができる[4]。また、交通費、車の排気ガスの排出量も削減できる。

Regus社の仕事と私生活のバランス指標に回答した61%の人が2年前よりもそのバランスが向上したと答えたのは、おそらく通勤時間を削減する柔軟な仕事環境とその取り組みに拠るところもあるだろう。

毎日24時間労働という経営モデルの難点

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モバイルテクノロジーによる毎日24時間労働というネガティブな側面が浮上したのはテクノロジーのせいではなく、経営文化によるものだ。香港における前述の調査で、就業時間外にモバイルデバイスやテクノロジーを使う理由として、「上司からそうすることを期待されている」と答えた人は回答者のほぼ25%、「顧客からそうすることを期待されている」と答えた人は20%近くいた[5]。だから、リラックスすることを妨げているのは携帯電話ではなくて、自分以外の他の人たちなのだ。

新しいモバイルデバイスがローンチされ、モバイルデータの通信スピードも早くなり、場所を選ばず容易に仕事ができるようになる一方で、アジア太平洋地域の企業は仕事と私生活のバランスや、毎日24時間労働に関する議論を高める必要がある。

確かに、時には夜遅いカンファレンスコールに出る必要もあるだろうが、フレキシブルな仕事環境によって通勤時間が削減できたり、家庭や仕事でやらなければならないことをうまく調整できれば、そういうことも苦にならないかもしれない。

そしてオフィス勤務者も各自の慣習について考える必要があるだろう。最近、同僚やクライアントが就業時間外にも関わらず安易に連絡を取ってくる理由の1つは、ソーシャルメディアを活用したり、サッカーの得点をチェックしたりと、私たちがタブレットや携帯電話を利用しているからだ。

eメールが届く音を聞く機会が増えれば、それに対応することも多くなる。メールを送ってくる人は、自分たちが時間外でも喜んで対応すると考え、次はさらに多くのことを投げかけてくる。テクノロジー、居残り慣行(デスクであろうが、携帯電話であろうが)、そして、どのようにしたら生産性を最も高められるかについて学ばなければならないのは経営者だけではない。私たち自身も学ばなければならないのだ。


[1] “Cisco Visual Networking Index: Global Mobile Data Traffic Forecast Update, 2012-2017”, February 2013.
[2] “The State of Work-Life Balance in Hong Kong”, Community Business, 2012.
[3] ‘A Better Balance”, Regus, May 2012.
[4] “Productive and profitable: taking the teleworking pledge”, Cisco, 4 March 2013.
[5] “The State of Work-Life Balance in Hong Kong”, Community Business, 2012.

【via e27】 @E27sg

【原文】

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