ワークライフバランスに重要なのは「柔軟性」

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Some rights reserved by Seth W.
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Sd Japanではしばしばワークスタイルに関する記事を掲載している。ぜひみなさんの働き方を考える上で参考にしてもらえたら幸いだ。

今回掲載したのは、John Henderson氏による記事。同氏は、世界中のビジネスセンターでレンタルオフィスを提供する多国籍企業Regusのアジア太平洋地区のディレクターである。


柔軟性はワークライフバランスを保つ上で就業時間よりも重要で、創業者や従業員の生産性を高めることにも繋がる。

良いワークライフバランスを保ちたいということに異論を唱える人はいない。もし、仕事と私生活のバランスが悪ければ、健康や私生活の個人的な関係は損なわれ、ストレスが高まり、仕事の生産性は悪くなる。そして、このような悪影響を示す研究もたくさんある。

だが、曖昧なのは、ワークライフバランスとは何かという問題だ。半数以上の人がワークライフバランスへの悪影響を懸念して仕事を断ったことがあると言うが[1]、皆それぞれが異なった「ワークライフバランス」という言葉の定義を持っている可能性もある。ある人にとっての「大変だが面白い仕事」は、他の人にとっては「過酷で終わりのない仕事」ということもある。

長時間労働は常に有害なのか?

ワークライフバランスにおけるグレーゾ—ンの良い例は労働時間だ。直感的に、ワークライフバランスには労働時間の短縮が必要だという人もいるだろうが、このことを混乱させるような統計がある。

Regusが調査を行った最新のワークライフバランス指標の中に1つの良い例が示されている。この調査の中で、ワークライフバランス指標の最も高い3か国はメキシコ、インド、ブラジルで、この3か国の指標は世界平均よりもはるかに高い。だが、経済協力開発機構(OECD)が発表したデータによると[2]、メキシコとブラジルの従業員の労働時間はOECD平均よりもはるかに長い(このOECDの調査にはインドは含まれていない)。

実際のところ、メキシコに関しては、OECDの調査において同国の平均労働時間が最も長いことを示すデータがいくつかある。だから、ワークライフバランスにはオフィスの長時間労働だけが関与しているのではなく、それ以外にもあるということだ。

健康の鍵は柔軟性

1つの要素として、コントロールできることと、どのくらい働くかという選択の自由が挙げられる。Regusのワークライフバランス指標を見ると、企業のオーナーは従業員よりも良いワークライフバランスを享受していることが示されている。

1年前よりも仕事を楽しんでいると回答した企業オーナーは74%だが、同じ回答をした従業員は64%だった。企業オーナーが、いつ、どこで仕事をし、どのくらい仕事をするかということを自分で決めれるというのがこの違いだろう。

論理的には、事業主は同じ選択肢を従業員にも提供し、従業員にそれぞれのライフスタイルに合った労働時間を取り入れさせ、通勤時間の削減に繋がるようなフレキシブルな仕事場も与えるべきだ。フレキシブルな仕事環境は、より調和のとれたワークライフバランスを促進すると同時に、環境への悪影響も低い。

フレキシブルな仕事場は、フレキシブルな労働時間と同じくらいに重要

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仕事場の選択ができることは、大都会では特に有益だ。都市部が広くなり、交通渋滞が悪化することで、通勤にこれまで以上に時間のかかるなか、従業員に会社よりも自宅に近いところで働くことを認めることで、何時間もの時間が自由に使えるようになり、この時間を仕事や私生活の活動に費やすことができる。

世界各国にあるRegusでは、1週間のすべて、もしくは数日をメインオフィスから遠く離れた当社のビジネスセンターを利用して仕事をしている人が増えている。そのプロセスのなかで、世界最大のフレキシブルオフィスのプロバイダーであるRegusは、1人所帯の会社から世界大手企業に至るまで、それぞれの企業の生産性がさらに高まるよう支援し、彼らがそれぞれのやり方で仕事をするための柔軟性と、自由に使える時間を提供している。

残念ながら、企業が取り組まなければならない道のりはまだ長い。Regusのワークライフバランス調査によると、調査参加者の半数をちょうど下回る49%の人が、雇用主は通勤時間を削減するためにさらなる努力をしていると答えている。これは大きな数字で、昨年よりも数値は伸びているのだが、それでも、半数以上の人は企業がこの問題に取り組んでいるとは感じていない。

人材維持のためのツールとして … そしてそれ以外にも

発展途上国にいて経済が不況の時には、事業主は仕事環境の柔軟性を高めるという課題に対して「また後で」と言いたくもなるだろう。だが、重要な人材が企業の成功、もしくは苦戦を左右する恐れのある時には、社員が望むやり方および場所で働いてもらう制度を導入することは非常に重要なこととなる。

フレキシブルな仕事環境がなければ、主要なスタッフが去ってしまう可能性もある。企業への忠誠心が低いジェネレーションY世代は特にだ。さらに、世界の72%の企業がフレキシブルな仕事環境は生産性を高めると言っているのを考えると[3]、そのメリットは人材の維持だけには留まらない。

そこで、あらゆる規模の企業に向けて伝えたいのは、社員に労働時間や仕事場の選択やコントロールを与える機会を遅らせないでほしいということだ。そして、このトピックに関してはこの他にも検討すべき要素がいくつかある。

      ・テクノロジー、そして、それにアクセスするためのプロバイダーを最大限に利用する。例えば、Regusは社員が通勤時間や出張を減らし、望む場所や時間で仕事ができるように、テレビ会議やビジネスワールドというサービスを提供している。
      ・毎日24時間制のモバイルテクノロジーがあるからといって、社員の私生活の時間にまで仕事させないように。香港での調査では、10人に4人以上の会社員がワークライフバランスへのテクノロジーの影響について否定的な意見を示し、睡眠時やホリデーの時でさえも、完全に休むことができないと述べている[4]。
      ・フレキシブルな労働時間と仕事場を検討すると同時に、フレキシブルなデバイスも考慮すること(例えば、携帯電話やタブレットの選択、ソーシャルメディアへのアクセスなど)。ジェネレーションY世代の5分の2は、これは彼らにとって非常に大事なことだと述べ、そのためなら彼らは給料の低い仕事でも受け入れるかもしれないという[5]。

若い世代から学ぶ。Regusのワークライフバランス調査から、ジェネレーションX世代(1965年から1980年生まれ)とジェネレーションY世代(1980年以降の生まれ)は、ベビーブーマーよりも、より良いワークライフバランスを楽しんでいることが分かった。

これは、おそらく、彼らが既にフレキシブルな仕事環境を求め、それを手に入れているからかもしれない。大学を近年卒業した人を対象にした調査では、70%の人が、ある程度フレキシブルな仕事環境を期待していると述べている[6]。

Regusの調査で、若い世代の会社員81%が以前よりも職場での生産性が高くなったと答えたのに対し、年輩社員で同じ回答をしたのが69%だったことを考えると、これらの例から私たち皆が学ぶこともあるだろう。


[1] “Defining success, 2013 global research results”、Accenture、2013年3月。
[2] OECD Better Life Index, www.oecdbetterlifeindex.org
[3] “Flexibility drives productivity’, Regus、2012年。
[4] “The State of Work-Life Balance in Hong Kong”、Community Business、2012年。
[5] ‘Cisco Connected World Technology Report’、2011年。
[6] ‘PWC Millennials Survey’、2011年。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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