
絵画など現代アートのレンタル・販売を手がけるスタートアップ、東京のFm(エフマイナー)は先週、アート作品のオフィス向けレンタルサービス「ClubFm(クラブエフマイナー)」をローンチしたと発表した。
このサービスは、アーティストのアトリエやギャラリーで休眠資産となっているアート作品を月額4,800円でオフィスに貸し出すもので、展示してあるオフィスの従業員やサービスの利用者は、別料金を支払うことで気に入った作品を購入することができる。
すでに、リクルートマーケティングパートナーズ、3Dグラフィックデザイン会社のデイジー、西村あさひ法律事務所などがサービスを導入しており、これらのユーザからは好意的な反応が返ってきているようだ。
アーティストが自身の作品を喫茶店などで展示販売しているケースはよく見受けられるが、ClubFm の特徴は、特定のアーティストに限らず、複数のアート作品をローテーションでき、オフィスにいながらにして楽しめる点だろう。アーティストから見れば、これまでに無かった新たな宣伝・販売チャネルが確保できることになる。ClubFm には、これまでに30名のアーティストの参加が決定、約200作品を取り扱っているが、2015年6月までに1,000作品、2016年までに20,000作品を取り扱いたいとしている。
Fm は、経済産業省/シカゴ大学 MBA 出身の森田博和氏と、東京画廊+BTAP出身のギャラリスト佐々木真純氏が2013年に設立したスタートアップ(前身はアメリカ法人で Origami)で、同年には経済産業省の「新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業」に採択、今年8月には東京・恵比寿にギャラリースペースをオープンしている。
アート作品の市場は世界で約560億ドル(2012年)に上るが、これに占めるオンライン流通割合は1.5%と少なく、5年で2倍(約20億ドル以上)まで拡大すると予測されている。Fm では ClubFm のローンチを、アーティストとアートの買い手のオンライン・マッチング・プラットフォームの開発への足がかりにしたいとしている。
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